美しき恐怖【ザ・エクソシスト レギオン VR】映画題材のVRホラーゲームを全章ネタバレありでガッツリレビュー!
超美麗なグラフィックと圧倒的な恐怖感が特徴のVRホラーゲーム「ザ・エクソシスト レギオン VR」をご存知でしょうか?
本作はPlayStation4(PS4)のゲーム機器としての性能を存分に活かした、誰もが驚く高クオリティなホラーゲームです。
リアルでハイクオリティなグラフィックで描かれるのは、純粋な悪意。高精細なポリゴンはグロテスクでおぞましい闇となって、プレイヤーを襲います。
ただの刑事がエクソシストとして目覚めてゆく「原作のスリルやミステリアスさ」を残しつつ、VRゲームでなければ実現できない深い没入感がプレイヤーの心臓をガッツリ鷲掴む本作の魅力を、余すことなくお届けします。
「本作の概要・魅力」が知りたいという方は途中まで、すでにプレイしているという方はネタバレ付きの考察の箇所を、是非チェックしてみて下さい!
Contents
ホラーゲーム「ザ・エクソシスト レギオン VR」とは
本作は多くの熱心なファンを抱える人気のホラー作品「エクソシスト」シリーズの第3作に着想を得て、PSVRにて配信中のVR専用ホラーアドベンチャーゲーム。
アドベンチャーの名の通り、プレイヤーはエクソシスト3の主人公・キンダーマン警部となって1章~5章に渡る恐怖へ挑戦します!
ゲームの基本情報:対応デバイス・プラットフォーム、価格など
- 購入先(対応プラットホーム):
- ジャンル:ホラーアドベンチャー
- 言語:日本語対応済み
- コントローラー:
- PS4:Dual Shock4&PS Move対応
- プレイヤー視点:一人称視点
- 移動方式:
- ワープ移動
- 自由移動
「ザ・エクソシスト レギオン VR」全章レビュー!各シナリオをサマリー付きで解説
第1章 最初の儀式
プレイヤーはキンダーマン警部として、地元の教会で「奇妙な殺人事件」を捜査します。
この章で悪魔祓いに必要なキットを手に入れ、悪魔祓いキットをつかって、襲いくる悪魔に対処しましょう!
ベル神父は一体何故死んだのか、襲いくる悪魔の正体とは?
ちなみに100%負けイベントとなっているので、「レギオン」と名乗る悪魔を倒すことはできません。
死ぬのが正解なのでご安心を!
巧妙な描写から滲み出る「気味の悪い演出」
儀式的な殺人を匂わせる事件の真相に迫る中、海外ホラーではおなじみ・吊るされた豚の遺体の頭部や、その下にある人間の遺体など定番ホラーがぎっしり詰まっています。
ストーリーの中で遺体からアイテムを取りますが、アイテムを取った瞬間動いてゴキブリが口からはいでてくるなどの細かい演出があり、周囲をコバエが飛び回っているという無駄にリアルな描写。これもVRだと嫌悪感200%!
VRとホラーの相性は最悪だ!(絶賛)という気分をまずは味わってもらえるのではないでしょうか。
第2章 暇人
この章では、悪魔の影響で殺人未遂を犯したという女性に会いに行きます。
女性は病院に拘束されているため、MAPの中から「隔離室」を目指して進んで行きますが、壁から血だらけの腕がヌルヌルっと生えたりするので聖水などの悪魔祓いキットをうまく使って進みましょう。
因みに、収容されている女性の名は「ルーシー・モス」。
全身に多数のタトゥーを刻み、腕に悪魔のシンボルのタトゥと、弓のカンセル部にランダムな数字と文字のタトゥを持ちます。
背後には触手のような不自然な影があり、ああ~憑かれてますね!という演出がもりもりです。
最終的に彼女との戦いになり、悪魔祓いキットを使ってなかなか楽しく戦闘することに。
幻想的な演出とBGMで悪魔祓いを完遂!
