AR/MRの本命「HoloLens」のスペック・評判・使い方/事例など徹底解説!
昨今多いに盛り上がりを見せるVR/AR産業。その中でもMRという概念を生むきっかけとなったMicrosoftのHoloLensはまさに「次世代のコンピューターの到来」を感じさせる新製品です。
本日はAR/MR産業の本命とも言えるHoloLensの仕組み、活用事例、スペックなど1つ1つ解説していきたいと思います。
Contents
HoloLensとは?
HoloLensは目の前の透過型グラスに映像情報を表示させることで、現実空間上でデジタル情報を操作するためのホログラフィックコンピュータです。
PCに接続する必要がないスタンドアロン型で、Wi-Fiも内蔵されているため完全ワイヤレスで使う事が出来ます。(メモリは2GB、ストレージは64GB)
搭載されている高性能カメラ・センサーが空間を三次元的に認識し、ホログラムを適切な位置に表示してくれるのですが、この空間のスキャン能力の精度が高いことがHoloLensの特徴です。
※参考記事 ) 90%の人が間違えてる!「ホログラム」・「ホログラフィ」ってどんな技術?
こちらはRoboRaidプレイ動画。
(敵が出てくる穴の位置がプレイヤーが動いても変わらないことから、精度の高い空間認識力を持っていることがわかります。実際のゲームは2:00からスタート)
これほど精度の高い空間認識、リアルタイム表示をコンパクトな独立デバイスで実現しているのはかなりの技術革命でしょう。
HoloLensを通じて見る3Dオブジェクトは複数人で共有が可能となっているため、ゲームはもちろん、あらゆる工業産業で応用される可能性を秘めており、市場としてARは消費者向けではなく、法人向けアプリケーションから立ち上がっていくという見方も多いようです。
HoloLensの使い方、動かし方
HoloLensは現実空間にホログラム情報を重ね合わせるため、AR(拡張現実)の概念に近いですが、ユーザーの手の動きに合わせてインタラクティブに目の前のホログラムを動かせる事からMR(Mixed Reality)とも呼ばれています。
使い方はシンプルで、マウスは使わずに音声や手のジェスチャーによってホログラムを動かすことが可能です。
主な使い方、動かし方としては
①、Air tap(指を上げて、すぐ降ろす)
②、Tap&Hold(つまんで動かす)
③、Bloom(パッと手を広げる)
という3つが基本動作となっており、まさに次世代デジタルインターフェースの幕開けを感じさせます。
モーションキャプチャによる手の動きだけでなく、HoloLensは音声認識技術も優れており、アプリケーション毎に認識して欲しい音声フレーズを設定することも可能です。
価格と購入方法
値段は現時点で、33万8,000円!
ヘッドマウントディスプレイと言えど、実態は超高性能PCなのでメーカー側のコスト都合もありそうですが…。
AR/MRの市場のポテンシャルとしては、個人よりも法人向けの方が早く立ち上がることから、現段階では法人にターゲット狙った価格設定なのでしょう。
HoloLens開発リーダーであるMicrosoftのアレックス・キップマンは「一般消費者が買うHoloLensは約10万円以下になるはずだ」とコメントしています。
(↑日本の落合陽一さんも尊敬するというアレックス・キップマン氏)
購入方法ですが、公式サイトから購入可能となっています。
HoloLensは現在開発者向けもモデルのため、サポートは英語のみとなっておりますのでご注意ください。
https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens/buy
HoloLens2がついに発表!スペック・購入方法とは
先代のHoloLens1から
- トラッキング技術(5本指追跡・アイトラッキング)
- 視野角・解像度がそれぞれ2倍に
- 軽量化・装着間の改善
- Azureとの連携や開発環境の整備
など様々な面で大幅な進化を遂げたHoloLens2が2019年2月に発表されました。
期待された「価格改定(値下げ)」は実現されず、3500ドルといまだ高額でしたが、機能面の圧倒的な進化により産業用途のデバイスとしてのポジショニングを一層確立しました。
開発環境も非常に整ってきており、今後様々な領域でHoloLens2が活用されていくことが期待できます。
※HoloLens2のスペックの詳細や価格、購入方法、活用事例
【HoloLens2完全解説】先代モデル、Magic Leap Oneとの比較から進化を大解剖
レビュー・感想
現状の評判やレビューですが、想像以上に製品レベルが高いことに驚くユーザーが続出しているようです。
HoloLens総評。
現時点であの完成度は予想外に凄い。
視野の狭い電脳コイルのゴツいメガネ。さすがマイクロソフト。
視野角さえ広がれば買っても良い。被らなきゃ分かんないわ…— 光輝@GGOと多田恋終了と暑さと事業撤退で危篤 (@koukiwf) 2016年5月13日
