【MRヘッドセット比較】選び方・おすすめ人気機種3選を解説!
最近、ARやVRを組み合わせたMR「複合現実」(Mixed Reality)というワードが出現しており、MRに対応したヘッドセットも出てきています。
今回は、MRヘッドセットの基礎知識を解説しつつ、現在販売されているMRヘッドセットの各機能を比較してきます。
MRの応用事例も紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい!
MRヘッドセットとは?基礎知識とメリットデメリット
まずは、そもそもMRとはどういった概念なのかといった点に関して解説していきます。
MR=「複合現実(Mixed Reality)」ですが、
- 現実空間と仮想空間を融合
- 表示した3D映像がインタラクティブ(動かしたり出来る)
※ここがARとの違い
という概念になります。
※MRに関する分かりやすい説明はこちら:
1.HoloLens型(透過型ARデバイス)
1つ目はマイクロソフト社が提供する「HoloLens」が有名です。
- 目の前にある透過型のグラスに3D映像を投影し
- 現実空間上においてデジタル情報が操作可能
というARデバイスになっていて、PC不要(スタンドアロン型)であることが特徴です。
また、映像の投影においてホログラフィを活用し、空間のスキャン能力の精度が高いことがHoloLensの強みになります。
※HoloLensについて:
AR/MRの本命「HoloLens」のスペック・評判・使い方/事例など徹底解説!
【HoloLens2完全解説】先代モデル、Magic Leap Oneとの比較から進化を大解剖
2.Windows MR型(非透過型MRデバイス)
2つ目はWindows MRで利用されているタイプで、デバイスにより視界が全て覆われるので、現実世界を共有することが出来ない仕様になっています。
画像をよく見るとゴーグルの前方にカメラが付いていますよね。
ここからも分かるように
- デバイスのカメラで現実空間を認知
- 目の前のディスプレイに現実空間に何らかの3D情報を複合した映像を投影
という仕組みでMR体験を可能にしています、
また、このタイプは現状単体で使用することはできず、PCなどのハードウェアに接続することでMRの世界を体験することができます。
現在はゲーム等の娯楽に利用されているケースが多いですが、今後はビジネスでの活用にも期待が寄せられており、注目が集まっています。
一方で、MR自体の市場がまだ小さいため、MRヘッドセットの価格も非常に高く、われわれが容易に手にする事は難しい状況です。また、ヘッドセットの性能も改良の余地があり、ユーザーにとって使いづらいことがあるのも事実です。
※Windows MRに関する詳しい説明はこちら:
Windows MRは買い?価格やスペック、使い方/口コミを解説!
MRヘッドセットの選び方
MRヘッドセットの選び方としては
- 価格
- 性能
を基準に選択するのがよいでしょう。非常に価格の幅が広いので、まずは自分が出せる金額を設定した上で性能を比較することを推奨します。
(1)価格について
現状MRデバイスは価格差が非常にあり、数万円~数十万円がMRヘッドセットの相場となっています。
ただ、各社開発を進めており、数年に一度は新しいものが出ることやMR市場が拡大すればそれに伴い開発コストも下がるです。
よって筆者は最初から高いものを買う必要はないと考えています。
価格帯としては、4万円~5万円台のものが比較的多いですが、中には2万円台のものがあります。
まずはお試しで安いMRヘッドセットを購入し、MRの世界を体感するのもありかもしれません。
(2)性能について
MRヘッドセットにおいて注目すべきスペックは主に、
- 解像度
:画質、ディスプレイに表示される映像の美しさ - 視野角
:視界として一度に投影可能な角度 - リフレッシュレート
:毎秒何回画面を描き換えることができるか - 重量
:デバイスの重さ
であると考えています。
いずれもMRを体験するうえで「通常の体験(デバイス未装着時)と比較した際にどれ程違和感を無くせるか」という点に相関する4点になります。
解像度に関してですが、人間の目の解像度は5億7600万画素といわれています。これは8Kの解像度(=約3,300万画素)でも全く足りません。よって、基本的には単純に「解像度は高ければ高い方が違和感なく楽しめる」と思って頂いて良いでしょう。
また、視野角・リフレッシュレートですが
- 視野角=水平約200度
- リフレッシュレート=90fps
が人間の標準に近いとされていますので、デバイスを選ぶ際の評価基準として活用してみて下さい。
※解像度・視野角・リフレッシュレートについて:
また、装着時の不快感などにもつながるので、MRヘッドセットの重量はぜひ押さえておきましょう。一度、試着するのもありかもしれませんね。
【比較してみた】MRヘッドセット3選
MRヘッドセットは既に多くのデバイスが存在しますが、ここでは3種上げて解説していきます。そのデバイスがあなたにとって最適か比較してみて下さい。
MRヘッドセット①「Magic Leap One」
Magic Leap Oneは、フロリダに本拠地を置くMagic Leap社は提供するMRデバイスです。
当社はグーグルやアリババなどの有名企業から約2,550億円以上を調達した実績があり、MRデバイス開発企業の中でも注目を浴びています。
Magic leap Oneは、2018年夏に発売されたデバイスは「開発者」向けです。特に販売地域も米国の一部の地域に限られているので、日本で購入することもできません。
Magic Leap Oneは「我々の生活を豊かにするデバイス」をコンセプトにしており、
- 物販サイトの家具を、バーチャル家具として自宅に配置し具合を確認する
- 飲料物をデバイスで通して見ることで栄養価を自動計算する
といったことを可能とする画期的なデバイスです。
Magic Leap oneの性能
Magic Leap oneは
- 「Lightwear」(ヘッドセット部分)
- 「Lightpack」(プロセッサとバッテリーを内蔵した本体)
- 「control」(リモコン型のコントローラー)
の3つのデバイスで構成され、直接装着するLightwearは325gとかなり軽量なのが特徴です。
視野は、アスペクト比4対3で
- 上下40度
- 左右30度
- 対角50度
となっており、HoloLensよりは広いが他のVRヘッドセットよりは視野が狭くなるといった仕様です。
また、眼鏡を付けたまま装着することができないといった欠点もあります。
ただ、現実的な物の見え方は精度が高いとの評判なので、視野が広がれば違和感なく利用できるかもしれません。
そして、このMRデバイスの特徴としてcontrolを利用して操作する点も挙げられます。
片手で操作ができる点は魅力的ですが、コントローラーが意外に大きく重いため、現実的には一部のユーザーは使いづらいかもしれません。
価格は25万
価格は約25万と一般ユーザーは手が出しづらい状況です。
ただMagic Leap社は今後海外に向けて販売していく方針で、当該デバイス用のゲームも発表されていますので、われわれが手にとってMRの世界を体験する日も近いかもしれません。
※参考記事)
Magic Leap Oneのスペックや仕組み、活用事例を解説!
