アニメ・キャラクターのAR事例5選 費用感や活用メリットを解説
技術の進歩を背景に、ARテクノロジーが教育や産業、医療などの様々な業界・業種で取り入れられている昨今。
ARにおけるエンターテイメントの分野への活用も近頃勢いを増してきています。
特に、アニメのAR活用は今後大きなビジネスチャンスが眠っている領域と言えるでしょう。
そこで今回の記事では
- ARとは?ARの現状やVRとの違い
- アニメ・キャラクターにARを活用するメリット
- アニメやキャラクターへのARの活用事例
- アニメ・キャラクターを用いたARコンテンツの制作手法
といった点を紹介します。
ARクリエイターだけではなく、ARを活用してアニメやキャラクターを使ってビジネスを盛り上げたい!と考えている担当者の方にとっては必見の内容となっておりますのでお見逃しなく
Contents
ARとは?技術の概要と、VRとの違い
アニメやそのキャラクターをARでどのように活かしていくか?
そのことを考える前に、まずそもそもARという技術について、そしてARによく似たテクノロジーであるVRとの違いなどをしっかりと抑えておきましょう。
ARは現実に情報を重ねる技術
ARは「Augmented Reality」の略で、日本語では「拡張現実」と訳されます。
CGを現実の世界に重ね合わせることによって、実際の風景の中に2次元の世界のキャラクターたちを拡張表示することができます。
AR技術を活用すると、上のgifのようにキャラクターが現実世界に現われたかのような映像効果を得ることができるわけです。
2次元のキャラクターが現実空間に現われる様子はとても新鮮で、これまでにないユーザー体験となります。
平面の世界から飛び出したアニメ・キャラクターは、ARという新しい活躍の舞台を手にしたことになるのです。
それでは、アニメキャラクターをARコンテンツとして楽しむためのデバイスを紹介しましょう。
ARを体験するデバイス1.ARグラス
ARを体験するデバイスの一つが、「ARグラス」です。
ARグラスはその名の通り、メガネ型のARデバイスで、眼鏡のガラス面にAR画像が表示されます。
自分が見ている現実の世界と、ARコンテンツが自然に重なるため、没入感の高いAR体験が得られます。
ARグラスによってどのようなAR体験が可能になるかは、下の動画を見るのが分かりやすいでしょう。
これはマイクロソフト社が開発・販売するAR/MRグラスの「HoloLens」のデモ映像。
ARによってまるでスタジアムにいるかのような、ダイナミックなARコンテンツを体験できることが分かるでしょう。
マイクロソフトの開発する最新モデル「HoloLens2」の販売価格は3,500ドル(参考価格。日本円で約38万円)とかなり高額です。
しかし昨今では、KDDIと提携したNreal Lightなど数万円台で手に入るARグラスなどが登場し、BtoC領域のARグラスも勃興の兆しを見せています。
参考)KDDIが提携する最新ARグラス「nreal light」まとめ – スペック・価格・開発者向けとの違い・購入方法など
ARを体験するデバイス2.スマートフォン
ARグラスよりも手軽にARを体験できるデバイスが、スマートフォンです。
2020年時点でリリースされているARコンテンツのほとんどはスマホ用アプリであり、手持ちのスマートフォンで様々なARコンテンツが楽しめるようになっています。
ただし、スマートフォンでARコンテンツを利用するには、デバイスがARに対応している必要があります。
【AR対応端末一覧】
ARとVRの違い と ARとアニメコンテンツの相性の良さについて
ARと良く同一視されるテクノロジーに、VRがあります。
しかし実際にはARとVRは全く異なるテクノロジーのため、その違いをしっかりと理解しておかなければなりません。
VRは「仮想現実」と訳される「Virtual Reality(ヴァーチャル・リアリティ)」の略であることをご存じの方も多いでしょう。
ARが現実世界にCGなどを『拡張表示』させるのに対して、VRは架空現実にユーザーが『入り込む』ための技術ということができます。
- AR=Augmented Reality(拡張現実)。現実世界に仮想世界の情報を拡張表示する。
- VR=Virtual Reality(仮想現実)。仮想世界にユーザーが入り込む。
まずは上記の基本を理解しておきましょう。
ユーザー視点での「アニメ・キャラクター×AR」の体験メリット
VRは室内で一人での利用が基本(オンライン上で他プレイヤーとつながることは可能)となり、家にいながらアニメの世界などに没入するという活用方法が考えられます。
