【Déraciné レビュー】PSVR×傑作ADVゲームの評価、魅力、攻略方法まとめ!
一つ一つの仕掛けや謎を解いて物語を進めていくアドベンチャーゲーム(ADV)。
昔から存在するゲームジャンルのため、馴染み深い人も多いでしょう。そのADVゲームをVRというプラットフォームで描き、新たな表現方法を提示してくれたのが今回紹介するPSVRのゲーム「Déraciné」です。
当記事では
- ADVとVRを融合させた「Déraciné」とはどんなゲームか?
- 「Déraciné」のレビュー情報
- 「Déraciné」の操作方法・攻略法など
など、徹底解説します。
VRで魅力的なゲームを探している人は必見です!
Contents
Déraciné(デラシネ)とは?ゲーム概要・ストーリー・パッケージの違いなど
「Déraciné(デラシネ)」とは、2018年11月8日にPS4のVR専用タイトルとして発売された、ADV(アドベンチャー)ゲームです。
開発に携わったのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント JAPAN スタジオと、宮崎英高ディレクター率いるフロム・ソフトウェア。
フロム・ソフトウェアと言えば、
- 『アーマード・コアシリーズ』
- 『キングスフィールドシリーズ』
- 『DARK SOURSシリーズ』
など、初代PS時代から重厚な世界観と3Dフィールドにこだわってきた、高い開発力で知られるゲーム制作会社です。
※参考:フロムソフトウェア公式サイト
【1分でおさらい】フロム・ソフトウェア / 古典的アドベンチャーゲームとは
そのフロム・ソフトウェア初のVR作品となる「Déraciné」は、『古典的アドベンチャーゲームを最新のVR技術で描く』というコンセプトで開発されました。
※ここで言う『古典的アドベンチャーゲーム』は、プレイヤーが見つけたアイテムや手がかりを使って一つ一つの仕掛けや謎を解き明かし、ストーリーを進めていくタイプのゲームを指します。古くは『ポートピア連続殺人事件』から始まり、『MYST』や『逆転裁判シリーズ』、『ICO』や『ワンダと巨人』などもADVゲームの代表作として挙げられるでしょう。
ADVゲームはアクションゲームと違ってストーリー性が高く、RPGのような経験値という概念もないため、「そのゲームの世界観や謎解き、ストーリーに没頭できる」という点がADVゲームの魅力です。
そんなコンピューター・ゲームの黎明期から存在するジャンルのADVを、最新テクノロジーのVRで描くとどうなるのか?
一部でVR・ADVの神ゲー?とも噂される「Déraciné」の魅力について探っていきましょう。
物語のあらすじ・ストーリー
「Déraciné」は、プレイヤーは“止まった時の世界”に住む「妖精」として人里離れた古い寄宿学校に現れます。
そこには6人の少年少女と年配の校長先生が暮らしており、彼らの生活に干渉していくことになります。
物語の中心となるのが、目に見えない妖精(プレイヤー)の存在を信じる少女ユーリア。
彼女の、
「妖精さん、私の声が聞こえていたら私たちの友達になってくれませんか?」
という問いかけから物語は始まります。
妖精(=プレイヤー)は“止まった世界”、つまり子どもたちとは別の時間軸に存在しているため、子どもたちに直接関わり合うことはできません。
そのかわり、異なる時間を行き来しながら、子どもたちに間接的に関わっていくことになります。
たとえば、ユーリアは妖精に宛てて手紙をしたためます。プレイヤーはその願いをかなえることによって、ユーリアに自分の存在を確信させます。
ほかの少年少女は始め妖精の存在を信じていませんが、プレイヤーが様々な方法で彼らの日常に介入することによって、徐々に態度が変わっていき、妖精の存在を信じるようになります。
このように、謎や仕掛けを一つ一つ解いていくことが、ゲームのメインパートとなります。
ゲーム展開とタイトル
様々な悩みを抱える少年少女たちの問題を解決していくと、その悩みは思わぬ方向に転がっていき、物語も当初想定していたものとは大きくかけ離れていく…。
そのストーリー展開こそが、本作の最大の魅力と言っていいでしょう。
「Déracinér」とはフランス語で『根無し草』のこと。
転じて、故郷を喪失した人を意味する言葉です。
タイトルに込められたこの言葉の意味は、ストーリーが進むにつれて、やがて明らかになっていきます。ぜひご自分でプレイして確かめてみてください。
Déraciné collector’s editionの特典・購入方法は?
