Windows MRは買い?価格やスペック、使い方/口コミを解説!【Windows Mixed Reality】
Windows Mixed Realityはマイクロソフト社が提唱するARとVRを統合したものです。
MR対応のヘッドセットにはHoloLens以外にもサードパーティー製のものが存在しますが、今回は両者の違いやMRの魅力について詳しくご紹介いたします。
Windows MR(Mixed Reality)とは
Windows Mixed Realityとは、マイクロソフトのHoloLensと、同社の基本仕様に準拠して作られたハードウェアメーカーの販売する「Windows MR headset」を使い、その上で動作するソフトウェアを含めたシステム全体のことを指します。
一般的にARは現実世界にCG情報や音声を重ね合わせる技術であり、VRは実際には存在しない仮想空間の中に入り込む技術を指しますが、MR(Mixed Reality)は高度な技術で現実空間と仮想空間ををシームレスにつなぎ合わせ、CGオブジェクトがあたかも現実空間に存在するように見せます。
将来的には映像や音だけでなく、匂いや、触感までを実際に感じることができるようになっていくと考えられます。
マイクロソフト社の提供する「Windows Mixed Reality(MR)」対応のヘッドマウントディスプレイはマイクロソフト純正のHoloLens以外にも存在し、現在日本国内ではLenovo、DELL、Acer、HP、富士通などから「Windows MRヘッドセット(Immersive Headset)」として販売されています。
Windows MR(イマーシブヘッドセット)の特徴
Windows MR対応ヘッドセットの中で、HoloLensとImmersive Headsetは表示方式や操作方法も、できることも異なります。
先にImmersive Headsetを説明すると、密閉型のいわゆるVRゴーグルの作りになっていて外部カメラの映像をゴーグル内のディスプレイに投影する方式であり、両手にコントローラーを持って操作します。
HTC VIVEやOculus Riftと同じ仕組みといえますが、これらのハイエンドVRに比べPCの必要スペックが低く設定されていることも特筆すべき点で、マイクロソフトによると2017年夏に出荷したPCの40%がWindows MRの必要スペックを満たしているそうです。
Windows MRにはPCの性能によって「Windows Mixed Reality PCs」と、より綺麗な映像が楽しめる「Windows Mixed Reality Ultra PCs」の2つのモードが用意されており、MR体験の敷居を下げているのです。
必要スペックを見ると一般的なWindows Mixed Reality PCsではIntel Core i5 7200U (7th generation mobile)以上、必要RAMが8GB、グラフィックカードは内蔵型Intel® HD Graphics 620以上と、少し性能の良いノートPCであれば性能要件を十分満たすようになっています。
なお、当然ながらハイエンドである「Windows Mixed Reality Ultra PCs」では明らかに表示するコンテンツの質感が向上し、没入感はかなり強いようです。
自分の持っているPCがUltraに対応してるかどうかのPC Checkツールはこちらで使うことができます。「せっかくSteamでゲームを購入したのに、Ultraモードが使えない」という悲しいことが起きないように事前にチェックしておくことをオススメいたします。
Windows Mixed Reality 対応PCチェックツール
Hololensとの違い
一方、マイクロソフト製のHoloLensは透過型のARグラスに近い作りであり、CG映像(ホログラム)をゴーグル内の2枚の透過型ディスプレイに投影する方式となっています。
透過型である強みは、現実空間がそのまま見えるために業務作業に使える点にあります。
またHoloLensはWindows MRと違いPCとのケーブル接続が必要なく、MRヘッドセット単体で動作します。
本体にWindows10が内蔵されたヘッドセットであるために装着したまま自由に動くことができ、さらにコントローラーを持つ必要がなく、ジェスチャーで操作をすることができるので両手を開けることができるのです。
HoloLensにはCPUに加えてホログラム処理専門のHPU(Holographic Processing Unit)が搭載されており、2GBのRAMと64GBのフラッシュメモリーを内蔵してWindows10が稼働する「メガネ型WindowsPC」であるといえます。
※参考記事 ) 90%の人が間違えてる!「ホログラム」・「ホログラフィ」ってどんな技術?
このようにHoloLensに明らかな優位性があるように見えるのですが、最も大きなHoloLensの欠点は価格です。
サードパーティー製のImmersive Headsetが数万円で購入することができるのに対して、HoloLensは33万円以上もします。
業務利用で投資対効果が期待できる場合は別ですが、個人がエンターテインメント目的で買うには少々高価ですね。
HoloLensはMicrosoftストアで購入することが可能で、現在は開発者向け、および法人/組織での商用利用を対象として販売していますが、もちろん個人でも購入することができます。
(Hololensの更に細かいスペックや特徴についてはこちらで詳しく解説しています。)
Windows MRのスペック、解像度
さて、PCへの接続が前提のImmersive Headsetですが、HDMIとUSBケーブルをPCに接続するだけですぐに使用することができます。
マイクロソフトがOSをサポートしているために、Oculus RiftやViveなど他のVRシステムに比べて非常にセッティングが楽であることが特徴です。
Immersive Headsetの解像度は基本的には2880 x 1440となっており、HoloLensよりも高解像度ですが、これは透過型ディスプレイをつかっているHoloLensと、VRゴーグル型のImmersive Headsetの違いからくるものでしょう。
Steam VRとの連携
また、Windows MR機器はWindowsのストアアプリ内のVR・MRアプリケーションしか動作対応していませんでしたが、現在は「Windows Mixed Reality for SteamVR」がSteamで公開されています。
(↓Steam VRとWindows MRの動作イメージ)
これによりSteamのストアで販売されているSteamVR対応ソフトが遊べるようになります。
対応ソフトは順次拡大しており、大量のSteamVRゲームソフト・アプリケーションがWindows MR機器で実行できるようになりつつあります。
Steamでぜひ遊んで欲しいおすすめコンテンツはこちら→【厳選!】SteamVR対応おすすめ神ゲームソフト10選!
評判・レビュー
Windows Mixed Realityの評判は概ね良いようです。
エンターテインメント用途としては、HTC VIVEやOculus Riftよりも低スペックなPCでVRを楽しむことができ、PSVR並みにセットアップが簡単であることが人気の理由です。
また業務利用となると、シミュレーション用途であればともかく、作業用にAR的な利用方法を求める場合はコントローラーが必要なくジェスチャーで操作できるHoloLens以外に選択肢がありません。
業務利用用途では圧倒的にHoloLensの利用ケースが多いのはこれが理由でしょう。
※関連記事)
【MRヘッドセット比較】選び方・おすすめ人気機種3選を解説!
まとめ
Windows Mixed Realityといっても、HoloLensとImmersive Headsetでは仕組みや操作方法だけでなく、できることも違うことがおわかりいただけたと思います。
WindowsMRで遊べるアプリについてはこちらで紹介してます→)【厳選!】Windows Mixed Realityのおすすめアプリ・ゲーム7選!
ちなみにHoloLensは2019年中に大幅に機能強化と低価格化が実現された「HoloLens2」が登場するといわれています。
また「次世代版Kinect」も発表され、AIと組み合わせることでさらに高度な操作ができるようになることが期待されており、HoloLensへの搭載も期待されます。
2018年はARが本格展開することが予想されており、Windows Mixed Realityも大きく飛躍するに違いありません。今後も編集部では動向をチェックしていきます!
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