提供したいサービスや表現したいコンテンツによってARとVR、どちらのテクノロジーを採用するかを決定することになるでしょう。
現実世界にアニメキャラを呼べるのがAR
自分がその世界に入り込むのではなく、自分の身の回りにアニメキャラクターを『召喚』できる、というのがARならではの表現手法。
これは一見すると、アニメの世界に自分が入り込むよりもユーザー体験として劣っているように感じられるかもしれませんが、決してそうではありません。
その理由をいくつか考えてみましょう。
ARのメリット⑴:好きなキャラクターが、目の前に存在することへの感動
アニメ・キャラクターをAR表現することのメリットの一つは、自分の推しキャラ、好きなキャラクターがまるで目の前に、しかも自分の部屋というプライベート・スペースに出現させられるという点に尽きます。
ARコナンくん踊らせてみた
#いつでもどこでも踊るコナン君
#真っ赤なLip #WANDS #名探偵コナン pic.twitter.com/YFMHr7V8Dx— Volga@コナン (@Volga_conan) February 12, 2020
上の動画は人気アニメ「名探偵コナン」のコナン君のダンスをAR表示させている様子。
ARによって好きなキャラクターが目の前に現われた瞬間、見る人には素直な驚きと感動が味わえます。
2Dのキャラクターがその質感を損なうことなく、現実世界に自然に溶け込みながら出現する映像表現は、まさしくARならではものと言えるでしょう。
家庭用ゲーム機の普及によって、ユーザーとキャラクターの関係がインタラクティブなものとなり、こちらの操作に応じてキャラクターの言動が変化するようになりました。
そしてARによって、2次元の世界のキャラクターたちは新たなステージへと突入したのです。
まさにアニメの世界が現実世界に重なる新しいメディア体験の幕開けです。
ARによって、キャラクターたちは新しい活躍の舞台を手にすることになったのです。
ARのメリット⑵:原作内の世界観を現実空間で味わえる
ARによって拡張表示されるのはキャラクターだけではありません。
アニメや原作の持つ世界観そのものを、現実世界で体験することも可能です。
世界中で大人気のゲーム「Minecraft」の最新作がARゲーム「Minecraft Earth」として登場。
Minecraft Earthでは、ARによって表現されたMinecraftの世界観をダイレクトに体験することができます。
Minecraft Earthはそのタイトル通り、 地球全体をまるごとマインクラフト化したり、自分で作ったマイクラ・ワールドの中で友だちと一緒に遊んだりすることができます。
<Minecraft Earthの特徴>
- ブロックを集めるフィールドが現実世界。
- 組み上げたブロックが現実世界に登場する。
- 建築した建物の中にも入れてしまう。
ARによって可能となったこうした表現方法によって、Minecraftの世界観がそのまま、現実世界に現われるというわけです。
Minecraft Earthと同じように、ARを活用することによってアニメの世界観を現実世界で体験することも不可能ではなくなりました。
スマートフォンと創造力さえあれば、現実世界がそのままアニメの世界になることも理論上可能になります。
※ARグラスを用いて現実世界をマリオ化したゲーム事例(実は結構、簡単に作れます)
もしこのようなアプリを作成したい担当者の方はこちらからお問い合わせください。→ AR サービス開発なら「XR-Hub R&D」
事例から見る、「アニメ・キャラクター、マンガのAR化」の活用方法と費用感
では、ここらは実際にアニメ・キャラクターをARで活用している事例を通して、そのメリットや効果のほどを探っていきましょう。
事例1.プロモーションコンテンツ:「攻殻機動隊×AR」
KDDIと渋谷区観光協会、渋谷未来デザインが連携する渋谷区の創造文化都市事業プロジェクト、「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」では、人気アニメ「攻殻機動隊」の世界をARで体験することができます。
草薙素子やバトーといった、攻殻機動隊でおなじみのキャラクターがARで渋谷の街に登場するのはもちろん、公安9課のメンバーとともに、渋谷を舞台としたミッションに挑戦できます。
ほかにも渋谷の街中に掲示されたポスターのQRコードを読み込んで、攻殻機動隊のキャラクターたちを発見するアトラクションや、自らが攻殻機動隊のキャラクターに扮してインスタなどに投稿できるなど、ARを使った様々なコンテンツが体験可能です。
