『STYLY』VR空間創造プラットフォームの使い方、活用事例など徹底解説!
『STYLY』は子供から大人、アマチュアからプロフェッショナルまで、誰でも簡単に無料でVR空間を作成、自由な表現を可能にする新しい時代のクラウドサービスです。
個人用としても十分に遊べるツールでありながら、ファッションECなどにおいては次世代の商品販売店舗としての役割も担えるプラットフォームです。
今回は、全てのクリエイターの表現の幅を広げる、この革新的なVRクリエイティブツールについて詳しく紹介していきます。
Contents
『STYLY』とは?概要・対応VRデバイス
『STYLY』とは、ウェブブラウザ上でプログラミングやVRなどの特別な知識なしに誰でもVR空間を作る事ができるクラウドサービスです。
VR空間作成にあたっては、ハイエンドVRヘッドセットに対応するハイスペックなPCなどは必要なく、アプリや拡張機能のダウンロードも不要。
一般的なPCとネット環境さえあれば、誰でも手軽にVR空間を作成・配信ができます。
運営会社の「株式会社Psychic VR Lab」は2016年に設立されたVRスタートアップ企業で、人間の潜在的に持つ想像力や表現力、集中力、感性や感覚などをVRによって引き出し、より良い世界を作っていく事をコンセプトとして掲げています。
『STYLY』はそのコンセプトに基づき、全てのアーティストやクリエイターが感覚的、直感的にVR空間を作成、表現を可能にするVRクリエイティブプラットフォームとして運営されています。
【ファッションEC用VRのプラットフォーム】から【誰でも使えるプラットフォーム】へ
当初『STYLY』はファッションVRプラットフォームとして開発されました。
伊勢丹やPARCOと共同し、実店舗と連動したVR空間内で「ファッションブランドの世界観を体感」しながらのバーチャルショッピングを実現する企画展を開催し、国内だけでなく海外からの注目も集めました。
そのシステムを利用した「STYLE Suite」には、特別な知識を必要とせずにVR空間の制作から配信までを一貫して可能にするツールがひとまとめに搭載され、ジャンルの枠にとらわれず様々なクリエイターがVRを活用し、より表現の幅を広げられる革新的なサービスとなっています。
2017年8月4日にβ版がリリースされており、Mac・Windows両方に対応、ウェブサイトから誰でも無料で利用可能です。
2018年10月にはVRヘッドセットを装着し、VR空間内で一人称、俯瞰などの様々な視点でより感覚的な空間編集ができる「VR Editor」機能が追加されています。
対応VRデバイスはHTC Vive・OculusからGoogle VRにも拡張予定
2019年2月17日現在、STYLYで作成したVR空間の体験はSteam(β版になります)でのダウンロードが可能になっており、
に対応しています(※Steamでのダウンロードはこちらから)。
HP上ではGoogle VRにも今後対応していくとの表記があり、
でもいずれは体験可能になるでしょう。
2019年に入ってからもVR空間を手軽に撮影できるカメラ機能やWebサイトへの埋め込み機能など、次々と機能が拡張されており、今後の展開にも期待が高まります。
STYLY活用の3大メリット
STYLYを活用するメリットは大きく、
- 表現方法の自由度
- カスタマー体験の充実
- 個人の製作コンテンツの共有
の3点にあると考えられます。では順番に解説していきます。
1.既存のクリエイターの新たな表現が可能に
「STYLE Suite」では、準備された膨大な数の3Dデータを自由に組み合わせ誰でも簡単にVR空間を作り出す事ができます。
MAYAやblenderといった定番3DCG制作ソフトやUnityなどとも連携しており、自身で製作した3Dデータをインポートする事で、より自由度の高い高度なVR表現も可能です。
さらに、YouTubeなどからの360度動画を含むあらゆる動画の取り込みが可能であったり、Instagramからの360度写真を含む画像の取り込みも出来るなど、様々なクリエイティブツールとの連携機能も備得ているのです。
あらゆるジャンルで活躍するクリエイターにとって「STYLY」は表現の幅を大きく広げる可能性を秘めたツールだと言えます。
2.実店舗では体験できない買い物体験を演出
「STYLY」は元々ファッション向けのクリエイティブツールとして開発されています。
高精細の3Dスキャン技術を用いて撮影したファッションアイテムとVR技術を組み合わせ、ブランドの魅力を最大限に引き出せるツールです。
「ファッションに留まらず、ブランドの世界観そのものが愛されている」というブランド事例が増えている中では、VRでブランドの世界観を空間的に表現する事で、ユーザーはブランドの世界観体感しながらショッピングを楽しむ事ができます。
