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VRでアートを体験できるアプリ・美術館7選


近年、美術・アートの分野においてVR/ARの技術が盛んに活用されています。

アート作品を3Dデータ化してVR空間内で手に取るようにして鑑賞できるサービスを始め、VRやAR技術を利用したアート向けの様々なアプリやサービスがリリースされており、美術館や博物館でのVRの積極活用も始まっています。

既存の作品の世界をVR空間に再構築するといった試みも見られます。

今回は美術ファンには見逃せない、新たなVRアプリやサービス、試みなどを厳選してお伝えしていきます。

【4つの視点で解説】VRの美術・アートアプリの種類 / 魅力について

planetaria

画像引用元:Planetaria

「VRで美術を体験できるアプリ」や「VRを活用している美術館」といっても、活用方法は多岐に渡っています。

  • 「VR空間上=美術作品の世界」など、現実空間とは別世界が再現されているもの
  • VR空間が美術館になっているもの

前者の魅力としては、異世界へのダイブといった高揚感を味わえたり、好きな作品の世界観にどっぷりと浸ることができる点にあるでしょう。

また、後者の魅力としては大きく下記3点に分類されると考えられます。

  1. 美術やアートがより身近になる
  2. これまで不可能だった細部まで作品の鑑賞が可能になる
  3. 無限に広いVR美術館を作れば、現在所蔵されている非展示作品の数々を鑑賞可能

1点目ですが、VRで美術館鑑賞や美術鑑賞が可能なアプリであれば、「美術館や博物館は敷居が高くて抵抗がある」という人であってもVRで気軽に体験できます。

手軽に自宅から美術鑑賞できれば、多くの人にとって新たに美術やアートに触れるきっかけとなるでしょう。

また、元々美術やアートが好きで、美術館や博物館によく訪れるという人にとってもVR技術を活用した美術鑑賞には大きな魅力があります。

近年のVR技術や映像技術の発展で、VR美術鑑賞アプリでは実物と大差ないクオリティの美術品鑑賞が可能となってきており、家にいながらにして美術鑑賞という優雅な体験ができるのです。

vr美術館

さらにVRならではの魅力として、作品の細部までを手に取るようにして鑑賞できるのも見逃せない点です。

普段見ることのできない作品の裏の部分や細かな構造など、その全てを思う存分に具に鑑賞できます。これは、作品の新たな魅力に気がつく事にきっかけとなるでしょう。

加えて、VRという空間の広さに制限がない媒体を利用すれば、これまで所蔵庫に仕舞い込まれて、陽の目を見る事がなかった多くの美術作品に触れられる場を大きく増やす事ができます。こういった点も美術愛好家には嬉しいポイントです。

以上の様に、VR技術の美術・アート分野への活用は、様々な魅力や可能性に満ち溢れているのです。

関連記事)博物館・美術館・展示会のAR活用事例10選|アップデートされる新たな展示手法を徹底考察

おすすめVR美術/アート・アプリ/サービス4選

では、ここからはVR技術を活用した美術・アートのアプリやサービスを厳選して紹介していきます。

1.世界中の作品をVR上でギャラリーに!『Google Arts&Culture VR』

Google Arts&Culture VR

 

Googleからリリースされているアプリ「Google Arts&Culture VR」は世界中の美術館や博物館から集めたアート作品を、VR空間に作られたギャラリーで鑑賞可能というもの。

Google Arts&Culture VR

ゴッホなどの有名画家の絵画がストロークがわかるほどに細部まで再現されており、拡大して細部までの鑑賞も可能ですし、専門家による音声解説機能もあり実際の美術館さながらの鑑賞体験を実現しています。

アプリの利用にはGoogle Daydream対応VRヘッドセット(Daydream Viewなど)及びがDaydream 対応のスマートフォンが必要です。
対応VRゴーグル・スマホの詳細はこちらから

Google Arts&Culture VRのダウンロードはこちらから

2.手に取って鑑賞できるVR空間上の美術館『DNP Virtual Gallery』

大日本印刷(DNP)が開発した「DNP Virtual Gallery」は美術館や博物館向けにリリースされたシステム。

VR空間内で絵画や美術品などを実際に手に取っている様に鑑賞でき、その場で複製作品の購入までが可能になっています

DNPバーチャルギャラリー

VRゴーグルを装着しコントローラーを使って作品を手に取り、目の前に近づけて細部まで鑑賞する事が可能。

大日本印刷が長い歴史の中で培ってきた高精細な複製印刷技術を活用しており、絵画であればキャンバスの布地の部分、美術品であればその素材感まで細かく表現され、本物と変わらないと言っても過言ではないレベルです。

本サービスは美術館・博物館向けに開発されたソフトですが、今後DNPは企業のショールーム展示や販売促進キャンペーンにも活用されることを目指していくようです。

※販売価格

  • 初期導入費 : 200万円~
  • コンテンツ入替作業費 : 20万円~/1回
  • リース費 : 30万円~/1日

3.ダリの世界観へダイブできる無料アプリ~『Dreams of Dalí』

Steamなどからダウンロード可能なVRアプリ・「Dream of Dari」。

シュールレアリズムの代表的作家で、現在も熱狂的な人気を誇るサルバドール・ダリの描いた世界をVR空間内に再現し、その中に実際に入り込み体感できるというファンからすると夢の様なアプリケーションです。