「Déraciné」には
- パッケージ版
- ダウンロード版
- Déraciné Collector’s Edition
の3種類が販売されています。
「Déraciné Collector’s Edition」はゲーム本編とオリジナル・サウンドトラックCDがスペシャル専用収納ケースに収められた特別版となっています。
初回生産限定のパッケージとなっていますが、2019年3月現在、Amazonなどでも販売されています。
数がなくなり次第、販売も終了になると思われるため、気になる方はお早めに入手なさってください。
【Déraciné Collector’s Edition収録内容】
- PS4用ソフトウェア『Déraciné』
- 「Déraciné」オリジナルサウンドトラックCD
- スペシャル専用収納ケース
どうしてもDéracinéを遊んで欲しい3つの理由
では、ここからより具体的に「Déraciné」の魅力を探っていきましょう。
1.古典的ADVゲームとVRの見事な融合
『古典的アドベンチャーゲームを最新のVR技術で描く』というコンセプトで開発された「Déraciné」は、基本的なゲームシステムをADVの手法に則って制作されています。
ポイントとしては大きく2つあり、
- 現実世界同様のアクションをゲーム内に徹底的に反映
- システム・設定により自然にプレーヤーをVR空間へいざなう
の2点です。
現実世界同様のアクションをゲーム内に徹底的に反映
プレイヤーは基本的にアイテムを探し、マップを探索しながら一つ一つの謎や仕掛けを解いていきます。
しかし、「謎を解く」というプロセスにVRならではの手法を最大限に活用。一つ一つのアクションがプレイヤーを「Déraciné」の世界に導く大きなフックになっています。
例えば通常のADVゲームでは『見る』、『調べる』などの様々なコマンドを選択することによって謎を解き、物語を進めていきます。
しかし、「Déraciné」ではそうした通常のコマンドが存在しません。
代わりに、プレイヤーは現実世界同様、自ら動き、謎を解いていきます。時には机の下に潜り込み、見えない場所を覗き込むという行動によって、ヒントを見つけていくのです。
たとえば、ある写真を手にした時にあなたはどうするでしょうか?
通常のADVゲームであれば、写真を手にした瞬間、画面に『裏返す』というコマンドが表示されますが、VRで表現される「Déraciné」には存在しません。
現実世界と同様に、実際に自分の行動によって写真を裏返し、そこに記されたヒントを見つけることができるのです。
プレイヤーが仕掛けに気が付かない危険性を承知してまでコマンド式を排除したのは、VRを通してプレイヤーを「Déraciné」の世界に招き入れたかった製作者の信念といっていいでしょう。
古典的なADVゲームの手法を土台としながらも、プレイヤーが実際にその世界にいるかのように能動的に動き、考え、謎を解くという手法を取り入れることによって、「Déraciné」はVRでしか表現できないADVゲームの世界を創り上げたのです。
システム・設定により自然にプレーヤーをVR空間へいざなう
また、
- 妖精は子どもたちから目に見えない
- 時間軸が異なるという設定
の2つがVRを通して「Déraciné」の世界に入り込むというプレイヤーの関わり方と絶妙にリンクし、『目に見えない自分という存在』をはっきりと認識できる助けになっています。
VRの最大の特徴である没入感をシステムと設定を通しても強烈に印象づけ、プレイヤーを「Déraciné」の世界と一体化させることに成功しているのが本作「Déraciné」なのです。
このように、「Déraciné」は古典的ADVゲームとVRの融合というコンセプトをしっかりと結実し、我々に新たな世界を提示してくれました。
ゲームプレイ時間は人にもよりますが、おおよそ6~10時間といったところ。
大作RPGなどと比べると短いプレイ時間に思えるかもしれませんが、VRという比較的プレイに体力がいるジャンルでは適当なボリュームでしょう。
そんな中でも『まだ終わらせたくない。もっとこの世界に浸っていたい』と思わせてくれる世界観と、良質の児童文学を読み終わったかのような爽やかな印象がとても特徴的です。
2.魅力的なキャラクターたちに自然と愛着が湧いてくる
プレイヤーを「Déraciné」の世界に誘うのは、上で述べたユーリアですが、ほかにもこの世界には個性豊かで魅力的な少年少女たちが登場します。