実施メリット・PRの狙い
「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」は、ARコンテンツによって渋谷の街をアップデートしようという壮大な試み。
またスマートフォンの通信規格が「4G」から「5G」へと進化することによって、ARコンテンツもより自由に楽しめるようになります。
「攻殻機動隊 SAC_2045」はそうした新たなテクノロジーと、プロジェクトを効果的にプロモーションすることに成功しています。
今回「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」で実施された攻殻機動隊✕ARのコンテンツは、まさにそうした5G時代を見据えた一つの実験ともなっています。
事例2.体験施設への導入や、体験場所の作成:「PSYCHO-PASS × AR」
ARはイベントのプロモーションだけではなく、体験施設への導入やロケーションの作成にも活用可能。
人気SFアニメの「PSYCHO-PASS サイコパス」が、ARリアル謎解きゲーム「PSYCHO-PASS サイコパス 渋谷サイコハザード」として絶賛稼働中です。
【ARリアル謎解きゲームとは?】
リアル謎解きゲームは、プレイヤーが自分の知力と体力を駆使して謎を解き、事件を解決していく体験型のゲームイベントです。
ARを活用することによって、プレイヤーはその世界により没入することができます。
「PSYCHO-PASS サイコパス 渋谷サイコハザード」では、専用アプリをインストールしたAR対応スマホ(貸出もあり)を手にしながら、舞台となる渋谷の街で事件解決にチャレンジ。
心理傾向を解析する特殊拳銃「ドミネーター」や、キャラクターたちとの会話をヒントに、仕掛けられた謎に挑みます。
ただ単にスマホに表示されるヒントを手がかりに謎を解いていくのではなく、AR表示される仕掛けが鍵となってくるため、「PSYCHO-PASS サイコパス」のファンはもちろん、リアル謎解きゲームフリークや、推理モノが好きな人など、原作を知らなくても楽しめる内容です。
さらに、謎に詰まった時にはアニメのキャラクター「常守朱」や「唐之杜志恩」からヒントももらえるため、リアル謎解きゲーム初心者でも安心。
知力だけではなく、渋谷の街の様々な場所を散策するため、約2時間のプレイが終わった頃には心地より疲労感と、事件を解決した達成感に包まれるでしょう。
事例3.日常向けのスマホ・ARグラス向けアプリケーションのリリース「Pokemon Go」
アニメのキャラクターをARゲームで見事に活用した例と言えば、やはりこの「ポケモンGO」を挙げないわけにはいかないでしょう。
ポケモンGOはスマホ向けの位置情報ARゲーム。
アプリ内の「ARモード」を使用すると、ポケモンのキャラクターたちが現実の世界に『出現』する、AR体験を楽しめます。ARモードでは角度を変えたり、背後に回ってポケモンたちの姿を眺めることも可能。
このポケモンGOで初めてARに触れた、という人も多いのではないでしょうか?
街なかをスマホを片手に練り歩く人たちの姿が、社会現象ともなったことを思い出されるかもしれません。
何より、スマホにインストールするだけでARコンテンツが手軽に楽しめること、実際の場所に赴くという位置情報ゲームとARの相性の良さを証明した功績は非常に大きいです。
ARというテクノロジーを世間に知らしめただけではなく、それがゲームで手軽に、日常的に楽しめる新たなコンテンツとなりうることを証明したポケモンGOは、ARにおいて確かにマイルストーンというべき作品なのです。
過去最大規模の動員・経済効果を記録。
ポケモンという世界に通用するIP(知的財産)をARに活用したポケモンGOは、累計売上高22億ドル(約2,380億円)という大ヒットを記録しました。
しかしポケモンGOの凄さは単純な売上高にとどまりません。むしろ、位置情報とARが生み出す効果はそれを上回る価値を生み出しているのです。
というのも、ポケモンGOを楽しむには「ポケストップ」と呼ばれる場所で、ポケモンを捕獲するためのアイテムをゲットする必要があります。
そのポケストップを店舗や商業施設などに設置することで、莫大な経済効果を生み出すことができます。
実際、日本マクドナルドはポケモンGOと提携し、全国の2,900に上るマクドナルドの店舗がポケストップとして指定されています。
数十億円のインパクトを一発のキャンペーンで生み出せるAR
