傑作VRアニメ【allumette】のあらすじや評判・感想を解説


世界的に高い評価を受ける「allumette」というVRアニメーションをご存知でしょうか。

今回紹介するこの作品は、童話マッチ売りの少女をモチーフとした切なくも心温まるファンタジー作品です。

20分ほどの物語でありながら「普遍的な美しい物語性」と「最新技術による表現技法」が見事に調和した本作。

本日は「他のVRアニメとは明らかに一線を画す」と筆者が断ずるに至った「allumette」について徹底解説していきます。

allumetteとは?

WIREDやウォール・ストリートジャーナルなどが絶賛

「allumette」はVRコンテンツを中心に手がけるアニメスタジオ「penrose studios」から2016年にリリースされたVRファンタジーアニメーション。

マッチ売りの少女をモチーフとした20分ほどのショートフィルムでありながら、母娘の絆と献身的な愛がテーマを題材にした本作はVRアニメの革命的作品として評判を読んでいます。

ちなみに「allumette」とはフランス語でマッチの意味。(アリュメッテと読みます)

allumetteが従来のアニメとレベルが違う理由

それではここからは、本作が「他のVRアニメと一線を画す」と断ずるに足る魅力を解説していきましょう。

「世界の片隅」まで美しいアニメーション

イタリアの水の都「ヴェネツィア」からインスパイアされた本作の舞台。

建物を曲がりくねった雲が波のように覆う美しい情景を生み出しています。

そして空に浮かむ街並みは、まるでおもちゃで作った箱庭のよう。

遊び心のある造形物が、現実には存在しない異世界感を演出しており、まるでおとぎ話や絵本の中に入り込んだような感覚に包まれます。

空中都市という設定をフルに活かすために、高低差を意識したモデリングがされており、視聴者は主人公の少女と一緒に街の下を覗き込んだり、路地の裏側に回り込んで見たり、まるで迷路のように入り組んだ舞台の好きな場所に移動して「世界の片隅」を楽しむことができます。

並行する幾多のストーリーが構成する物語

プレイしてみると分かるのですが、本編の少女のストーリーを進めるにあたり、街のあらゆるところで物語が同時に進行しています。

「この街の人々は本当に生活しているんだ…」というリアリティをVRを通じて体感することになると同時に、それぞれの場面に注目しながら見ていくと、このわずか20分ほどのシンプルな物語が、驚くほどの小さなストーリーの編み合わせによって構成されていることに、プレイヤーは後々気づくのです。

物語が二次元的ではなく、三次元的に進んでいるという設計はまさに従来のアニメには無いVRアニメーションの真髄と言えるでしょう。

クレイアニメーション風な作画が驚くほどVRと調和

アニメーション表現の特徴としては、人形劇やクレイアニメといった感じのあえてレトロな雰囲気を持つ表現方法が使われている点。

この手作り感と最新技術であるVRとが違和感なく調和しており、どこか懐かしささえ感じてしまうのも本作の特徴。

シンプルながら洗練された物語の内容、細部までこだわって作られた舞台装置の数々、レトロな表現から生み出される柔らかな雰囲気、それらがVR空間内で違和感なく交わり見事に表現されたアート作品なのです。

美しいサウンドトラックが視聴者の心を揺さぶる

また物語とは別の観点ですが、サウンドトラックと作品の調和が素晴らしく、トレイラーを見るだけでそのこだわりを垣間見ることができます。

幻想的な世界観の下支えとしての役割をしっかり果たす本作のBGMはまさにそれだけでも視聴の価値があると言えます。

すでに作品を見た筆者からするとBGMを聞いただけで、涙腺が…。ぜひ音楽にも注目して遊んでみてください。

allumetteのあらすじ

それではここから、ネタバレをしない程度に物語の骨格とあらすじを紹介していこうと思います。

物語は暗い夜の街の中、大きな箱を背負い、寒さに耐えながら背中を丸めるようにして歩く少女の姿から始まります。

少女は疲れてしまったのか、道端にあった木箱の上の埃を払い、その上に背負っていた箱を大事そうに置き、自らはその木箱に座るでもなく傍らの地面にうずくまってしまいます。

すると、強い風が吹き立てかけた箱が倒れ、中に入っていた大きなマッチ棒が転がり出てしまいます。

少女にとってこれはとても大切なものだったようで、慌てて拾い集め丁寧に箱にしまっていきます。

最後の一本をしまおうとしたところで、少女はふと思いついたような仕草をし、少し迷った後で、そのマッチを地面に擦り付け火を起こすと…?

周囲が光に包まれ、先ほどまでとは打って変わって明るい表情をした少女とその母親が、小さな飛行船で雲の上に広がる空中都市へとやってくるシーンが映し出されます。

飛行船を接岸させ、都市へと降り立つ2人。母親はマッチの描かれた看板を船のすぐそばに置きます。

どうやらこの母娘はこの大きなマッチを売る商売をしにこの街へと来たようです。

少女は、すぐ近くの小さな橋の上にいた紳士風の老人の目の前へ駆け寄ると、マッチ棒を持って踊って見せます。

老人は喜び、ポケットからお金を取り出し、その大きなマッチ棒を買って去っていきます。

それを見た母親は娘に何かささやき、おでこにキスをし抱きしめます。この母娘はとても仲が良く、そして心優しい人々のようです。

しかし突如また風が吹き、画面は再び暗く寒い、夜の街へと戻ってしまいます。

ここで視聴者はこの冒頭の暗くて寒い街が、先ほど母娘が幸せそうに抱きしめ合っていた場所と同じ場所である事に気がつきます。

あんなに幸せそうだった少女が、なぜ寒い夜空の下で寒さに耐えながらうずくまっているのか?大切に抱えているマッチの箱は何を意味するのか?

この続きは是非本編で観てくださいね。

【視聴環境】

「allumette」はPSVROculus RiftHTC Viveで視聴可能です。

<ダウンロードはこちらから>

  • PlayStation Store
  • Steam

今作は映画祭などでも高い評価を得た、物悲しくも心温まるVRショートムービーです。

これだけのクオリティながら、なんと無料で視聴可能なので対応するVRデバイスをお持ちの方はぜひ一度視聴してみてください。

allumetteの評判・感想、レビュー

最後に、ネット上での「allumette」の評判や感想、レビューなども紹介していきたいと思います。


極めてシンプルな内容なのに「allumette」がこれだけの感動を残すのは何故なのか?

革新的な技術と普遍的な物語の調和という言葉でそれを上手に説明してくれています。


今作にはセリフは一切出てこず、キャラクター達の仕草や表情だけで物語を表現しているのですが、クレイアニメ風の表現がそれを際立たせていて、本当に見せ方が上手いと感じる方も。


様々な事がその空間内でリアルタイムに同時進行していて、それを好きな場所から眺められるというのは物語そのものに奥行きを生み出します。

本作はそれが新たなVR表現の方法の一つとなる事を示してくれました。

あらゆる方向から物語を眺められる事で自分が物語を紡ぐという感覚になれるというのはまさにその通りです。この視点に着眼したVR作品が出てくるのが楽しみですね!

まとめ

今回紹介した「allumette」は、これまでにリリースされたVRを表現方法として使ったアニメーション作品の中でも群を抜いてクオリティの高い作品です。

短い時間でシンプルに構成された物語なのですが、その内容の全てから、もの凄い手間と時間をかけて本作が作られているという事がひしひしと伝わってきます。

VRアニメーションの未来の可能性を強く感じさせてくれる作品なので、これを機会に是非一度鑑賞してみてください。

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XR-Hub 編集部