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ソニーと資本提携!ロケーションベースVRで新しい価値を提供する「ハシラス」の技術力・開発力を探る


ソニー・ミュージックエンタテイメントと業務提携を結んだ「ハシラス」は、VRコンテンツの開発を専門に行う開発会社です。

特に体全体を使ってVR体験を楽しむ「ロケーションベースVR」コンテンツの制作に長けており、VRコンテンツの制作においてこれまで多くの実績を残しています。

今回の記事では、

  • ハシラスの企業概要
  • ハシラスの特徴・強み
  • ハシラスの活動実績
  • ハシラスの求人情報

といった点を取り上げます。

イベントや大型施設にとりわけ需要の高い、ロケーションベースVR開発の最先端を走るハシラスの秘密に迫ってみましょう。

ハシラス社の概要

株式会社ハシラス(以下ハシラス)は、VRコンテンツの企画・制作・開発を行うVRコンテンツ制作専門会社です。

VRコンテンツの制作にとどまらず、VRアトラクションの企画や運営にも携わり、大型レジャー施設向けの筐体と一体となったVRコンテンツの提供も行っています。

ただ単にVR映像を「見せる」だけではなく、VRを通した新たな「体験」をクリエイティブしているのが、ハシラスという会社の大きな特徴です。

一風変わった社名の「ハシラス」は、2014年にリリースした乗馬体験VRゲームの「Hashilus」から来ています。VRゴーグルを装着し、乗馬フィットネス機器にまたがって手軽に乗馬をVR体験するというコンセプトは、現在のハシラスの事業にもしっかりと受け継がれています。

もう一つ、ハシラスという会社の変わったところは、代表取締役社長兼プロデューサー安藤晃弘氏の経歴。なんと安藤氏は日本奇術協会が認定する「ベストマジシャン」に4年連続で1位に選出された、古典記述の大家というから驚きです。

現在の安藤氏はマジシャンを引退し、会社経営に専念していますが、驚くような映像と斬新な体験を一緒に楽しめるVRコンテンツ制作に、マジシャンとして人々を魅了してきた安藤氏のマインドが活かされているのかもしれません。

ハシラスの企業情報(社長・資本金など)

  • 社名:株式会社ハシラス (英語表記:Hashilus Co, Ltd.)
  • 所在地:開発スタジオ兼ショールーム「Hashilus Fort (ハシラス・フォート)」/114-0012 東京都北区田端新町1-20-5。開発スタジオ「Hashilus Lab Twise (ハシラスラボ・トワイズ)」/114-0012 東京都北区田端新町2-8-8 トワイズ田端201
  • 設立:2015年12月8日
  • 代表取締役:安藤 晃弘
  • 資本金:94,532,889円
  • 事業内容:イベントおよび施設向けVRアトラクションの企画・制作・販売・レンタル。HTC VIVE、Oculus Rift、Oculus Go/Gear VR、Windows Mixed Reality等のVRヘッドセット用コンテンツ(ソフトウェア)の制作。VR用ハードウェア筐体の設計・製作。アカデミック向けVR用ハードウェアおよびソフトウェアの開発。その他VR/MR開発全般。
  • 公式HP:https://hashilus.co.jp/corporate/
  • 主な取引先:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ、アドアーズ株式会社、株式会社リクルートテクノロジーズ、株式会社フタバ図書、株式会社電通など

ハシラス社の2つの特徴・強み

では、具体的に同社の持つ技術力や特徴、企業としての強みを2つ見ていきましょう。

⑴ソニーとの提携

ハシラスは様々な体験型VRコンテンツを開発・制作してきましたが、そのハシラスの高い技術力と制作力を裏付けているのが、ソニー・ミュージックエンターテイメントとの業務提携です。

ハシラスと資本・業務提携を結ぶことについて、ソニー・ミュージックエンターテイメントは次のようなプレスリリースを発表しています。

以下引用

(前略)
本資本・業務提携により、ソニー・ミュージックエンタテインメントが保有するアニメ・音楽・キャラクターなどのIPを活用するなどして新たなVRコンテンツを制作し、アニメや映画のワンシーンに入り込んだような革新的なVR空間を創造することによって、これまでにない感動体験を提供してまいります。そして、こうしたVRコンテンツによる体感エンタテインメントを、日本国内のみならず海外でも事業展開していくことで、Location Based VR市場のさらなる拡大を目指します。
(攻略)