時間軸が異なるため、時が止まった世界にいるかのように静止しているキャラクターたちはまるで蝋人形のようですが、プレイヤーが介入することによってまさしく息が吹き込まれたかのように動きだします。
最初は半信半疑だった子どもたちが妖精の存在を信じるようになり、「妖精さん、妖精さん」と語りかけてくるのはなんとも言えず愛くるしい。
向こうからはこちらの姿は見えないため、時には素っ頓狂な方向に向かって話しかけますが、それもこちらが透明な存在であることを印象づけています。
モーションキャプチャーでキャラクターの動きをリアルに再現
「Déraciné」の世界を生き生きとしたものにしているキャラクターたちの存在は、しっかりとした造形によって裏付けられています。
キャラクターたちは海外で子役に実際に演技してもらった動きをモーションキャプチャーによって再現され、声優陣によって命が与えられています。
VRゲームの中でも類を見ない実在感で、プレイヤーがその世界に介入したいという強い動機づけを与えてくれます。
目に見えない妖精という立場ゆえ、10代の少年少女たちの日常をのぞき見ているかのような背徳感と、キャラクターたちの確かな存在感は、このゲームの大きな魅力となっています。
3.静的な世界に心地よく流れる音楽と魅惑的なグラフィックが織りなす世界観
ゲームをより魅惑的なものに仕立ててくれる音楽は、優れたゲームを語る上で避けては通れません。
「Déraciné」の音楽は同じくフロム・ソフトウェアの『Bloodborne』にも参加した齋藤司、北村友香両氏とともに、新人の宮澤翔衣氏が制作に携わっています。
ケルト音楽を思わせるストリングスの調べは、どこか夢の世界を思わせる「Déraciné」の世界観に見事にマッチしています。
基本的に本作は派手なアクション要素はなく、淡々と物語が進行していきますが、『静止した世界』であるからこそある意味可能になった、緻密で美しいグラフィックと、心落ち着かせる音楽の調べによって、すぐにその世界に引き込まれることでしょう。
サントラは特典版に収録されています。
単独で聞いても十分鑑賞に耐えうる完成度になっていますので、読書の際のBGMにもいかがでしょうか?
PS MOVE必須!Déracinéの操作方法や攻略のコツ
「Déraciné」をプレイするには、PS4ならびにPSVRが必要なのは当然として、ほかにもは『PlayStation Move モーションコントローラー』2本が必須となっています。
正直モーションコントローラーがなくてはプレイできないというのは大きなハードルとして立ちはだかりますが、モーションコントローラーによって「Déraciné」のゲームの世界観が成立しているのも事実。
プレイヤーが「Déraciné」の世界に介入できるには、自らの両手を通してのみ。それをこのモーションコントローラーで見事に表現しているわけです。
例えば、上で説明した写真を裏返すという動作。
モーションコントローラーの裏側にあるTボタンを人差し指で押すと物を掴むことができ、△ボタンか□ボタンを押すと、アイテムの説明を見ることができます。
現実世界と同じように写真を裏返すという何気ない行為によってヒントが明らかになる瞬間、背中がゾクゾクするかのような快感を味わえます。
基本的に持ち運べるアイテムは自動的にアイテムボックスに収容されるため、気になったものはドンドン手にとってみましょう。
移動はVRゲームではおなじみのワープ形式。
ワープポイントは細かく配置されているため、自分の思った場所に自然に移動することができます。
ワープで移動して、360°見渡して、自分から見えない場所は身をかがめたり、裏側に回り込んだりして捜索する。気になったものは手にとってみて調べてみる…
そうした能動的で現実的な行動によってゲームが進行するため、自分とゲームの垣根が極限まで狭まり、VRならではの没入感を最大限に高めてくれています。
謎解き自体はそこまで複雑なものはないため、色々と想像を巡らせていくうちに解き明かすことができるでしょう。
どうしようもなくなったら、総当たりで解決することもできます。この辺りもある意味古典的なADVゲームらしいですね。
謎解き攻略=物語の根幹に関わってきますので、ネタバレを防ぐためにもここでは詳しく説明はしません。
ぜひ、ご自分でこの世界の隠された秘密を発見してください。
世界観にうっとり?Déracinéの評価・レビューまとめ!