HoleLenz Gateの屋外テスト。キャプチャでは綺麗だけど肉眼だと厳しいなー。それでも広い場所でしっかりトラッキングされるのはやっぱり凄い。 #HoloLens pic.twitter.com/ZW3RKULGUI
— VoxelKei (@VoxelKei) 2017年5月15日
このように映像技術のみならず、トラッキング技術や音響システムまで好評なコメントが多く散見され、未来性の高さからコミュニティとしても盛り上がってきているようです。
と、AR/MRデバイスとして非常に魅力的な本製品ですが、まだ発展途上な部分もあり、表示領域の狭さには課題があるようです。
現在のHoloLensの表示領域は1メートル離れた距離に27インチ相当。
家庭用のTVサイズくらいでしか情報を表示することが出来ず、拡張できる情報量には限界があるとのこと。
コンセプトムービーでは、あらゆる部分にホログラムを表示させることが出来る感じでしたが、現段階ではまだそこまでは至っていないようです。
(↑これほどリッチな情報は、現状まだ出せないようです)
おすすめアプリケーションの紹介
さて、次はHoloLensが提供するアプリケーションで実用レベルの高いものを3つほど紹介しましょう。
Microsoft Remote Assist
Microsoft Remote Assistは他人とハンズフリーでアシスタントや専門家とコミュニケーション取るためのアプリケーションです。
3次元空間で、ビデオ映像や、写真、MRによる注釈付けなどが可能になっており、装着者同じ視点を瞬時に共有出来るため、相手に状況を伝える説明コストを劇的に下げたことが大きな特徴。
工場の仕分け作業や建築の作業工程において、ハンズフリーで情報を3次元的に他者と共有できることは、ARが起こす効率化イノベーションの本命です。
個人間のスムーズな情報連携は企業にとって古今東西の経営課題ですので、こういったアプリの産業化は間違いなくやってくるでしょう。
他にも教育分野でも応用が期待できそうです。ダウンロードはこちらから可能です。
Microsoft Layout
空間のレイアウトが自由に出来る「Microsoft Layout」
このアプリを使えば、機械の設備や製造現場の配置調整など、アイデアを空間ですぐ表現出来るためレイアウトにかかる作業コストを大幅に減らすことができます。
もちろん作成した3D空間情報は他者と連携可能なので、これまでよくあったように「思って感じと違う…」という悲しい目に合わなくて済みそうです。
この辺りは家具やインテリアの購入とも相性が良さそうです。
ダウンロードはこちらから
ZOOO
最後はコンシューマー向けアプリの紹介です。子供に人気がありそうな、「ZOOO」は現実空間に等身大の動物をホログラムとして表示できるアプリケーションです。
キリンなどを表示させた時、部屋の天井がブチ破られるという表現技法はとても凝った演出となっており、子供は大いにはしゃぎそうなUXを実現しています。
恐竜が壁から出てくるシーンは、2次元のYoutube動画にも関わらず少し衝撃的なレベル。
これが3次元的に目の前に出てきた時の興奮は相当なものではないでしょうか…。
絶滅した生物種もホログラム化できることから、大学の生物学授業にも応用が効きそうです。
Hololensのアプリケーションについてはこちらでも紹介していますんで、興味ある方はぜひ覗いてみてください^^
開発言語、環境について
開発言語は現在の所「Visual Studio 2015」と「Unity3D」が主流になっています。
Holographicアプリを作成する場合はVisual StudioのインストールとUnityのインストールは必ず済ませておきましょう。
Visual Studio 2015のインストールはこちら
Unity3Dのインストールはこちら
体験会、Meet upイベントについて
最近はAR/VRなどxR領域の盛り上がりもあり、HoloLensに特化した体験会やミートアップも全国規模で増えているようです。イベントや体験会の情報は下記にまとまってます。
Peaitix:https://peatix.com/
パーソルキャリア運営:TECH PLAY
https://techplay.jp/tag/hololens
百聞は一見に如かず、みなさんもぜひ一度はHoloLensとその熱いコミュニティを体験してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?HoloLensはマイクロソフトにとっても未来を賭けた一大プロジェクトであり、彼らの本気の技術の粋が詰まった製品です。
AR/MRの未来を大きく担う本作品、編集部でも引き続きウォッチしていきます!
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