【さえもんGO!】ARによる新たなデジタルヒーリング体験「SAINT RAY」を体験してみた
すぺ〜しゃる研究員のみなさん、こんにちは!NTTドコモのさえもんです!
今回の「さえもんGO!」では、2021年12月8日(水)~14日(火)に開催されていた、スマートフォンを使ってシューズをバーチャル試着し、「氷の惑星」をモチーフとした空間を旅できる『デジタルヒーリング』による安らぎと新感覚の購買体験を提供する、「SAINT RAY」を体験してきたので、その様子をご紹介していきます!
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体験の様子に加えて、「SAINT RAY」開発者のインタビューも実施し、企画・開発の背景や今後の展望などを語っていただきました。ぜひご一読ください!
Contents
SAINT RAY(サン・レイ)」とは
今回ご紹介する「SAINT RAY」は、スマートフォンを利用し、バーチャルでの靴の試着と、「氷の惑星」をモチーフとした空間を旅できる「デジタルヒーリング」を通して、新しい購買体験の提供をすることを目的としています。
最近では、インターネットでのモノの購入が増える中、商業施設は従来型の物販から、利用者が店舗に足を運ぶこと自体に楽しさを感じて、より長い時間を過ごしてもらえる「体験志向型」店舗への変革が求められています。
そのような中で、AR技術を用いて実店舗にデジタルの体験を掛け合わせ、店舗での滞在時間をより楽しく快適にし、集客および購買支援につなげることをめざすイベントです!
本イベントは、小田急百貨店新宿店ハルク2F ハルクスポーツ内の特設エリアにて、2021年12月8日(水)から12月14日(火)に期間で開催されました。
最新のAR技術による購買支援!シューズのバーチャル試着機能を体験!
それでは、実際にイベントを体験した様子をお届けしていきます!
小田急百貨店の新宿西口ハルクの2F、ハルクスポーツさんに到着。特設ブースが見えました!
今回の体験では大きく分けて、シューズのバーチャル試着機能と、映像と音によるデジタルヒーリング機能を楽しむことができます。
まずは、「バーチャル試着機能」を体験していきます!
アプリを起動してから、自らの靴のサイズを入力したら、試着したいシューズを選びます。
試着可能なシューズは全部で14種類あり、「On」と「BROOKS」の2つのブランドから選ぶことができます。
シューズを選び、カメラを自分の足に向けると、まるで実際に履いているかのように表示されます!
氷の惑星へ旅立ち!バーチャルヒーリングを体験!
続いて、バーチャルヒーリングを体験していきます!
バーチャル試着後、画面下にある「この靴で旅に出る」をタップすると、カメラ越しに、店内に雪や氷、オーロラなど、「氷の惑星」をモチーフとした世界が広がります。
また、首に装着するネックスピーカーから幻想的な音楽が流れており、自然の世界への没入体験をすることができます。
頭上にはオーロラがかかる綺麗な夜空が広がっていて、とても幻想的です!
地上には焚火が焚かれており、ボタンを押すと薪をくべることができます。
薪は3色から選ぶことができ、くべた薪の色に合わせて焚火の火が変わるという演出も用意されています!
シャッターボタンを押すことで写真撮影をすることができるので、幻想的な世界を記録することもできますよ!
焚火の近くには「アイスヴェーダ」と呼ばれる巨大な氷の柱があり、これをタップすると、これまでにほかの体験者さんが撮影した写真を見ることができます。
表示される写真はランダムで選ばれた3枚で、タップするたびに写真は変わります。
体験者が増えるごとにアップデートされていく仕組みになっていて面白い!
「Exit(旅を終える)」ボタンを押すと体験が終了します。
体験終了と同時に、先ほどのアイスヴェーダに記録する1枚を選ぶことができます。
さらに、選んだ1枚はインスタント写真に現像してもらえます!併せて、素敵なデザインのポストカードももらえました!
現像してもらったインスタント写真は、もちろん記念に持ち帰ることもできますし、ブースに貼り付けて帰ることも出きます!
すでにたくさんの写真が貼ってあり、多くの方々が体験に来たことがわかりますね!私も記念に貼り付けました!
イベント企画のNTTドコモにインタビュー!
まずは、小田急電鉄さん・小田急百貨店さんとともに本イベントの企画に携わった、NTTドコモのご担当者にインタビューを実施しました!
Q1. 実際にイベントがスタートし、ユーザーが体験する中で得られた気づきなどありますか?
百貨店という場所ではこれまでになかった新しい体験に、多くの方々が感激してくれました。
一方で、体験していただくためのハードルはまだ高く、興味は持っていただけるものの、実際には触れていただけないことも多々ありました。
XRという多くの可能性を秘めた技術が、よりいっそう身近なものになり、皆さんの生活が豊かになるよう、今後も今回のような取り組みをよりブラッシュアップして提供していきたいと考えています。
Q2. 今回特にこだわった点を教えてください。
クリエイターの創り出す世界観を、いかにそのまま体験に反映するかという点です。
今回の施策の大きなテーマの1つでもあるデジタルヒーリングについて、癒やし、安らぎといったものを形であらわすことは大変難しいです。
それでもクリエイターの熱意のような抽象的なモノを、なんとか形にして届けることで、ユーザーの心を動かすことができると考えます。
MESON様の高い技術力、そして小田急電鉄様、小田急百貨店様とともに物理的制約を可能な限りクリアしていくことで、今回の施策を実施することができました。
アプリケーション開発のMESONさんにインタビュー!
また、主にアプリケーションの開発に携わった株式会社MESONの開発担当者さんに、開発の背景をお聞きしました!
Q1. 今回の実装における技術的なハードルがどのようなところにあり、どうやって乗り越えましたか?
