【MRの応用事例まとめ】HoloLens用おすすめゲーム・アプリ7選
VR・AR市場はますますの広がりを見せていますが、それらの発展系として「MR」(=Mixed Reality)という概念が生まれています。
その契機となったのが、Microsoftのホログラフィックコンピュータ・HoloLensです。
今回はそんなHoloLensの基本概念を解説しつつ、HoloLens用のアプリ・ゲームを7つ紹介します。
toB向けのアプリからtoC向けのゲームまで最先端のおもしろソフトを幅広く紹介するので、HoloLensやMRに興味があるという方は是非ご覧ください。
Contents
HoloLensとは
HoloLensとはMR=Mixed Reality(複合現実)デバイスと呼ばれており、VR/ARを更に進化させたデバイスになります。
目の前の透過型グラスに映像情報を表示させることで、現実空間上でデジタル情報を操作するためのホログラフィックコンピュータです。
HoloLensの特徴は「現実空間と仮想空間がシームレスに融合する」という点であり、ゲームなどの仮想空間が現実空間に連動するのです。例えば、
- 現実世界に机があればその上にゲーム内の物体が落ちたり、床を歩いたりすることができる
- HoloLensを装着した状態でも自分の手が見えるので、現実世界の作業を仮想空間とミックスした空間で行うことができる
といったあたりです。
HoloLensのハードウェア詳細についてはこちらをご覧ください→)
VRデバイスでは外部からの情報を遮断するため没入感は高いものの周りが見えなくなりますが、HoloLensであれば現実世界と仮想空間がミックス(=MR)されてます。
これにより日常シーンやビジネスシーンへの応用範囲がグンと広まります。
そんな次世代デバイスである、HoloLensのアプリケーションを見ていきましょう。
ゲームだけでなく様々な領域への活用ができるので、さらにマーケットが広がっていくはずです。
一般ユーザー向け!HoloLensおすすめゲーム・アプリ3選
まずは、一般ユーザー向けに作られたHoloLensアプリ・ゲームを紹介していきます。
HoloLensでも遊べる王道ゲーム『Minecraft』
Minecraftは様々なデバイスで遊べる冒険ゲームですが、HoloLensでも遊ぶことができます。
現実世界と仮想空間の融合というHoloLensならではの要素が盛り込まれ、Minecraftもまた違った面白さ味わえることができます。
例えば、こちら。
- リビングでマイクラをプレイすると、机の上にゲームの世界を作ることができる
- 「3D」と言っただけでHoloLensが音声認識し、マイクラの世界が3Dとなり世界に奥行きが生まれる
- 「リアリティーモード」と唱えるとマイクラのキャラクターを第三者視点でコントロールできる
第三者視点というのは、いわば神の視点。神様の視点で世界を創造していくのは他のデバイスにはないhololensならではの醍醐味ですね。
Minecraft VR についてはこちら→)Minecraft VRの遊び方とレビュー・感想まとめ
自分の部屋が事件現場に?謎解きゲーム『Fragments』
現状のHoloLensは他に例を見ないデバイス・コンセプトのためか、ゲームにおいてもアプリの数は少なめです。
そんな数少ないゲームの中で、完成度が高いゲームアプリが「Fragments」になります。
Fragmentsはご自身の部屋でプレイしていただくゲームで、事前に部屋全体をスキャンします。
そして、Hololensをかぶると自分の部屋が事件現場に変化します。プレイヤーは捜査官として、そこに残されている手がかりをもとに事件の謎を解決していく、というアドベンチャーゲームです。
Fragmentsの優れているポイントとして上げられるのが、壁・テーブル・ソファーやそれぞれの位置関係を認識し・部屋全体の形や各家具をもとに犯罪現場を再現していく点です。
つまりどういった部屋であっても家具や部屋構造を認識し、事件現場へと変化させてくれるのです。
そして何といっても、ゲームのリアリティは目を見張るものがあります。
ゲームの中でガイド役をしてくれるAIの男性が喋っている途中で現実の椅子やソファーに座ったりするのがとてつもなくリアルなのです。自分の部屋の椅子に仮想空間のキャラクターが座っている状況に驚くでしょう。
ぜひ、プレイしてみて下さい。
一方、Hololensのアプリの傑作と個人的に思ってる探偵ゲームfragments (https://t.co/uec99V5SJR)は登場キャラクターの実世界のソファーや椅子に対する自然なインタラクションを、オブジェクトの認識を介してではなくシンプルに高低差を以てアフォーダンスとしているのが改めて上手いと思った
— Kota Isobe (Kotton) (@theruleisobeyed) 2018年9月6日
現代版どこでもドア!『HoleLenz Gate』
リアルとバーチャルの境目をなくし混沌へと陥れるアプリ「HoleLenz Gate」。一度動画をご覧ください。
これぞ現代の”どこでもドア”。現実空間に、仮想で作り出す別の現実空間へのワープゲートを生み出し別世界を除くことが出来ます。
オフィスに時空の歪みを作り出してビルの玄関にワープしたり、指先1つで下界の山々を覗ける穴を作り出したり、まるで魔法使いになったかのような感覚に陥ることができます。
高所恐怖症には恐怖にはおすすめできませんが、多くの方には是非1度体験してほしいゲームです。
【法人向け】HoloLensアプリおすすめ4選
ここからは、MRを様々な産業に活用している例についてご紹介していきます。
