VR・3Dゲーム開発言語の学習方法や必要な機材・スクールの選び方


ますます盛り上がるVR。ゲームやVRシステム開発に興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「Unityは易しいとは聞くが、実際コンテンツは一体どうすれば作れるのか」「開発するには何が必要なのか」「プログラミング言語は何を学べばいいのか?Unity以外に何が必要なのか?」など多くの疑問が見受けられます。

今回は初心者の方がVRの開発(VRのプログラミング)を行うために必要な情報や費用感についてまとめてみました。

VRプログラミングを行うには何が必要で、費用はどれくらいかかるのか?どこでVRのプログラミングを学べるのか?など、「VRの開発~プログラミング系」についてのあらゆる情報を説明していきますので、是非ご覧ください!

VR開発(プログラミング)言語に関する基礎知識~Unity/Unreal Engine徹底比較

ゲームエンジンとは(3Dゲーム含む)

現在のVRゲームやVRアプリケーションの大多数が、ゲームエンジンのUnityもしくはUnreal Engineを使用して開発しています。

「ゲームエンジンって何?」という方も多いと思われますが、ゲームエンジンとは、ゲームアプリケーションの動作に必要なグラフィックス、入力、サウンド、物理シミュレーション、リソース管理などのランタイムや、シーンエディタ、コードエディタなどの開発環境といった、ゲームソフトをつくって動かすために必要な機能がひとまとまりで提供されているソフトウェアのことを指します。

VRコンテンツは基本的に3DCGであり、モデルを作って自由に動かすにはゲーム用の開発環境であるゲームエンジンを使うのが手っ取り速いのです。

ゲームエンジンの代表例

ゲームエンジンにもいろいろあるのですが、その中でもUnityUnreal Engineの2つが非常によく使われています。

PS4やスマホのゲームを起動する際に「Unity」などのロゴが出てくることがあるのを見たことはありませんか?

あれは「このゲームはUnityで作られています」ということなのです。

もちろん他にもたくさんのゲームエンジンがありますし、大手ゲームメーカーなどではゲームエンジンを自社開発しているところがあります。有名なところではメタルギアシリーズやウィニングイレブンのために開発された「Fox Engine」などがあります。

一般的にゲームエンジンはマルチプラットフォーム対応であり、異機種にプログラムを移植しやすくなっているため、PS4やXBOX、iOS、Androidなど向けに同時にゲームをリリースすることができるのです。

従来は非常に高価だったゲームエンジンですが、UnityやUnreal Engineは無償版を含めて非常に低価格で開発ツールを提供、プログラム部品や3D素材などの販売を含めたエコシステムを確立することに成功しました。

今ではこれらを使って個人であっても3DCGを使ったゲームなどを作れるようになったのです。

VRに話を戻しますと、各社のヘッドセットはUnityやUnreal Engineに対応しており、VRコンテンツを誰でも簡単に作成することが可能になっているのです。

2大ゲームエンジン比較 ~ UnityとUnreal Engine

UnityとUnreal Engineの大まかな違いを説明します。

Unityはスマートフォンなどのモバイル系を中心にシェアを広げてきたため、作成したコンテンツを比較的低スペックの機器で動かすことができます。

スマートフォンのゲームなどにはUnityが使われていることが多いのはこのためです。

VRコンテンツについても、GearVRやGoogle CardboadなどのVRアプリではほとんどがUnityで作られています。

Unityの場合、複雑な処理をさせるにはJavaScriptやC#などの言語を使う必要がありますが、基本的な動きはプログラミングなしで表現することができ、これは非常に大きなメリットといえます。

一方のUnreal Engineはどちらかといえば家庭用ゲーム機やアーケード機をメインに利用されているプロ向けを前提としたゲームエンジンです。

バンダイナムコなどはUnreal Engineを使うことが多いようですが、Unreal Engineはリアルな映像を作りやすいために、映像系やCG系のクリエイターの方はUnityよりもUnreal Engineを好むケースが多いように感じます。

Unreal Engineを開発環境に使う場合はC++でゲーム本体を動かし、映像担当のデザイナーはBluePrintを使って美麗な映像を制作するのが一般的です。

VR開発(プログラミング)に必要な機材とハードウェア・価格・費用

VR開発の準備物と値段

VR開発に必要なものは以下になります。

  • ソフト開発環境
  • 開発用のパソコン
  • VRヘッドセット
  • 配信プラットフォーム利用料

それでは順番に見ていきましょう。

ソフト開発環境の費用感についてですが、Unityであれば初心者向けの「Unity Personal」を無償でお使いになることができます。

中級者向けの「Unity Plus」なら月額4,200円程度、上級者向けの「Unity Pro」であれば月額15,000円程度となっていますが、初めてVRコンテンツを作るのであれば無償版の「Unity Personal」で十分でしょう。

