VRの夜明け!Oculus Questのスペックや価格・評判/発売日を解説


ついにヴェールを脱いだOculusの新製品「Oculus Quest」ですが、6DoF対応のスタンドアロン型VRヘッドセットながらなんと399ドルで発表されました。

性能はどうなのか?ザッカーバーグの戦略はどうなっているのか?魅力あふれるOculus Questに迫ります。

Oculus Quest (Santa Cruz)発売の背景

Facebook傘下のOculusが、9月26日に待望のVRヘッドセット新製品「Oculus Quest」を発表しました。

6DoF対応である上に、399ドル(4万5,000円)という衝撃の価格で発売されますが、ザッカーバーグの戦略はどんなものなのでしょうか。

Oculus Quest

開発コードネーム「Santa Cruz」と呼ばれるVRヘッドセットは、Oculus RiftのようにPC接続を必要とせず、スタンドアロン型VRヘッドセットとして先に発売されたOculus Goよりも高性能ということで注目を集めていました。

「Santa Cruz」は9月26日にカルフォルニア州サンノゼで開催された開発者向けイベントで「Oculus Quest」として正式に発表され、発売は来年の春。価格は399ドル(約4万5,000円)となっています。

ザッカーバーグ

基調講演でOculus Questを発表したのは親会社であるFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOでしたが、彼は「VRを10億人に使ってもらうことを目標としているが、まだ1%。それにも届いていないかも知れない」と語りました。

彼がVR普及に必要と思っている条件は以下の3つです。

・スタンドアロンであること(PC接続する必要がない)

・手の動きを取り込めること

・自由に動けること(6DoF)

そして、今回発表されたOculus Questはその条件を満たした初めての製品となります。

↑同製品のプレイイメージ動画。かなり近未来的。

VRを普及させるためには、手ごろな価格で、十分なVR体験が可能なVRデバイスの登場が必要不可欠です。

Oculus Riftによって開かれたVR体験は、高性能なPCとのケーブル接続が必要であり、システム全体としては高価な環境が必要でした。

手軽なVR体験を実現するために投入されたスタンドアロン型のOculus Goは、非常に安価に360度動画などを楽しめる環境を整えましたが、やはりOculus Riftで得られるVR体験と、Goで得られるVR体験にはかなり差がありました。

特にVRヘッドセットをかぶって歩き回るような体験には3DoFでは不十分だったのです。

Oculus Questの何が凄いのか?

Oculus GoとOculus Riftとの違い

Oculus Questのディスプレイには解像度こそOclus Goと同じ1600 x 1440ですが、液晶であるGoに対し、Oculus Questは有機ELが採用されています。視認性は非常によく、ヘッドフォンもGoと同じく内蔵型となっています。

Oculus-Quest-Feature

なんと言っても、Oculus Questの特徴は4つの広角センサーを搭載し、前後、上下、左右の動きに動くことができる6DoF(Six Degrees of Freedom)に対応し、周囲を見渡すだけではなく、実際に動き回ることができることです。

Oculus Insightによる体験革命

6DoF(現実で動き回るとVR空間でも動き回る機能)はOculus Riftでは実現していましたが、位置を追跡する外部センサーを使用しないスタンドアロン型では6DoFの実現が難しく、Oculus Goでは周囲を見渡す3D0Fにしか対応していませんでした。

Oculus Questで採用されているトラッキング技術は「Oculus Insight」と呼ばれ、ヘッドセット本体に搭載された広角センサーからの情報を用いて周囲の空間の3Dマップを作成し、ユーザーの位置を算出しているのです。

このOculus Insightはかなり広い空間でも正確なデータを得ることができ、サンノゼのイベント会場では約24メートル×約18メートルの広場が設けられ、参加者たちがQuestを装着して、西部開拓時代を舞台にしたFPSのゲームを楽しんでいました。

また、操作はハンドコントローラーで行いますが、5月に発売されたLenovo Mirage Soloは6DoF対応でありながらコントローラーが6Dof対応ではありませんでした。