では、最後に実際に「Déraciné」をプレイした人の評価・レビューを見てみましょう。
没入感を高める映像やMOVEでのプレイは抜群のクオリティ
フロムの新作VR、デラシネってやつプレイしたけど、チュートリアルが怖すぎた
ブラボは平気だったのにVRなら似たような世界が怖いってのは興味深い
少ししかやれてませんが、フロム節があるものの雰囲気の良いゲームだと思う
あとフロムなのでヒントへの導線と雰囲気作りがめちゃくちゃ上手い
— グレートナイト@Vtuber (@V_P_Knight) 2018年11月8日
デラシネの独特かつ繊細に作りこまれた雰囲気、演出はVRとの相性抜群。
デラシネをクリアしました
見ため麗しい子供たちのお願いを聞いていたら終盤にはロマ戦後のヨセフカさんのようになって「聴こえる!」を体験できて狩人出自は大変満足です
VRとmoveの組合せ凄く楽しかった
正直コントローラーでいいのにと思ってましたがmoveは必要2本必要— とろー (@tororororo97) 2018年11月8日
やはりコントローラーがDualShock4ではなく、MOVEを使うことで、腕を使った動作を始めとした操作の臨場感が増すことは間違いありません。
プレイまでのハードルは上がりますが、その分プレイ後の満足感も高いことは間違いありません。
音楽と世界観でうっとり!ただ、相性はあるかも?
デラシネクリア。
このゲームはある程度贅沢にエンタメにお金を使えるならばマストバイですね。もし長く遊べてコスパだけでゲームを選ぶような人なら、わからないだろうからやめた方が良いですね。オススメしません。フロムの世界観作りはやっぱ凄い。名作だね。#デラシネ #PSVR— 上海ゲーム部 (@shanghai_game) 2018年11月8日
謎解きメインで、数時間~十数時間で終わる分、「プレイ時間の長さ」という観点でコスパは良くないかもしれません。
あくまで演出と謎解きを楽しむ、という前提でプレイした方が良さそうです。
デラシネ序盤の感想としては音楽と雰囲気がかなりツボでいい感じ。
雰囲気が良いだけにもう少し色々なオブジェクトに触れたいけど関係のあるもの以外は触れません。
moveなので移動は視点間移動で慣れないと少しクラっとくるかも
ですが物語もスゴく良さそうな予感がビシバシしてます(^^)— かい(snowscape)PS4&Switch&XboxOneX (@to_everything) 2018年11月7日
音楽も、雰囲気も抜群ですが、ワープ移動で若干寄ってしまう可能性があるかも?
疲れる前に、適度に休憩をとってプレイしましょう。
繰り返しますが、「Déraciné」は派手なアクションがあるわけでも、何度も繰り返しプレイするタイプのゲームでもないため、この世界観に浸って楽しめる人以外は、正直つらいゲームかもしれません。
しかし、逆にこのゲーム独特の雰囲気、味わいに魅力を感じる人であれば、間違いなく楽しむことができるでしょう。
VRで語られるADVゲームの世界にぜひ触れてほしいですね。
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【Déraciné基本情報】
タイトル | Déraciné(デラシネ) |
---|---|
発売元 | (株)ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
価格 |
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リリース日 | 2018年11月8日 |
ジャンル | VRアドベンチャー |
フォーマット | PlayStation 4(PS VR 必須) |
CERO (対象年齢) |
暴力
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プレイヤー | 1人 |
内容物 | 通常版(ダウンロード版/パッケージ版):ゲーム本編 Collector’s Edition(パッケージ版):ゲーム本編、サウンドトラックCD |
プレイ環境 | PSVR必須 PS Camera必須 PS Move(2本)必須 |
まとめ
「Déraciné」をプレイするためには、PSVRの他にもモーションコントローラーが2本必要であり、ハードルが高いのは事実です。
しかし、VRでしか味わえない、そしてADVゲームならではの世界にどっぷりと浸ることが出来ます。
ゲーム自体の価格は良心的なものになっているため、環境が揃っている人にはぜひプレイしていただきたいですし、この機会にモーションコントローラーの購入を検討されるのも良いかもしれません。ほかのVRゲームにも役立ちますしね。
VRとADVゲームの見事な融合によって新たな世界、表現方法を示してくれた「Déraciné」。
今後、VRゲームの一つの指標となる作品と言っても過言ではありません。
良質の児童文学のような美しい世界と引き込まれる物語を堪能できる「Déraciné」をぜひ一度プレイしてみてくださいね!
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