種類 価格
Unity Personal 無料
Unity Plus 月額4,200円程度
Unity Pro 月額15,000円程度

中級者向けの「Unity Plus」なら月額4,200円程度、上級者向けの「Unity Pro」であれば月額15,000円程度となっていますが、初めてVRコンテンツを作るのであれば無償版の「Unity Personal」で十分でしょう。

Unreal Engineの場合、最新の「Unreal Engine 4:通称UE4」は無料で公開されており、UE4で作った有料アプリケーションが販売され、四半期ごとの売り上げが3000ドルを超えた場合は,3000ドルを超えた部分の5%をロイヤルティとして支払う成功報酬型モデルになっています。

このように開発ソフトウェア環境的には無料から始めることができますので、VRコンテンツプログラミングは意外に敷居が低いのです。

開発用ハードウェア・HMD(VRゴーグル)

VRコンテンツを開発するためのハードウェアは、デスクトップPCの場合、最低でも10万円以上のPCが必要になります。

VRの開発環境に要求されるスペックはかなり高いものが要求され、3DCGを扱う関係でCPUはCore i7などの高速なもの、メモリは16GB程度必要とされます。

ストレージはHDDではなくSSDが望ましいでしょう。もちろん低スペックの環境でも開発自体は可能ですが、処理負荷が高いため、快適に開発を行うためにはそれなりのスペックが必要となるのです。

またVRゲームを作りたい場合は、VR映像を作る場合よりも高スペックのパソコンが要求されます。

GPUはGeForce、Radeonなどの、できるだけ新しいチップが搭載されていることが望ましいです。

HTC VIVE Proなど、ハイスペックVRヘッドセットを利用する場合に要求されるPCのスペックもかなりものですので、当然ながらそのコンテンツを開発するPC必要スペックが高くなるのは致し方ない部分ではあります。

関連記事)VRがサクサク動く認証「VR Ready」を満たすPC一覧

開発環境のセットアップついて

また具体的なUnityの開発環境構築方法(Windows)をこちらの記事で詳しく解説しました。

ダウンロードからアカウント作成まで非常に分かり易く記載しましたので、ご参考になれば幸いです。

揃えるのに必要な費用感

初めてVRコンテンツのプログラミングを行いたいのであれば、10万円程度のデスクトップPCと、開発環境のゲームエンジンとして、初心者に優しく無償版である「Unity Personal」があればよいでしょう。

それ以外には、VRヘッドセットが必要になるのと、作ったアプリを配信したい場合は、配信プラットフォームの利用料がかかることを覚えておいてください。

また、VRヘッドセット本体については5万円〜10万円程度見ておけばよいのではないでしょうか。

関連記事)PC専用のVRゴーグル5種の価格・性能を徹底比較

VR開発(プログラミング)の学習方法①本で学習する場合のおすすめ3選

ゲームをはじめとしたVRシステム開発を学びたい場合、大きく

  1. 本などで独学で研究する
  2. プログラミングスクールに通う
  3. 大学・研究室などで学ぶ

という3つの方法があります。ここからは、VRシステム開発の学習ににおすすめの本やプログラミングスクールを紹介していきます。

①VRを学ぶのにおすすめの本3選

それではVRプログラミングを学ぶために参考になるおすすめの本を3冊ご紹介します。

<作って学べるUnity VRアプリ開発入門>

本書は、はじめてVRアプリ開発を体験したい人のための入門書です。身近なスマートフォン、開発環境にVRと親和性の高いUnityを利用することで、VRに必要な知識からVRアプリの開発工程まで一通りの体験ができます。

また、3つの異なるVRアプリの作成を通して、Unityの基本的な機能を学ぶことができますので、Unityをはじめて体験する人にもおすすめです。

<VRコンテンツ開発ガイド2018>

VR開発の最新事情とノウハウを詰め込んだ『VRコンテンツ開発ガイド』2018年度版です。


デバイスの技術解説や、Unreal Engine 4によるAR開発、HoloLens活用法、モバイルVRの最前線、VRコンテンツのデザイン要素と考え方、VRサウンドのノウハウまで、幅広く濃い情報を網羅した内容となっています。

<UnityによるVRアプリケーション開発 ―作りながら学ぶバーチャルリアリティ入門>

Unityを使ったVR開発の入門書です。本書では実践的なサンプルを多用しながら、Oculus RiftGoogle Card boardといったHUDデバイスで体験できる仮想現実世界の開発を簡潔明瞭に解説しています。

