Vtuber業界に革命?! AniCastの何が凄いのか、使い方/事例と共に解説!


Vtuberの制作には膨大な人員と作業量が必要とされます。そんなVtuber制作現場に革命を起こすかも知れないシステムが「AniCast」です。

例えば、デビューするやいなや一躍人気VTuberの仲間入りを果たした東雲めぐ。

彼女の配信に使用されているシステムが「AniCast」です。

今回はこのVRゴーグルセットとPCのみという最小限の構成で手軽にバーチャルキャラ配信が可能という画期的なシステムについて紹介します。

AniCastとは?

「AniCast」はエクシヴィ社が開発したヴァーチャルキャラクター動画ネット配信システムです。

「PERCEPTION NEURON」などの高コストなモーションキャプチャシステムを利用しないでも  Oculus Rift」と「Oculus Touch」だけでヴァーチャルキャラクターの動きを表現できるのが最大の特徴となっています。

AniCastを用いた東雲めぐの撮影風景

※2018年10月時点ではHTC vive、PSVR等Oculus Rift以外のVRゴーグルには未対応との事です。

出典:CGWORLD.JP

元々はエクシヴィ・SHOWROOM・シーエスレポーターズの3社が共同で進めるプロジェクト「バーチャル SHOWROOMER 東雲めぐ」の一部として開発されたシステムで、現在は、シーエスレポーターズ社のVR・ARコンテンツ開発チーム「Gugenka」によるアニメーション作品「うたって おんぷっコ♪」のヴァーチャルキャラクターでありVtuber東雲めぐのネット配信に利用されています。

技術的面ではOculus RiftとTouchのみのシンプルな構成で、モーション表現に違和感がないよう細かい動きはセミオート化されており、コンテンツ制作に集中できるような設計になっているとの事。

また、違和感なくユーザーがリンクできるようにキャラクターごとの入念なチューニングも行うそうです。

現在のところ一般向けのリリースはされていませんが、今後はプロダクトとしてのリリース計画もあるようなので、そうなるとVtuberの民主化が一層進みそうです!

東雲めぐの配信で見られるAniCastを利用した表現方法

AniCastを使った東雲めぐのビジュアル面での表現では、自然な表情の動きにこだわっており、従来のVRキャラクターは目線を眼球の動きだけで表現していたものを、目線を動かす時のまぶたの動きや微妙な眉の動きまで再現する事で、より自然な表情を実現しています。

システム解説のYoutubeより

リップシンク(唇の動きを音声と合わせる技術)とキャラクターの体の動きではアニメで使われるコマ録りのような表現を採用し、あえてアニメっぽい映像表現に近づけているのだそうです。

これには今後の展開としてアニメーション制作の現場で利用したいという意図もあるようです。

AniCastが数々の職人芸によって実現された事が分かる動画。

アニメ業界に一石を投じるAniCast lab 始動

AniCastは低価格で手軽に個人レベルでヴァーチャルキャラクター配信が可能になる事をコンセプトに開発されていますが、現在のところ一般へのシステムの公開は行われていません。

しかし、2018年9月エイベックス株式会社が主導する形で、「AniCast」のシステムを利用して、低コスト少人数で誰にでもアニメーション制作を可能とする未来を目指すべく「AniCast lab.」が設立されました。

このAniCast lab.からは従来のアニメーション制作に必要な工程を大幅に省略し、VR空間に舞台を設定した後で実際にキャラクターの中に入って演じるという、言うなれば実写映画を撮影するようにアニメを制作するという画期的なアニメーション制作方法が提案されています。

Ani Cast説明資料より

また、AniCastは、VR空間という特性を活かして、大掛かりな設備や人員を必要とせず、全て個人レベルでの制作が可能なツールとなっておりAniCast lab.からは「アニメを作りたい人が作りたいように作れる」がコンセプトとして掲げられています。

まだまだ発表されたばかりのシステムなので、今後の展開が楽しみですね!

AniCastの使い方、必要なもの

AniCastの使い方は?

現在、AniCastの一般への公開はされておらず、細かい操作方法などは公表されていませんが、開発者のインタビューなどからわかっている点をまとめます。

  • Oculus Riftを装着し、VRキャラクターの中に入ってOculus Touchを使って動かします。
  • 背景やカメラの位置などの設定。風を吹かせるなどのエフェクト効果も使用可能。
  • VR内の物体をキャラクターが掴んで持ち上げ動かしたり、装着したりする事が可能。

この内、物体を持ち上げる機能は東雲めぐのSHOWROOM配信時に視聴者が配信者へ創作物をプレゼントし、VR内に出現させる事が出来る「ユーザーギフティング機能」でプレゼントされた物を紹介する時などに見ることができます。

AniCast使用に必要なものは?

 

AniCastはシンプルな構成が売りとなっており以下の3点があれば利用可能ということです。

ただし、音声収録機材に関しては、別途用意する必要があるとの事です。

現状ではOculus Riftの内蔵マイクでは快適な放送はできなかったそうで、収録マイクは別途用意する必要がある様です。

首を回して操作する必要があるVR配信の特性上、置き型のマイクでは安定した音声を維持できないためヘッドセット型のマイクがベストとの事。

ヘッドセット型のマイクならOculus Touchのクリック音が入らない事もメリットとして挙げられています。

これらに加えて実際の東雲めぐの配信では音声入力用のミキサーとして「YAMAHA AG03」が使用されているそうです。

AniCastの活用事例

AniCastの2018年10月時点での活用事例としては、先述したSHOWROOMでの東雲めぐの配信や、2018年7月にSHOWROOMERとしてデビューしたばかりのVTuber「がんばるぅ子」でも活用されています。

これだけカジュアルにVtuberが作れるとなれば、今後さらに活用事例は増えていくはずです。


また、AniCast lab.が始動した事で、近いうちにAniCastを駆使して制作されたVRアニメーション作品が発表される可能性も高いでしょう。

まとめ

AniCastの開発チームおよびAniCast lab.は、アニメ制作にパラダイムシフトを起こす事を目標に掲げており、アニメーション制作の民主化を行うと宣言しています。

個人レベルからハイクオリティなアニメーション作品が続々生まれてくる日が近いうちにくるかも知れませんね!


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XR-Hub 編集部