今回のARアプリケーションには、空間認識技術や物体認識技術など最先端のAR機能を盛り込んでおり、それぞれの機能でお客様に楽しんでいただける工夫を施しました。
特に、バーチャル試着機能では、機械学習を用いた靴の認識を行っています。
環境変化による物体認識の誤認識をケアしつつ、AR体験として成立させるため、フレーム間補正などの認識と表示を安定させる工夫やビジュアル演出を施し、体験者にとって違和感なく楽しめる体験に調整しました。
Q2. 実際にイベントがスタートし、ユーザーが体験する中で得られた気づきなどありますか?
百貨店へ買い物に訪れたお客様がAR体験をしていただく中で、お客様は店舗での買い物に「体験」を求めていることを改めて実感し、ARを活用した、体験志向型の店舗作りに可能性を感じました。
実際の商品と連動したバーチャル試着体験に加え、店舗であることの特徴を活かしたデジタルヒーリング体験を通して、AR技術に関して実際に触れて知っていただくとともに、「体験」を重視した新しい店舗の在り方や楽しみ方を知っていただけたかと思います。
今後もAR技術を活用した店舗の体験志向化を進めていきたいと考えています。
Q3. 今回特にこだわった点を教えてください
今回の展示では、実店舗に制作したブースに体験としての機能を施すことで、ARとしての体験に閉じない、バーチャルとリアルを横断する体験を構築しました。
ブース内のイラストとAR体験で表示されるコンテンツとの紐付けに加えて、AR体験内で撮影した写真をインスタントカメラで印刷し、現実のブースの壁面に貼り付け体験者の記録を溜めていく、バーチャルとリアルを横断する体験も設計しています。
イベント企画の小田急電鉄・小田急百貨店さんにインタビュー!
さらに、イベント体験後、主にイベントの企画や会場の提供などに携わった小田急電鉄株式会社の宮内さん、株式会社小田急百貨店の石川さんに、企画の背景をお聞きしました!
Q1.このイベントにおける主な狙いはどのような点にあったのでしょうか?
これまでAR技術は主に屋外で使われてきたので、今回は屋内でARを使い、どのようにビジネスに絡めていくかを挑戦してみたいという思いがありました。
そして新たな購買体験が求められる時代に「店舗での購買体験をアップデートしてみたい」という想いから、このイベントの企画がスタートしました。
Q2.実際にイベントを開始して感じたことは何かありますか?
今回のイベントでは、百貨店での商品体験に加えて、ARの体験を加えることでこれまで以上の価値提供ができることが分かりました。
私たち自身、純粋に「SAINT RAY」を体験してみて楽しかったですし、実際にお客様がAR体験から商品購買につながったという理想的な事例もありました。
また、リアルの場での心に残った体験の思い出を、モノとして残そうという考えもあり、それを誘発できる体験構造になっていたのではないかと感じています。
今回のアプリには時間的/技術的制約から購買機能はなかったのですが、実店舗を持っているという私たちの強みを生かす意味でも、店舗で体験をしたまま百貨店内での購買につなげられることもいい点だと気づきました。
Q3.デジタルヒーリングという発想は何から生まれたのでしょうか?
「デジタルヒーリング」という言葉自体は開発を担当いただいたMESONさんからの提案でした。ただ、私たちとしても、昨今のトレンドである「時短から時長へ」という点でのお手伝いができると嬉しいという思いがあったので、私達の思いと上手くマッチした発想だと思っています。
デジタルヒーリング体験は五感を意識して設計されているのですが、設計に至るまでには色んな議論を重ねました。
例えば、「買い物において気持ちをスイッチするためにはどうすればいいのか?」や、「デジタルネイティブにとってはデジタルがあることが癒やされるのでは?」といった議論ですね。
実は今回の氷の世界とは違う、芝生一面というアイデアもありました。氷の世界でも芝生一面でも両者に共通する、”現実ではありえないことを実現しよう”という考えです。
Q4.今後のプロジェクトの展望についてお聞かせください。
今回のプロジェクトで得た知見をもとに、今後は小田急グループが持つ「リアルの分野の強み」を活かした取り組みへと拡張していければと考えています。
例えばデジタルで表現するのが難しい味覚や香りなどの分野において、リアルとデジタルを掛け合わせることで、五感を通じた新しい体験の創出に挑戦していきたいです。
また、体験から購買に繋げられる仕組みをアップデートしていき、実際にサービスとして実装される世界を作っていきたいと思っています。
小田急グループはXRの商業ビジネスを実際に持っている訳ではないのですが、小田急グループの強味を生かしたマッチング、各事業の連携をしていきたいなと。
例えば、「VRによるレストランやホテルの宿泊体験」「ARによる観光地や観光施設における観光体験」などが良い例かと思います。
その中でポイントになるのは、私たちと共に協力していくパートナーさん、特にARコンテンツ開発会社さんです。
実は、12月16日~19日にて、小田急ホテルセンチュリーサザンタワーで、新宿のスペースをARの映画祭を実施します。(詳細はこちら:https://btffjp-shinjuku2021.com/)
この映画祭のようなイベントを通して、クリエイターの方々とのつながりを作り、共に新しい購買体験を作っていければと思っております。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、小田急百貨店にて、最先端のAR技術を活用し、実店舗に自然をモチーフとしたデジタルヒーリングの空間を重ね合わせることによる、新しい購買体験の様子をお届けしました!
商業施設内でのARの活用により、いつものお出掛け先やショッピングがより魅力的になる可能性を感じるイベントでした。
また、インタビューを通して、企画にかける思いや開発の背景、今後の展望をお聞きすることができました!
今後、AR技術×実店舗での購買という組み合わせがどのように進んでいくかが楽しみですね〜!
以上、さえもんより、「SAINT RAY」の体験レポートでした!
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