ここで鍵となるのが「IPの活用」、「体験」、「Location Based VR市場の拡大」といった単語でしょう。

Location Based VR(ロケーションベースVR)については次の項で触れますので、ここでは「IPの活用」と「体験」というキーワードに絞ります。

「IP」は「Intellectual Property」の略で、日本語では「知的財産」と訳されます。

エンターテイメントの世界では映像や音楽、ゲームなどの著作物はすべてIPとして扱われ、作品の中のキャラクターもIPとして保護されます(例えば、任天堂における「マリオ」というキャラクターは、世界に通用するキャラクターIPと見なされます)。

ソニー・ミュージックエンターテイメントは音楽やアニメ、ゲームなどで多くのIPや、スヌーピーなどのキャラクターIPなども保有しています。

そうした企業の財産とも言えるIPを有効に活用するのは会社として当然の戦略ですが、用い方を見誤ると、大切なIPの価値を減じることにもなりかねません。

 自社のIPをVRコンテンツとして展開する際にソニー・ミュージックエンタテイメントが白羽の矢を立てたということが、ハシラスの技術力を如実に証明するものと言えるでしょう。 

また、最近は美麗な映像を見たり聞いたりするだけではなく、体験型のエンターテイメントが脚光を浴びています。

VRで現実ではありえない映像を示すだけではなく、筐体と一体化して「体験するVR」を提供するハシラスとソニーの提携は、エンタメ業界に大きなインパクトを残しています。

⑵ロケーションベースVRの開発力

ソニー・ミュージックエンタテイメントがハシラスとの事業提携を結んだ理由の一つに挙げていた、「ロケーションベースVR市場の拡大」。

特にアメリカを始めとした海外では、ロケーションベースVRに非常に大きな注目が集まっています。

ロケーションベースVRとは

一般社団法人ロケーションベースVR協会によると、 ロケーションベースVRは「ヘッドマウント・ディスプレイによるVR映像と体感型ハードウェア機器・アトラクション等を連動させ、リアルな体験を提供する施設型VRコンテンツ」 と定義されています。

つまり、VR用ヘッドマウントディスプレイを装着した上で専用のハードウェアを利用することによって、体全体でVRコンテンツを楽しむことができるわけです。

アメリカではディズニーランドの「Star Wars: Secrets of the Empire」や、「IMAX VR」などでロケーションベースVRを楽しめる施設が相次いでオープンしているほか、ハリウッドのクリエイターも様々なコンテンツを制作しています。

日本でも2016年にオープンした「VR PARK TOKYO」や「VR ZONE」などでロケーションベースVRを体験できるようになり、現在では様々なイベントにロケーションベースVRを利用する流れも広まってきています。

ハシラスを代表するVRコンテンツの「Hushilus」が、乗馬フィットネス型の機器にまたがって乗馬体験を楽しむアトラクションということは最初に述べた通り。
このHushilusに代表されるように、ハシラスはVRコンテンツだけではなくコンテンツに対応するハードウェアの開発も行っており、ロケーションベースVRの開発・運営に力を入れています。

VRの映像と実際に体で体験できるハードウェアを組み合わせた「全身で楽しめるVRアトラクション」のロケーションベースVRは、ハシラスが最も得意とする分野でもあります。

さらに、様々なアトラクション施設にロケーションベースVRコンテンツを提供し、自身でもいち早くVRアトラクションの常設運営を行ってきた実績を持つハシラス。ロケーションベースVRに関する開発力の高さは、非常に大きな武器となっています。

VR/ARに特化した調査会社「Greenlight Insights」によると、2018年時点のロケーションベースVRの市場規模は約10億ドル(約1,100億円)ですが、2023年にはおよそ120億ドル(約1.3兆円)にまで達すると予想されています。

ロケーションベースVRコンテンツの開発や運用を一貫して手掛けているハシラスの存在感は、これからますます大きくなってくるでしょう。

ここからは、ソニー・ミュージックエンタテイメントと資本提携を結んだハシラスが、どのようなロケーションベースVRを開発してきたのか、その実績や事例を見ていきましょう。