第3章 皮一重
英語のことわざ「美貌は皮一重」という言葉が出てくる本編は、開発者が語るように「皮一重の意味を深く考えさせる章」と言えます。
この諺の意味する所は「その下の本質を見抜くことが大切だ」という格言ですが、この章ではそれを象徴するような演出が多分に盛り込まれています。
非常にガバガバ日本語訳の本作は翻訳されていないシーンも多くあります。ざっくり解説すると以下のような内容が分かります。
- マリア(母)は売れっ子モデルだった。
- マリアが妊娠すると、ゴシップ誌は妊婦の体型になってゆくマリアをバッシングし、侮辱するようになった。
- マリア自身も美しかった自身の体が膨らみを帯びてゆくことに恐怖と嫌悪感を募らせていた。
- マリアにとっては夫の愛も自分のものではなくなり、赤ん坊のものになったように感じていた。
- マリアは胎児に悪影響のある薬品や酒、タバコを積極的に摂るようになり、夫と諍うようになった。
- どうしても流産できないマリアは、バスルームに閉じこもり、夫がドアを叩いて必死に説得する中、手首を切って自殺を図る。
果たして無事に生まれた可愛い赤ちゃんをプレイヤーは守ることが出来るのでしょうか?
悪魔アビズーの蛇を使った執拗な攻撃を迎え撃て!
第4章 善きサマリア人
キリスト教圏では有名な善きサマリア人(サマリアびと)とは、新約聖書のルカによる福音書10章25節~37節にある「善きサマリア人のたとえ」という、隣人愛と永遠の命に対する喩え話です。
4章の舞台はハイチにある隔離施設(救援センター)。
現地では正体不明の伝染病が蔓延しており、多くの医療従事者が命を落としたことで感染拡大が続いているという物騒な話から始まります。
病の原因は伝染病や疫病をもたらすとされている悪魔バールによるもので、 プレイヤーは救援センターへ潜入し、状況を調査するとともに悪の根源・バールとの戦いに挑むことになります。
この章はエレベーターが落下したりなどで視界自体がグラグラ揺らされるため少々酔いやすいと思いますが、ホラー演出の怖さはかなりのもの!
ブードゥー教なども絡んできて、オカルトマニアにとっては大変楽しい章になっていると思われます。
章タイトルの「善きサマリア人」が指すところの意味も、いくつか解釈がありますので是非考えてみてくださいね。
因みに、攻略は塩スプレーがポイント!
第5章 墓
ついに最終章、このゲームのクライマックスへ突入です!
開発者が語った 「グランドフィナーレとなるこの章では、プレイヤーをどっぷり没頭させる地下環境が用意されています。」 という言葉に偽りはなく、本作のVR体験の真髄をギュッと詰め込んだ濃厚な章となっています。
ヴォイスチームが頑張ったと開発陣が息巻いていましたが、「頑張りすぎ!!」となること請け合い。
舞台はメソポタミア北部の山奥にある洞窟。手に持つ松明の炎のリアルさにご注目ください!
微妙に松明を持って歩く腕が疲れてくるのもリアル・・・
洞窟内の施設を探索し、狭く先の見えない通路の中を背後から囁かれたり幻覚を見せられたりと地味にちょっかいを掛けられつつ進みますが、VRで体験すると一歩先が見えない状態なので進むこと自体がとんでもなく怖い!
この中でもキリスト教やインドの神様などが混ぜられており、演出が中々のマニアックさ。バイオハザードや他のVRホラーゲームより宗教色の強いとされる本作の拘りの演出が多く見られます。
炎を払った魔法陣の先では ラスボス・パズズ がお墓に住み着いていて、結構気味の悪い声掛けをしながら「人間に繁栄する価値はあるのか?」と悪魔らしい問いかけもしてきます。
この煽りモードの顔面アップなパズズさんのグラフィックは一見の価値ありです!動きが素晴らしく、BGMが突然やたらと格好良い!
