最強のHMD現る? Pimax 8kのスペックや価格、評判を解説!
8K液晶、視野角200°というかつてないスペックで登場するVRヘッドセット・Pimax 8Kですが、発売前ということもあって未知の部分が多いのが現状です。
クラウドファンディングサービスKickstarterで出資募集を開始後、20万米ドルの目標のところ、すでに423万米ドルの資金調達に成功しており、圧倒的な注目を浴びています。
今回は先行展示でのレポートと開示されている情報を元にベールに包まれた話題のPimax 8Kの魅力に迫ります。
Pimax 8k VRとは
VRヘッドセットのようなゴーグルタイプのディスプレイは高解像度表示をするほどリアリティが増し、没入感が高くなります。
中国Pimax社の発売するPimax 8kは3840×2160の液晶パネルを左右2枚搭載する世界初の8K対応VRヘッドセットであり、人間の視野角である220度に迫る200度に対応しています。
また、左右の目で常に映像を描画するのではなく、左右交互に描画を行う「ブレインワープ」という技術の採用によって、GPU負荷の低減と共にリフレッシュレートの向上を行っています。
これは、VR酔いの圧倒的な低減を実現すると言われています。
毎秒180回または150回のフレームレートの書き換えを行い、それぞれのフレームではどちらか一方の目に向けて4Kの映像を表示し、書き換えが非常に高速で行われるため、ユーザは両目で150または180fpsの8K映像を見ていると認識するのです。
Pimax 8Kのコンテンツは、独自プラットフォームのPi Homeだけでなく、なんとSteamVRやOculus Homeにも対応し、Steamコンテンツをプレイできます。
Steamの運営企業であるValve社のトラッキング技術であるLighthouseを使用しているため、HTC Vive用のコントローラーとベースステーションを転用することができるようです。
またPimax8Kには、数量限定の「Pimax 8K Xモデル」が存在し、GTX 1080tiとCore i7対応に特化した高性能モデルとなっています。なお通常モデルの「Pimax8K」の要求仕様GPUは、GTX980/1070もしくはAMD R9 Nano以上となっています。
Pimax 8Kの価格・スペック・発売日
Pimax 8kの発売日はいつ?
Pimax 8Kは当初、出荷予定を2017年12月としていましたが開発が遅れ、2018年6月29日、Kickstarterのプロジェクトページで「Pimax 8K」のハードウェアが量産段階に移行したと発表しました。
日本国内では株式会社メディア工房が国内唯一の販売代理店となっていますが、正式な発売日は未定です。
2018年4~6月で発売予定でしたが、現在未だ品質改善・大量生産準備のフェーズとのことです。
Pimax 8kの価格・スペック一覧表
「CEATEC JAPAN 2017」の体験ブースではPimax 8Kが出展されており、大人気となっていましたので8Kを体験された方もいるかと思います。
先行体験された方の感想の多く「軽い」であり、HTC VIVEと比べても明らかに軽いようです。見た目が大きいだけにこれは意外ですね。
Pimax8Kこれだけのてんこ盛り機能でよくこの軽さに抑えたよ…ホントに
— PAK=1007ミソパ=🅱2⃣ (@CMDR_PAK) 2018年9月18日
トラッキングモードは複数に対応しており、Pimaxチームが開発したオリジナルのトラッキングモードだけでなく、SteamVRと互換性のあるトラッキングモードとインサイドアウトのトラッキングモードに対応します。
SteamVR互換モードでは、1台のベースステーションを使って360度のトラッキングが可能で、コントローラやLighthouseはHTC Viveと同じものが使えます。
これは実は、Pimax 8Kの開発が遅れているうちに、支援者からPimaxのForumを通じて要望が沢山上がってきたため「SteamVR Tracking 2.0」への対応を取り入れたものなのだそうです。
項目視野(FOV) | 200° |
解像度 | 3840×2160 ×2枚(合計1660万画素) |
遅延 | 15ms未満 |
リフレッシュレート | 75Hz (Pimax 8K)
90Hz (Pimax 8K X) |
要求プロセッサ | GTX980/1080 or AMD R9 Nano以上 |
インターフェイス | DisplayPort 1.4,(Pimax 8K:1本接続、Pimax 8K X:2本接続)
USB3.0対応 |
対応モード | 着席VR、スタンドVR、ルームスケール |
対応プラットフォーム | PiHome/Steam VR/Oculus Home |
オーディオ | 3.5mm オーディオジャック×2 、マイク内蔵 |
価格 | Pimax 8Kが94,800円(税送料込)
Pimax 8K Xが120,800円(税送料込) ※現在ヴェルテ(株式会社ドゥモア)で予約可能です |
並行輸入では現在ヴェルテ(株式会社ドゥモア)がPimax8Kの予約を受けつけています。
こちらは価格が提示されており、Pimax 8Kが94,800円(税送料込)、Pimax 8K Xが120,800円(税送料込)となっています。
VIVE proとpimax 8kはどちらに軍配?評価に迫る!