利用するサンプルプロジェクトは、さまざまなVR体験をどうやって構築するのか理解する助けとなります。

読者は、仮想世界にインタラクトするための一人称および三人称でのナビゲーション、VR空間用のさまざまなUI要素の使い方、360°パノラマ、バーチャルウォークスルー、ソーシャルVRメタバースの開発、さらにはVR酔いなどVR特有の問題点についても学ぶことができます。

VRゲーム開発に関しては、おすすめの本をこちらの記事にもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

【厳選】ゲーム開発初心者必見!Unity学習に最適な本おすすめ5選

 

VR開発(プログラミング)の学習方法①スクールで学習する場合のおすすめ教室2選

ここからはVR/ARのプログラミングを学習するのにおすすめのプログラミング教室を2つ紹介します。

VR/AR業界では主にUnity人材の需要が高まることが想定されるため、Unityコースを持つプログラミング教室をメインでご紹介致します。

TECH CAMP – テックキャンプ

TECH::CAMP(テックキャンプ)は目的に応じて必要なプログラミングを学ぶことができるスクールで、教室でのオフラインとネット上でのオンラインを組み合わせて受講することができます。

また、VR開発(Unity)専門のコースも用意されています。

プレイステーションやスマートフォンで実際に動く自分だけのゲームを作成して遊ぶことができますし、もちろんプログラミングの基礎やVRに必要な知識まで学習することができます。

また、TECH::CAMPでは、本申し込みの前に無料説明会や体験会へ参加することができます。

テクノロジーについて学ぶメリットや学習の仕方を事前に教えてくれる他、オリジナル教材でプログラミングの基礎も教えてくれるので、お試しでどのような雰囲気なのかを感じることができるのは大きなメリットです。

TECH::CAMPのVR開発エンジニア、即戦力エンジニア養成プログラムの体験はこちら

テックアカデミー

TechAcademy(テックアカデミー)は、オンラインで完結するプログラミングスクールで、作りたいサービスや目的によって数多くのコースから選ぶことができます。

TechAcademyではVRゲームを作成するのに必要なUnityのコースも用意されており、8週間、12週間、16週間、24週間の4つの期間を選んで学習することができます。

また、教えてくれるのは現役のエンジニアやデザイナーといったプロで活躍している人たちなので、受講生の習得度に合わせてレクチャーを受けることができます。

24時間のチャットサポートも充実しているので、いつでもどこでもつまづいた部分を質問してすぐに解決することも可能です。

受講生限定の就職・転職紹介サービスもあるので、受講状況や習得スキルに応じてスカウトがきたり、ニーズや能力にあった転職も可能です。

テックアカデミーのUnity体験はこちらから。

VR開発を研究できる大学・研究室

現在では、日本の大学でも先進的なVR研究が可能な大学がでてきています。

東京大学大学院情報学環・学際情報学府の研究室や筑波大学落合研究室など、最先端の技術を学べる研究室と各研究内容をこちらで紹介します。

【厳選】VR/ARを学べる大学 研究室 5選!

XR-HubでもUnityは学べます~Unity開発入門記事まとめ

手前味噌ではありますが、XR-HubでもUnityプログラミングの入門記事を作成しています。

比較的Unity歴が浅い方向けにUnityのゲーム開発チュートリアル記事を公開していますので、プログラミングやVRコンテンツの仕組みに興味があるという方はぜひ読んでみて下さい。

【Unityチュートリアル完全攻略】初心者向け3Dゲームの作成

実践を通じてVR開発を学ぼう! – VR開発・参入企業12選

VR市場の立ち上がりフェーズに伴い、多くの企業がVR事業の立ち上げ・参入を始めています。

VR系の参入企業は大きく下記に分類されるでしょう。

  • VRデバイス開発会社
  • VRゲーム/アプリ開発会社
  • VRシステム開発会社
  • VRプラットフォーム開発会社

上記の中から、今後のVR市場をけん引していくと予測される国内外の企業を下記記事にまとめました。

いずれも大変興味深い事業を行っている企業ばかりですので、ぜひ読んでみてください!

VR業界を牽引する企業12選!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

VRプログラミングを始めるには、意外に敷居が低いことがお分かりいただけたのではないかと思います。

少し前までならば、専門知識を持つプログラマがC++でDirectXやOpenGLなどを直接たたき、複雑なアルゴリズムを実装していかなければならなかったのですが、高機能なゲームエンジンの登場によって、VRコンテンツの開発は初心者でも十分に挑戦できるものになったのです。

今後、エンターテインメント利用およびビジネス利用が見込まれるVRプログラミングですが、一足先に貴方も体験してみませんか?


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株式会社x gardenが運営するXR-Hubの記事編集部です。

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