暗闇の中、一筋の光は遥か頭上の先の亀裂から漏れています。
差し込む光の中心で、暗闇の中の柱を伝って攻撃してくるパズズを迎え撃ちます。
パズズの肉体を滅ぼしたのち、その甘言に耳を貸さずに主人公は神へ役目の終わりを請います。
この最終シーンでは多くの人が周りをキョロキョロしてしまい、天井の十字の亀裂の光を発生させたあと、何も気づかずエンディングを迎えてしまうようで、パズズの退治に気づかないことが多いです。
「光に目を向けよ」のメッセージがでたら素直に従い、必ず真下を見るようにしましょう。ホラーゲーム好きの筆者ザ・エクソシスト レギオン VRをおすすめする、2つの理由
幾多のホラーゲームをプレイしてきた筆者が、本作の魅力を大きく2つのポイントから解説していきます。
❶, 質感の描写力も完璧!美麗すぎるグラフィック
1つ目は本作の見事なグラフィック、表現。
カメラのレンズ部分と本体のレザー部分の質感が違うことや、クリアファイルの照り具合・水や炎の描画や光を反射するガラス面など、その精巧なグラフィックスには驚くばかりです。
まるで実写のようなリアルなグラフィックは、手で触れてしまえそう。
だまし絵などに代表されるように、人間の環境情報処理はその多くを視覚が担っているので、目で見て感じられる「想像できる質感」がなければリアルさが激減します。
これが本作のように、見ただけでこれほど質感を想像できるグラフィックであれば、没入感を高めるだけでなく、恐怖感の演出にも一役買ってくれます。
❷, オカルトマニアはよだれダラダラ?哲学的要素を含んだミステリアスホラー
本作は非常に「キリスト教圏外の人間に必要な知識」程度ので、米国やEU圏ではそれほど難しい教養とは言えないと思います。
日本人は多くの方が「無宗教」と言われ、日常と宗教が密接に結びついていないという背景から、神話に類するものに対しては細かな関係性にまで知識が及んでいない方も多いです。
しかし、本作の世界観は「宗教観が生活に必要な世界」。
本作「ザ・エクソシスト レギオン VR」自体が、そもそも宗教学・哲学・悪魔学に則ったオカルティックなミステリーホラー作品を題材としたゲームなので、原作のさらに台本・題材となった神話や神話に類するものを引用した演出が豊富。
これらを理解していることで本作の魅力を200%増しで感じられますし、そしてオカルトマニアにとって本作は何重にも考察できる「考えるゲーム」になり得ます。
各章のタイトルと本編の結びつきや、悪魔たちの甘言の意味を深く知ることで、攻略そのものよりも「このゲームの世界観自体を楽しむ」ことができます。
オカルティックでホラーでグラフィックが綺麗なVRがやりたい!なんてマニアックなわがままをいう友人がいたら、是非本作を勧めてみてほしいです。
ザ・エクソシスト レギオン VRの攻略のコツ
怖くて震えてなかなか進めない!というプレイヤー・レビューがお多い本作の、オススメの攻略方法をご紹介します。
基本的に本作は1章訳30分前後のプレイ時間となっているため、休憩も挟めて心と体に優しい作品なので、思いっきり怖がりながら大騒ぎして進むのが楽しいですよ!
攻略のコツ:システムを理解する
本作では各章で発生する「ボスに当たる悪魔との対決」や「ヒントを見つけていく探索の過程」の要所で悪魔祓いキットを使用します。
特にメインの武器である十字架は、使用タイミングで正しい使用方向を向いているとコントローラーがバイブレーションで知らせてくれるため、真っ暗闇などの見づらいシーンでも敵の位置を把握することができます。
これを利用し、まだ未探索かもしれない場所を十字架を持ってその場で回転してみたりするなど、視覚でわかりにくい場所のヒントを探すのも手段の一つになります。また、十字架の狙いは
- 十字架自体が白く発光しているかどうか
- 十字架から発せられる十字の光が目標に当たっているか
の2つで見極めます。
悪魔祓いキットの聖水は、主に「火」への対処に使います。
キットの中には2つの聖水がありますが、使った分だけ自動で補充されますので、使用量は気にする必要はありません。
火で道を阻まれたりしたときは聖水を投げれば進めるようになりますが、2回当てないと進めない場所などもあるので、「とりあえず2回投げる」くらいに使っていいでしょう。
この悪魔祓いキットの使い方を理解し、正しく使うことでトロフィーを獲得に繋がります。
ザ・エクソシスト レギオン VRの登場悪魔一覧|ネタバレ付き、キャラ設定の由来まで考察
さて、本作「ザ・エクソシスト レギオン VR」には様々な悪魔が登場します。
どれも原作であるエクソシストシリーズにも登場する存在ですが、姿などがゲームオリジナルになっている部分もあるため、簡単に解説しましょう!