既存のECサイトや実店舗では限界があったブランドイメージの表現も、VR空間に構築された仮想店舗であれば無限の表現が可能です。ユーザーは家に居ながらにしてVR空間に没入し、その世界観に浸りながら、これまでに体験した事のないショッピングを楽しむ事ができるのです。
「STYLY」はそうした全く新しい買い物体験を実現するウェブサイトを誰にでも簡単に、直感的に作成可能にする事を目的に開発されたクリエィティブツールなのです。
3.Unityでの製作コンテンツのVR配信が簡単に
「Psychic VR Lab」はUnityで製作したコンテンツを主要なVRヘッドセット向けに、最も簡単にVR配信をする方法としてプラグイン「Unity Plugin for STYLY」をリリースしています。
Unityで製作したシーンを丸ごとSTYLYにインポートする事が可能で、わずか数分で主要なVRヘッドセットへの最適な配信が可能になるとの事。現状、Unityで製作されたVRコンテンツを最も簡単、手軽にオンライン上で配信する方法で、Unityユーザーにとって大きなメリットとなります。
誰でも出来る『STYLY』利用マニュアル:登録からUnity連携まで
STYLYの使い方を簡単に紹介していきます。
1.アカウントを作成する
まず、アカウントを作成する必要があります。
『STYLY』はウェブサイトからEメールアドレスとパスワードを設定するだけですぐに利用可能です。
2.編集画面で空間をクリエイト
ログインし「Create Scene」からエディット画面に進むと、人型の「Start Position」とシンプルな床が表示された3D空間が表示されます。ここに様々なアセットを配置して自由にVR空間を作成していきます。
3.様々な3Dモデルを挿入し、自分だけの空間を作る
「Assets」の「3D Model」にある「Poly 3DModels」では「Google Poly」にある世界中のクリエイターが作成した様々な3Dモデルを検索し挿入できます。「Sky and Gorunds」には空間のベースになるアセットが多数用意されています。
「3DModels」ではSTYLYの標準アセットが多数用意されています。雷や炎、光などのパーティクルや動物や家具、服、植物、建物などの様々なオブジェクトがあります。
これらから利用したいものを自由にVR空間上に配置しながら任意に作成する事ができます。
4.自分で制作した3Dモデルの挿入も可能
また、「My Models and Upload」からは自分で製作した3Dコンテンツをアップロードする事も簡単に行えます。対応ファイル形式は以下の通りです。
- SKP(SketchUp 2014 モデル、SketchUp 2015 モデル)
- FBX
- Blender
- OBJ+MTL+JPEG
5.Unityで制作したアセットの使用も可能
その他、Unityで製作したアセットのアップロードはプラグイン「Unity Plugin for STYLY」を使用して行います。「Unity Plugin for STYLY」のβ版はSTYLYのウェブサイトからダウンロード可能です。
Assetsからはその他にも、YouTubeから動画を挿入したり、Instagramから画像を貼り付けたりもシンプルでわかりやすいUIから感覚的な操作が可能です。
STYLYの活用事例2選
2037年トーキョーcollection – TOKYO 解放区 × PARCO –
「Psychic VR Lab」は2017年4月、伊勢丹、PARCOと共同で「2037年トーキョーcollection – TOKYO 解放区 × PARCO –」を企画開催しました。
異次元都市「TOKYO」をSTYLYを活用してVR空間内に構築、スマホから体験可能に、専用のスマホアプリをダウンロードして、実際の店舗のショップを巡りながら、VR空間に構築された「TOKYO」と現実のアイテムを連動させたコンテンツを楽しむ事ができます。近未来のVRショッピングを体験できる企画でした。
美術家Vtuberえもこがバーチャル個展にSTYLYを活用
Vtuberとしても活躍するバーチャル美術家「えもこ」氏はSTYLYを活用したVR個展を行なっています。VR空間などでのライブペイント動画で製作した作品を、blenderでモデリングした個展会場に展示、それをSTYLYにアップロードし、VR個展をオンライン上で開催しています。
新時代のアーティストの新たな表現方法の先駆けとして注目を集めています。
まとめ
「STYLY」はわかりやすいUIと感覚的に操作できるシンプルなシステムで、子供からプロのクリエイターまで誰でも簡単にVR空間が思うまま、自由に作り出せます。
必要なものはPCとオンライン環境、そして想像力だけです。これを機会に是非STYLYでの自由なVR表現を楽しんでみてください!
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