2020年1月時点のポケモンGOの国内ユーザー数は約440万人と言われていますが、そのうちの1%、4.4万人がマクドナルドで300円の商品を購入すると仮定すると、1日あたり約1,300万円、年間では48億円の売上増となる計算です。
莫大な放送料をかけてTVCMを流すよりも、より直接的な効果があると分かれば、企業としてもポケモンGOのような位置情報ゲームに『広告料』を出そうという判断になるでしょう。
スマホゲーム・アプリはこれまでBtoCのマネタイズがメインでしたが、ポケモンGOは企業から収益を確保するBtoBのビジネスモデルを確立したのです。
またアプリがもたらす直接の広告収入だけではなく、ビッグデータ活用のための位置情報の「価値」もこれからますます高まっていくことが予想され、さらなる効果が期待されます。
AR広告に関する解説・ビジネス考察こちら→)2020年ARの広告・プロモーション活用事例|仕組みやメリットなど徹底解説
事例4.観光資源に!聖地巡礼ARアプリ「舞台めぐり – アニメ聖地巡礼・コンテンツツーリズムアプリ」
「舞台めぐり – アニメ聖地巡礼・コンテンツツーリズムアプリ」は、アニメの舞台となった様々な場所を訪れる人をサポートするためのアプリ。
アニメのストーリーやキャラクターにゆかりのある場所を訪れたり、キャラクターと一緒にARで記念撮影を行ったり、その場所限定のイベントを楽むことができます。
そうした「聖地巡礼」はもはや一握りのマニアだけのものではなく、一般的な「コンテンツツーリズム」として確立しているほど。
「舞台めぐり」は各アニメ作品公認のアプリのため、アプリ内で用いられているアニメやキャラクターの画像、CV(音声)なども全て公式。
アニメ作品の世界にどっぷり浸かることが可能です。
【収録作品(一部)】
- ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER):茨城県大洗町
- ラブライブ!サンシャイン!!:静岡県沼津市
- 響け!ユーフォニアム:京都府宇治市
- らき☆すた:埼玉県久喜市鷲宮
- 頭文字D:群馬県渋川市伊香保
- キャプテン翼:埼玉×アニメ横断ラリー2018 埼玉県さいたま市
- 弱虫ペダル GRANDE ROAD:神奈川県・静岡県
- この世界の片隅に:広島県広島市、呉市
- 銀の匙 silver spoon:北海道帯広市
すっかり一般的となった「聖地巡礼」とは言っても、旅行用のガイドブックが用意されているわけではありませんし、舞台となった正確なロケーションを把握している方もごく一部の熱心なファンだけでしょう。
その点、この「舞台めぐり」アプリを活用すれば、マップで特定の場所が分かるだけではなく、AR機能を使ってアニメのキャラクターとアニメと同じ構図で写真を撮ることも可能。
コンテンツツーリズムとしてユーザー価値が実証されたアプリとなっています。
【舞台めぐり AR機能】
- カメラ機能:舞台に到着すると、公式アニメシーンを視ながら同じシーンを撮影できる。
- AR撮影:作品のシーン画像と合わせた、アニメ・キャラクターとの記念撮影。
- ボイス機能:特定の場所ではそれぞれの作品のアニメ・キャラクターの声優によるオリジナルボイス特典も。
- スタンプラリーなどの限定イベント:一部作品では、オリジナル・マイARをゲットできるスタンプラリーなどのイベントも提供。
実施メリット・PR効果
聖地巡礼などのコンテンツツーリズムは日本でも大河ドラマや連続テレビ小説のロケ地が人気になることなどから、その効果の高さはよく知られていました。
現実の風景の中で撮影されるドラマや映画と異なり、アニメを題材としたコンテンツツーリズムについてはその効果を疑問視する旅行業界関係者も少なくなかったのですが、ARを活用することによってその可能性はさらに広がりました。
実際、アニメの舞台となった場所を訪れる聖地巡礼は「アニメツーリズム」として、大きな注目を集めています。
アニメツーリズムの経済効果については、ファンがその土地の名産品や特産品を購入するという直接的なものだけではなく、地元観光業や関係者がアニメのキャラクターを用いたラッピング電車を用意したり、お祭りとのコラボを企画するなど、ファンと地域を結びつけるための様々な試みが行われており、すでに一定の経済波及効果が実証されています。
さらに、アニメファンは一つの作品を長く、深く愛する傾向があり、聖地巡礼も単なる一過性のブームに終わらないところが特徴的です。
らき☆すたのツーリズム経済効果は31億円