導入予定の印刷機をMRで!『MR向上シミュレーション』
工場に新たな大型機器の導入を検討する際、「機器の大きさ」や「どこに置くと使いやすいか」といった点を事前にシミュレーショできれば非常に効率的ですよね。
それを実現できるのが、真生印刷株式会社とデジタル総合印刷が開発した「MR設備導入シミュレーション」アプリです。
このアプリを使うと、印刷会社の工場の中に大型印刷機の3Dイメージを実物大で設置できます。
既存の機械との置き場所の兼ね合いや導入後に実際に作業する時の問題点を様々な位置から確認することができるようになります。
このアプリを使えば、印刷工場のみならず、色んな作業現場へ大型機械や設備を導入する際に発生する業務時間を大幅に短縮できますし、導入時のアンマッチも解消可能でしょう。
AR/VRを活用した研修事例についてはこちら→)
東電が共同開発!『QuantuMR』
これは『クァンタムアール』と呼び、東京電力と株式会社ポケット・クエリーズが共同で開発したアプリになります。
開発の目的は、機器点検で異常が見つかった際の修復作業の質の向上になります。
機器点検の時にQuantuMRを使うと、「その機器点検の時に見つかったデータ」と「集中管理しているデータ」を同時に活用し、異常の際の修復がスムーズにできるようになります。
また、本社などの離れたところのオペレータとも同じ映像を共有して、実際のMR空間の中で作業者に的確な指示などを出せるようになります。
今は発電所内での使用を目指していますが、今後様々な現場でシミュレーションして最適な活用法を検証していく予定になっています。
OPERADA
日立が開発した「OPERADA」は、手術室の構築イメージを体験できるアプリです。
手術室には様々な機器が配置され、手術自体も複数のスタッフで行うことから、「効率的な機器のレイアウトができること」が重要です。
OPERADA導入前は実際に手術室をイメージすることが難しく、機器の運用などをシュミレーションできないという問題がありました。
ですが、OPERADAを導入することにより新設予定の手術室や機器の新規導入を予定している従来の手術室の空間を、ホログラムによりバーチャル医療機器と組み合わせることができます。
※参考記事 ) 90%の人が間違えてる!「ホログラム」・「ホログラフィ」ってどんな技術?
そうすることで、手術室のレイアウトイメージや新しい機器の導入イメージを体験できます。
「視界を遮ることなく装着したままで現実の周囲や自分の手元が見えるので」というhololensの特性を活かし、手術に集中できる環境を整えたアプリケーションだと言えます。
ARによる医療活用事例はこちら→)ARの医療応用-最新の事例や医療手術の革命に迫る
小売業に効率化の革命を起こすアプリ『PickAR』
アメリカのジョージア工科大学の学生が開発した「PickAR」。
コンセプトは【サプライチェーンを37%改善するアプリ】で、ターゲットは小売店の倉庫になります。ウォルマートと共同で倉庫作業の効率化に挑んでいます。
小売業界の慢性的な課題として、莫大な倉庫作業の業務効率化が挙げられます。例えばAmazonはロボットを投入することで解決を図っており、多額の投資が行われています。
大型の荷物運搬などは設備投資により解決しやすいものの小さな荷物の運搬等においては未だ人力で行っており、人が毎日8時間から12時間も倉庫を動き回って荷物をピックアップしているのです。
この中間プロセスをMRで大幅に改善しようとしているアプリが「PickAR」になります。
ジョージア工科大学の学生は、PickARをHoloLensの『地図アプリ』と『スキャナーアプリ』の二つの機能を組み合わせた作りにすることで解決を図りました。
1つ目の機能『地図アプリ』とは、チェックしたいアイテムの場所までガイドするマッピング機能です。
ユーザーは、ガイドが示した方向に沿って移動するとチェックしたい商品の場所まで行くことができます。
2つ目の機能『スキャナーアプリ』は商品をアイ(目)・スキャンする機能になります。
現在の物流業界では、在庫チェックにハンドスキャナーを使うことが主流ですが、PickARでは、商品のスキャンをユーザーの視線上にあるアイ・スキャナーで行えるよう開発しました。
この2つの機能を搭載しているPickARは小売業界の倉庫作業を圧倒的に効率化させようとしています。
確かに、ARで人を電脳化的にして
効率実現できる動画ですな。▼サプライチェーン業務時間を37%削減するHoloLensアプリ「PickAR」のデモ動画公開 | VR Insidehttps://t.co/x9k23Ej2yA#VR #AR
— TakuTakebayashi (@trendism) 2017年8月28日
まとめ
いかがでしたか?
HoloLensは現在最先端のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)であり、発展途上であるにも関わらずクオリティの高いアプリが揃っています。
他のVRヘッドセットと比べて優れているのは、やはりMR利用を活かしたビジネスシーンへの応用でしょう。特に製造業・医療・教育などの現場で力を発揮するに違いありません。
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【MRヘッドセット比較】選び方・おすすめ人気機種3選を解説!
そして、HoloLensやアプリは、VR市場がキャズムを超えるのに必要不可欠なデバイスになるのは間違いありません。
今後も要注目ですね。
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