さて、海外では結構盛り上がる話題なのですが、HTC VIVE ProとPimax 8Kとの比較についてです。
Pimax 8K、5K+と他のヘッドセットの画質比較。比較対象になり得るのはVIVE Proのみで、他とはレベルが違う。https://t.co/jzCWHgsVt6 pic.twitter.com/ltfHgI403N
— ROBA (@vjroba) 2018年9月19日
まずは基本部分のスペックを比較・評価してみましょう。
Pimax8K | HTC VIVE Pro | |
項目視野(FOV) | 200° | 110° |
解像度 | 3840×2160 ×2枚(合計1660万画素) | 1440×1600x2枚(合計2880×1600万画素) |
リフレッシュレート | 75Hz (Pimax 8K) | 90Hz |
90Hz (Pimax 8K X) | ||
要求プロセッサ | GTX980/1080 or AMD R9 Nano以上 | GTX 970 もしくは AMD Radeon R9 290 |
発売前のPimax 8Kは情報が少ないのですが、明らかに違うのが解像度と視野角です。
まず解像度については圧倒的にPimax 8Kが上で、数字を見れば明らかです。低い解像度のVRヘッドセットで起こる網目感はさすがにほぼなく、美麗な映像が楽しめます。
そして視野角については、VIVE Proの110°は首を振らないと視界が変わらず、言ってみれば双眼鏡をのぞき込んでいるような視界なのですが、視野角が200°のPimax 8Kの没入感はやはり圧倒的です。
Pimax 8Kのユーザー評価・課題
ただし、出荷前ということはもちろんあるのですが、体験者のレビューでは中心以外のピントが合っておらず、結局首を振って視線移動しなければならないなど不満点も挙げられていました。
Tokyo Meet Up時点で展示されていたPimax8Kレビュー。(Berlin Meet Upでの展示機とバージョンが異なる可能性あり) #Pimax pic.twitter.com/bvncEgIJAb
— まじかる☆しげぽん@VRoid (@m_sigepon) 2018年9月2日
視野角は液晶ではなくレンズで決まるため、現状この問題が出るのかもしれません。製品版での改良が期待されるところです。
加えて、8Kの液晶を現在のPCグラフィックの処理速度で本当に動かせるのかという問題も残ります。
4KモデルであったPimax 4kですらGTX1080Tiをもってしても、SteamVRのサンプリングのつまみを右端に振り切ることはできないからです。
また、コントローラー技術についてはPimax 8kは未知数な部分があります。発売されているPimax 4Kにはコントローラーが存在せずある意味で話題になっていました。
一方のHTCのトラッキング技術には定評があり、どこまでPimaxが追いつくことができるか、楽しみでもあります。
Pimax 8kのレビュー・感想は?
スペック以外の部分では未知数な点が多いPimax 8Kですが、新しいコントローラーも公式フォーラムで発表しています。
内蔵したセンサーで指が触れていることを検知することで、VR内で手を開いたり、コントローラーを握ることでVR内の物を掴んだりできるようになっています。
ダウジングの棒タイプ一辺倒であったVRコントローラーとは一線を画すデザインとなっています。
こればかりは握ってみないとわからないため、正式出荷が今から楽しみです。
Pimax 8Kは8K解像度の液晶パネルと広い視野角のみが話題になりますが、最終的なVR体験はトータルなバランスによるところが大きいのは周知の事実であり、その意味ではPSVRは非常によくできた製品でした。
Pimax 8Kが成功するかどうかは液晶だけでなく、レンズやドライバ・コントローラーのトラッキング技術などをどれだけバランスよく収めることができるか、という点に懸かっているでしょう。
VRの没入感を阻害している要因は基本的に「解像度の低さ」「視野角の狭さ」「リフレッシュレートの低さ」になります。
結局、人間が実際に目で見ている状態と、VR映像とのギャップに「VR酔い」を起こすと言われていますが、この問題に正面から切り込んだ製品がPimax 8Kであり、VR体験を1ランク引き上げる先駆者となることが期待されます。
まとめ
8K液晶と200°視野角が話題になっているPimax 8Kですが、恐らくその能力を最大限に引き出すためには今後登場するであろう超高速GPUが必要になると思われます。
しかし従来のヘッドセットの制限であった110°の視野角を打破したレンズを投入するなど、その先進性は中国企業のアグレッシブさを感じる、とても意欲的な製品であるといえます。
正式出荷に向けた量産体制にすでに入ったとの報道もあり、非常に楽しみな製品です。
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