悪魔を知ると、物語がもっと楽しく感じられます。
❶, 「パズズ」
パズズとはアッカド神話に伝わる魔神の名前で、風と熱風を司り、メソポタミアでは風の魔王と呼ばれています。
本作ではパズズの特徴であるライオンの頭や4枚の鳥の羽などは見受けられません。
その背景としては、原作であるエクソシストシリーズにおいてパズズがベルゼブブの置換ないし、ベルゼブブと混同がされているフシがあるため、その影響とも考えられます。
悪霊たちの王として熱病をもたらすと恐れられる一方、蝗害の具神化ともいわれ、強すぎるその力に他の悪霊や悪魔が恐れをなすと信じられ、お守りなど魔除けのグッズになったりする「悪をもって悪を制す」扱いをされる存在でもあります。
「悪をもって悪を制す」はエクソシストシリーズの悪魔退治にも用いられる考え方であり、本作と相性の良い性質を持ちます。
❷, 「レギオン」
本作のタイトルとなっている「レギオン」とは、悪魔の名ともされるし、軍団を指すスラングのようなものでもあります。
もとはローマ軍団のこととされていますが、軍団そのものを指す言葉でもあります。
聖書ではイエスが悪魔に憑かれた一人の男に悪魔の名を尋ね、尋ねられた悪魔が自らを「レギオンと言います。大勢なのですから」と答えたと記されています。
エクソシスト3では、この固有の姿を持たない悪魔の軍団レギオンを相手取ったシナリオ展開が物語の根幹を成していました。
❸, 「アビズー」
神話上ではアダムの最初の妻・リリスと同一視されています。
アダムへの恨みもしくは神から受けた罰への恨みから、悪魔となった彼女は男性の婚姻を妨げ、子供を食らう悪魔へと変貌。
本作では、せっかく身ごもった子供を自分の美貌を破壊するものとして怨嗟をつのらせた「狂気の母・マリア」が悪魔アビズーと化し、生まれた我が子を死に至らしめんと付け狙います。
皮肉なことにマリアはかつての美しいモデル体型どころか、下腹が膨れ乳が垂れ下がった「自身が忌み嫌った妊婦姿のマネキン」となっているのでした。
❹, バール
嵐と慈雨の神ともされる悪魔・バール。
神話では3つの頭を持つとされていますが、本作では2つの頭を無理やり縫い合わせたような姿をしており、肉体自体は借り物であるかのような描写もあります。
神話上でベルゼブブと同一視されることもあり、旧約聖書ではキリスト教に嫌われていたので崇高なるバール(バール・ゼブル)の呼称を蝿のバール(バール・ゼブブ)と嘲笑される描写があります。
本作の「疫病を撒き散らす」という設定はそこから発生していると考えられます。
※「ザ・エクソシスト レギオン VR」のダウンロード:
※関連記事:
- PSVRでホラーゲームを探しているという方:
【プロ厳選!】PSVRで遊べるホラーゲーム8選! - PSVRの神ゲーム集:
【プロ厳選!】PS VRおすすめ神ゲーム25選 徹底解説! - VRホラー作品まとめ:
【2019最新VRホラー総集編】ゲーム・アプリ・体験施設をプラットフォーム・デバイス別で解説!
まとめ
恐怖と嫌悪の渦、エクソシストという神秘の力を体験できる怖くて不思議なVRホラー作品「ザ・エクソシスト レギオン」をご紹介いたしましたが、PVを見るだけでも怖すぎだな~とワクワクしませんでしたか?
これらを体験しながら、オカルトな世界へ浸る扉を開く心の準備をしたら是非挑戦してみましょう!
各章は分割販売されているため、試しに気になった章だけを遊ぶことも可能です。
章をクリアすれば悪魔祓いキットが強化されていくシステムでもあるので、気が向いたら全編一気買いがオススメ!
あまりのリアルさに、現実でも十字架をかざしたりしないよう注意が必要かもしれません?
この記事はいかがでしたか?
もし「参考になった」「面白かった」という場合は、応援シェアお願いします!