一方でOculus Questのコントローラーは6DoFに対応し、自由に動くことができるのです。

quest

イベントのデモではVRのテニスゲームも用意されていましたが、思いっきりスイングをしながらかなりハードに動き回っている人もおられました。

コードレスであることを最大限に活用し、Oculus QuestによってVR体験は新しい次元に入ったといえるのではないでしょうか。

以下はOculusの他モデルと、ライバルのスタンドアロンVRへッドセットであるLenovo Mirage Soloを比較したものです。

<VR-HMD比較表>

  Oculus Quest Oculus Rift Oculus Go
ディスプレイ 有機EL 有機EL 液晶
片目あたり解像度 1600 x 1440 1080 x 1200 1280 x 1440
視野角 不明 110度 110度
リフレッシュレート 72Hz 90Hz 60Hz or 72Hz
ストレージ 64GB 32GB / 64GB
トラッキング 6DoF 6DoF 3DoF
トラッキング インサイドアウト アウトサイドイン インサイドアウト
外部センサー 不要 赤外線センサー(最低1台) 不要
ハンド

トラッキング

× ×
価格 399ドル~(日本未発表) 50,000円(税込) 32GB/23,800円(税込)
64GB/29,800円(税込)

同社CTOのジョン・カーマック氏によるとOculus Questは処理能力の観点から言うとPS3と同じくらいの能力であると説明しています。

こうして比較すると、Oculus Questが非常に高性能かつ、戦略的な価格で投入されたことがお分かりだと思います。

Quest

体験者の評判・レビュー

Oculus Questは高度なVR体験をケーブルやPCから解き放ち、自由にVR空間を動き回ることを目的にしています。

また、399ドルという価格は大きなサプライズであり、VRの裾野を一気に広げる存在となることが期待されます。

さらに、Oculus Questで最も驚くのは、その自然なトラッキング技術です。

現実世界で普通に動き回るのとまったく変わらない感覚で自由に動き回ることができ、立ったりしゃがんだり、見上げたり見下ろしたりができ、床などの距離も正確に把握することができるため安心してゲームの中を動き回ることができます。

実際に発表会でのゲーム体験では、その圧倒的な手軽さ没入感は非常に好評であり、参加者はOculus Questを装着してフィールドの中をかなり激しく動き回っていました。これは従来のVRゴーグルでは実現できなかった体験です。

Quest

コントローラーのトラッキング精度も非常に高く、手の位置の把握(ハンドトラッキング)が正確なために、ラケットやバットを振り回すようなVR体験もとても自然に行うことができるのです。

この自由度がケーブルレスで、しかも外部センサーボックス不要で実現できたことは、VRの適用範囲を大幅に広げるものであるといえます。

まさにVR業界に真の夜明けをもたらすハードであると言えるでしょう。

発表会のデモでも用意されていたフィールド探索型のVR体験も、より自由に快適に楽しむことができるようになりました。

VRサバイバルゲームや、VRRPGなどの屋内型フィールドアクションなども増えてくるに違いありません。

永久の名作、スターウォーズの「ダースベーダー」コンテンツも同時発売

 

View this post on Instagram

 

Oculus Questさん(@oculus.quest)がシェアした投稿

さらに驚くべきことに、このカンファレンス中にOculus Questのコンテンツとしてあの人気SF映画スターウォーズの人気キャラ「ダースベーダー」をテーマにしたコンテンツを2019年に公開することを発表。

世界中にファンをかかえるこのコンテンツは、Oculus Quest購入の強力なインセンティブになり、一気に普及を進める可能性があります。

最高水準のハードウェアのみならず、最高水準のコンテンツを揃えて発表するあたりに、Facebookグループの本気度が垣間見えますね。

まとめ

ケーブルが必要なくなるだけで、これほど自由度が上がるのかと、携帯電話でも、ワイヤレスイヤホンでもわかっていたことではありますが、その解放感を改めて感じることができるのがOculus Questです。

日本での発売も予約開始もいつになるか分かりませんが、広いフィールドでも正確に壁や床の位置、及び手の位置を認識してくれることはVR体験に大きな安心感を与えてくれます。

どちらかといえば、床の上が散らかっていないことが重要になりますので、自宅でのVR体験の際は部屋のお掃除だけは十分にお気をつけください!


XR-Hub 編集部