たとえば、埼玉県久喜市鷲宮を舞台にした「らき☆すた」のアニメツーリズムの経済効果について、テレビ放送以来10年にわたってその効果が持続し、その経済波及効果は累計で約31億円にも上ると試算されています。
観光におけるARの活用事例→)観光でのAR活用事例|アプリ・パンフレットによる町おこしプロモーションの効果やメリット
世界的にも人気の日本のアニメ作品の聖地巡礼は、新型コロナウイルスによって大幅に落ち込んだ海外インバウンドを盛り返す大きな武器ともなりえます。
また、今後はコロナ後は日本でも国内旅行の需要が伸びると予想されており、アニメツーリズムも一層の盛り上がりを見せるでしょう。
ARは、そうしたアニメツーリズムをさらに魅力的にし、多くのファンを地方に呼び込む非常に強力なコンテンツを提供できるのです。
ARを用いたキャラクター・アニメサービスの開発を依頼したいご担当者様へ
ここまでアニメキャラクターを活用したARについて詳しく解説してきましたが、本メディア「XR-Hub」を運営している株式会社x gardenはARの事業開発を展開しています。
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アニメ・キャラクターのARコンテンツの開発・制作プロセスと費用感
アニメ・キャラクターのARコンテンツとしての活用事例や、その効果について視てきましたが、実際にアニメのキャラクターをコンテンツ化するにはどのようなプロセスが必要になるのでしょうか?
最後にキャラクターをAR化するための手順を見ていきましょう。
1.キャラクターの3Dモデルを製作する
アニメのキャラクターをARコンテンツ化するためには、当然ですがまず始めに2Dのキャラクターを3Dモデルにしなければなりません。
헉헉 폴리곤 노가다. pic.twitter.com/Ft18TTARj3
— Qbase (@lotuswork) July 10, 2017
2Dのアニメ絵を3Dモデルキャラクターとして制作する大まかな手順は以下の通りです。
⑴、2Dの絵を準備する:まず始めに、3Dモデルの素となる2Dのイラストを用意します。アニメ・キャラクターの場合はすでにある素材で問題ありませんが、側面や後ろ姿などの画像も必要になります。
⑵、画像のデータ化:用意したアニメ・キャラクターの画像をデータ化します。画像データはgif、bmp、tif、jpg、pngなどが望ましいでしょう。
⑶、モデリング制作:専用ソフトを用い、2Dの絵を元にモデルデータを作成します。サイズの調整や、動きが必要な場合は可動部の調整もこの時点で行います。
⑷、テクスチャ制作:2Dの画像を元に、テクスチャ画像を作成し、キャラクターの肌感や質感を整えていきます。瞬きなどのテクスチャ・アニメーションも必要に応じて作成します。
⑸、スケルトン・ボーンの作成:3Dモデルを動かす場合には、キャラクタの骨格データも必要になります。
⑹、アニメーション:キーフレーム・アニメーションで動きをつけていきます。繰り返しなどの機械的な動きであれば、スクリプトを作成してアニメーションさせていきます。
キャラクターをどのように動かしたいかによって、モデリングが決まっていきますので、事前に必要な動きをしっかりと確認しておくことが重要になります。
2.アニメーション・音、インタラクションを付与する
ARアプリ・コンテンツを作成するためのツールはARKit、ARCore、Unity、その他にも様々なSDK(開発ツールキット)が存在しますが、その中からGoogleの提供するARCoreを利用して、作成した3Dモデルに動きや音、インタラクションを加えていく方法を見ていきましょう。
【基本的な操作手順】
- Android Studioにプラグインをインストールする:Android StudioはAndroid アプリ開発用の公式の統合開発環境(IDE)。そこにARアプリ開発のために必要なGoogle Sceneform Toolsをインストールします。
- 3Dモデルをダウンロードする:作成した3DモデルをAndroid Studioにダウンロードします。
- 3Dモデルのインポート:3Dモデルを指定の箇所にインポートし、コード上にロードすると3Dモデルのプレビューが表示されます。
- ビルドして実行:平面をタップして3Dモデルを配置するための場所を指定します。
- Android Studioの公式サイトによると、Android Studio には、アプリ開発時間の短縮に役立つサンプルコードとテンプレートが用意されています。サンプルコードを参照することで、アプリケーションのさまざまなコンポーネントを構築する方法を学習できます。