MRヘッドセット②「Windows MRヘッドセット」を比較
Windows MRとはマイクロソフト社が提供するバーチャルコンテンツを体験するためのシステム「Windows Mixed Reality」の略称です。
このシステムに対応するMRヘッドセットがいくつかあり、今回は「Dell Visor」と「Fujitsuヘッドセット」を比較したいと思います。
1.Dell Visor
「Dell Visor(デル・バイザー)」はPCメーカーのDellが開発・販売するVRヘッドセットで、Windows Mixed Reality(以下Windows MR)向けの製品になっています。
- ノートパソコン程度のスペックでも起動
- 外部センサー不要
- セットアップが簡単
- 視野角がVRデバイス最大級の110度
- 価格がオープン価格で5万円台
とコストとパフォーマンスのバランスが非常に良く、VRゴーグルとしても非常に人気を博しています。
難点は重量が590gある点で、他のWindows MRに対応したヘッドセットと比較すると重い部類に入ります。
詳しくはこちらを参考にしてみてください。
【Dell Visor 徹底レビュー】VRゴーグルのスペック・使い方を徹底解説!
富士通 Windows Mixed Reality
続いては富士通が販売するMRヘッドセット。
Fujitsu Windows MRヘッドセットは、価格が27,864円と販売されているヘッドセットの中で最も安価でユーザーが手にしやすい商品の一つです。
- Dell Visorと同様にセットアップが簡単Windows MR対応のシステムにUSBで接続するだけでセットアップが可能です。
- 軽量(415g)
- 低価格(2万円台)
という手軽さが最大の特徴で、装着部分もベルトで調整できるので窮屈さを感じず装着することが可能です。
「とりあえず試してみたい」という方にとっては非常にオススメなMRヘッドセットです。
MRヘッドセット機種紹介③「Hololens 2」
先日、マイクロソフト社から新機種の「Hololens2」の発表がありました。マイクロソフトによると2016年に発売されたHololensの性能が大幅に向上しています。
従来のHololensは開発者向けでしたが、今回の新作は産業用であり、発表会でのデモンストレーションも産業向けのものが殆どだったようです。
HoloLens1との違い
全世代機から向上した点は、装着時の快適性・映像体験になります。
- 装着するヘッドセットの額及び後頭部のパットが広く設計
→ 装着者の頭にフィットしやすくなった - ヘッドセットの固定もダイヤル式を採用
→ 装着が容易になった - 従来搭載されていた頭頂部を止めるバンドがなった
→ 装着時の快適性が向上 - 視野角2倍(HoloLens1は35度)
- 解像度も2倍以上に
→ 精細なグラフィックスを実現しています。 - 指によるジェスチャ操作性も大幅に改善し
→ 両手の指10本の動きを正確に認識するようになったた
→ 3Dオブジェクトを掴んだりすることができるようになった
と機能性は抜群に進化しています。
価格HoloLens1と変わらず
価格は約39万円(3,500ドル)と他のMRヘッドセットに比べるとまだ値段が高く、一般ユーザーには手が出しにくいかもしれませんが、マイクロソフトは、Hololens2に対応したアプリケーションの発表や他社との連携を進めていくとのことなので、今後目にする機会も増えることでしょう。
ゲームや産業で!MRヘッドセットの活用事例
HoloLensをはじめとしたMRデバイスは徐々に様々な産業において活用され始めてます。
- 印刷
- 電力
- 医療
- 小売り
をはじめとした事例が多々あり、効率化やシミュレーションによる模擬体験を目的に応用されています。MRデバイスによる産業活用に関しては下記記事にて詳しく紹介しましたので、ぜひ読んでみて下さい。
【MRの応用事例まとめ】HoloLens用おすすめゲーム・アプリ7選
まとめ
今後、MRの市場が盛り上がっていけば、ヘッドセットも更なる進化を遂げると考えられます。
MRヘッドセットがあれば、MRという新しい世界でわたしたちの生活が劇的に変わることが予想され、世の中はより便利になっていきます。みなさんもこの機会にぜひ一度MRヘッドセットを手に取り、MRの世界を体験してはいかがでしょうか。
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