ダリの描き出した現実と異界が交錯する、まるで夢の中の様な雰囲気は、VRで体験するとさらに際立ちます。

Dreams of Dalí: a virtual reality experience

「Dream of Dari」は現在SteamにてOculusとVive向けに配信されています。価格はなんと無料で美しく幻想的なダリの世界を気軽にVR体験可能。

HTC Viveシリーズをお持ちの方は是非体験して欲しいソフトです。

Steamからダウンロードする場合はこちらから

4.だれでも無料でVR空間を創造できるプラットフォーム『STYLY』

『STYLY』とは、ウェブ上でプログラミングやVRといった知識がない人でも、簡単にVR空間を作る事ができるクラウドサービスです。

VR空間作成にあたっては、ハイエンドVRヘッドセットに対応するハイスペックなPCなどは必要なく、アプリや拡張機能のダウンロードも不要。

一般的なPCとネット環境さえあれば、誰でも手軽にVR空間を作成・配信ができます。

styly15

シンプルなUIと感覚的操作システムにより作成へのハードルは非常に低い一方で、様々な3DモデリングソフトやUnity、YouTubeやInstagramといった幅広いサービスとの連携が可能。多くのソフトやプラットフォームから画像・動画の取り込みが可能です。クリエイターにとっては自由度の高い表現の場となっています。

ファッション系EC用VR空間プログラムとして開発されましたが、今後活用の幅はさらに増えていくでしょう。

※STYLYの魅力や利用方法、対応デバイスなどの詳細情報はこちら:

『Styly』VR空間創造プラットフォームの使い方、活用事例など徹底解説!

東京でも体験可!展示にVRを活用する美術館・博物館おすすめ3選

続いては、世界を代表する美術館や博物館でも積極的にVRコンテンツを活用している事例を紹介したいと思います。

1.東京国立美術館(TNM & TOPPAN ミュージアムシアター)

上野にある東京国立美術館でもVRで文化財の鑑賞体験が可能です。

地下一階にあるTNM & TOPPAN ミュージアムシアターにて、様々な時代にトリップしているかのような映像体験を通じて、日本の文化財について知ることができます。

4Kの超高精細な映像やナビゲーターの分かり易い解説が非常に高評価を博している、VR美術体験コンテンツになります。

※アクセス:

〒110-8712
東京都台東区上野公園13-9
東京国立博物館 東洋館地下1階

  • JR「上野駅」公園口/「鶯谷駅」南口より徒歩10分
  • 東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」/千代田線「根津駅」より徒歩15分
  • 京成電鉄「京成上野駅」より徒歩15分

2.スミソニアン美術館:所蔵庫にある美術作品をVR空間から世界発信!

アメリカを代表する美術館であるスミソニアンアメリカ美術館では、VR空間内で美術作品を鑑賞できる新たなプロジェクトを開始しました。

世界中の人々に同美術館が所蔵する貴重な美術作品やその資料を発信することを目的とし、半導体メーカーのインテルの協力を得て実施しています。

スミソニアンアメリカ美術館では現在47000点以上の美術品が所蔵されていますが、その内の90パーセントが公開されないまま収蔵庫に入っているそうです

そこで、あらゆる作品を世界中どこからでも鑑賞可能にすべく本プロジェクトは開始されました。

現在は、6Kで撮影された膨大な写真を元にして、VR空間内に展示室をそのままルームスケールにて再構築し、VRゴーグルを通してその展示室にいる様に鑑賞が可能とのことです。

3.大英博物館:VRで展示物を手に取れる&ストリートビュー対応

boulevard oculus

世界最大の博物館の一つ大英博物館でもVRを活用したサービスに積極的に取り組んでいます。

VRコンテンツを開発するBoulevard社と協力し、Oculus Touch向けアプリ「Boulevard」内にて、「Two Million Years of History And Humanity」というコンテンツを公開しました。

こちらは、大英博物館が所蔵する48点の貴重な美術品を手にとって細かく鑑賞する事が可能。「Boulevard」はOculusストアで無料でダウンロードできます。

Boulevardのダウンロードはこちらから

大英博物館はこれ以外にも、精密にスキャンされた所蔵品の3Dデータの公開やストリートビューの様に博物館内を見て回れるサービスの展開など、アート作品のデジタル化に積極的に取り組んでいます。

まとめ

VR・ARの技術とアートという分野は、全く遠い様でいて、実は非常に相性の良い関係であると感じます。

VR技術やデジタルでのグラフィック技術自体が向上する事で、どこにいても、世界中のあらゆる美術品を実際にその場で見る様に鑑賞できる時代が訪れようとしています。

近年ではVRを活用して芸術作品を公開するVRアートという新たなジャンルも確立しており、今度さらにVRと美術・アートとの連携は深まっていく事が予想されます。

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