ARCoreを用いたARアプリの開発に、ぜひお役立てください。
3.Webかアプリか、出現させるプラットフォームを選ぶ
ARコンテンツを制作する際には、提供するプラットフォームを検討しておく必要があります。
プラットフォームによって制作方法が大きく異なるのはもちろん、それによって表現方法やターゲットユーザーも異なってくるからです。
ARコンテンツのためのプラットフォームは、
・WebAR
・iOS/Androidのネイティブアプリ
の2つに大別できます。
開発費用 | Web AR
(開発費用:約80万〜) |
ネイティブアプリAR
(開発費用:約150万円〜) |
メリット | ・開発コストが低い(iOS/Android版のアプリをそれぞれ制作する必要がない)
・ユーザーの閲覧障壁が低い(アプリをダウンロードする必要がなく、一過性のキャンペーンと相性がいい) |
・WebARでは出来ないリッチな表現が可能。 |
デメリット | ・通信速度によってはコンテンツが動かない(5G通信により解決される可能性あり) ・ヒューマンオクルージョンが出来ないなど、ARの表現が制限される。 |
・iOS/Android両対応する場合、アプリ開発コストが高い。
・ユーザーにアプリをダウンロードしてもらえないと閲覧してもらえない。 |
iPhoneやAndroid端末にインストールして利用する一般的なアプリ(ネイティブアプリ)は、機能の高さや開発サポートの充実ぶりが魅力ですが、アプリをダウンロードさせる必要があるため、ARに興味がない人へどのように訴求していくか?といった点を考慮しなければなりません。
一方のWeb ARはWeb上でARコンテンツが起動するため、専用アプリを必要としないという敷居の低さが最大のメリットです。
一方で、ネイティブアプリと比較すると機能が限られているというデメリットも理解しておく必要があるでしょう。
インストール不要?WebでARコンテンツを出現させる次世代AR開発ツール)→【8th Wallとは】使い方や活用メリット・コスト感まで徹底解説!
4.Web AR VS アプリ → 一過性のキャンペーンならWebARに軍配
では、WebARとネイティブアプリ、どのプラットフォームを使用するかを決定する際に、どんな点を考慮したら良いでしょうか?
WebARは専用アプリが不要で、スマホをマーカーにかざすだけでARコンテンツが起動するという手軽さが一番の魅力。
そのため、単発のプロモーションや季節イベントなどの期間限定コンテンツを提供するのに非常に適しています。
また、お菓子やグッズなど、他企業とのコラボレーション企画の際にも、商品にARマーカーを付与するだけでアニメ・キャラクターをARで出現させられるため、新たなファンの開拓や宣伝に用いるにも役立ちます。
開発コストや時間もネイティブアプリに比べて安く、短い期間で制作可能なため、各種イベントやプロモーションへの導線としての活用も効果的。
予算があり、長期的にユーザーに使ってもらいたいならアプリAR
一方のネイティブアプリは、豊富な機能やデバイスの性能を発揮して高いユーザー体験を提供できるのが、WebARに勝っている点でしょう。
アニメファンとガジェット好きはかなりの部分で重なり合っているため、新規アプリのダウンロードやARのような新しいテクノロジーへの抵抗もほとんどありません。
そのため、アニメの既存ファン向け、またはアニメの世界観を追求したアプリの開発にはネイティブアプリを選択するのが賢明と言えるでしょう。
アニメ・キャラクターのARサービスの制作可能な開発会社
ここまでアニメキャラクターを活用したARについて詳しく解説してきましたが、本メディア「XR-Hub」を運営している株式会社x gardenはARの事業開発を展開しています。
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まとめ
アニメやキャラクターは、ARという新たなフィールドで手にしたことで、これまで以上に大きな機会が広がっています。
ARコンテンツ化することのメリットと効果を見てみると、アニメ・キャラクターをARコンテンツとして活用しない手はありません。
ぜひ今回の記事を参考に、アニメ・キャラクターのARコンテンツ化をぜひご検討ください。
- AR アプリ開発会社を知りたい方はこちら → ARエンタメ・ゲーム|アプリからエンタメ領域の活用方法、開発会社まで徹底解説
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