ハシラスの事例・実績⑴「VR進撃の巨人 THE HUMAN RACE 逃走戦線(仮)」

ソニー・ミュージックコミュニケーションズの30周年記念イベントとして2018年に開催された「W/(ウィズ)」の中で、人気アニメ「進撃の巨人」のワンシーンを再現したのが、「VR進撃の巨人 THE HUMAN RACE 逃走戦線(仮)」です。

「VR進撃の巨人 THE HUMAN RACE 逃走戦線(仮)」では、原作の中でも特に印象的な 「女型の巨人捕獲作戦」をVRで再現しています。 

プレイヤーは馬に乗って巨人から逃れつつミッションを遂行させますが、この筐体に使われたのが「Hushilus」の乗馬型筐体。
これをさらに改良し、コントローラーの操作に合わせて馬がジャンプする動作も組み込みました。

「進撃の巨人」の調査兵団のシンボルである「自由の翼」が描かれたマントを身にまとって乗馬マシーンにまたがると、まさしく自分が物語の一員になったかのような感覚に陥ります。

リーダーのリヴァイ兵長やエレンと並んで馬を走らせる体験は、「進撃の巨人」ファンにとってはたまらない体験でしょう。

上の動画は外部から見るための映像で、プレイヤーが実際に見ている画像とは異なりますが、巨人に追われる雰囲気や臨場感はしっかりと伝わってきます。

この「VR進撃の巨人 THE HUMAN RACE 逃走戦線(仮)」はイベント用に開発されたプロトタイプで、常設展示されているわけではありませんが、ロケーションベースVRをイベントに活用することの有効性と、求められるVRコンテンツをしっかり提供できるハシラスの技術力の高さがなければ、実現できなかったイベントでしょう。

ハシラスの事例・実績⑵TOKYO弾丸フライト

ハシラスはロケーションベースVRに関する豊富な知見を活かし、ソニー・ミュージックエンタテイメントだけではなく、多くのパートナー企業にオリジナルコンテンツを提供しています。
2016年に大きく生まれ変わった「SKY CIRCUS サンシャイン60展望台」の目玉アトラクションとして導入された「TOKYO弾丸フライト」もその一つです。

TOKYO弾丸フライトは、VRデバイスを装着して東京の大空を飛び回るVRコンテンツですが、動画にあるように大砲型の筐体に乗り込んで自分が実際に大砲の弾丸になったかのような感覚を味わえます。

筐体は上下に激しく動くため、スリルと驚きに満ちた東京の空の旅を楽しめるわけですが、このように全身で体験できるロケーションVRコンテンツの開発がハシラスの十八番。

しかも、このロケーションベースVRコンテンツを、地上251mの展望台に設置するところがミソで、ジェットコースターではありえない、VRだからこそ実現できたスリル満点の空の旅を体験できます。

ハシラスの事例・実績⑶VRの中のテーマパーク「オルタランド」

「オルタランド」は、現在ハシラスが鋭意製作中の、全く新しいVRアトラクションです。

VR空間の中でシームレスに様々なアトラクションを楽しめるオルタランドのコンセプトは、VRテーマパーク。

およそ12m✕7mのスペースの中で20人以上が同時にVR体験を楽しめる、まさに大型施設向けVRアトラクションとなっています。

VRヘッドセットを装着したプレイヤーがオルタランドのフィールドの中に入り込むと、目の前には非常の広いテーマパーク空間が広がります。プレイヤーはこの園内を自由に歩き回って他のプレイヤーと交流したり、様々なアトラクションをシームレスに楽しむことができます。まさしく、VR内に造られた遊園地といったところですね。

さらに、このオルタランドの世界を盛り上げてくれるのが、コンセプトアート・ディレクターとして参加するnocras氏が手掛ける美しいデザインとキャラクターイラストです。

nocras氏が手掛ける世界観は、オリエンタル・ファンタジーの中に緻密なグラフィックスと、かわいらしいキャラクター融合させた独特のもの。

これまでの体験型VRでは見られなかった、息を呑むほど美しい世界の中でアトラクションを楽しめます。

nocras氏が手掛けてきた作品例

  • 三国志大戦TCG カードイラスト(nocras名義)
  • WIXOSS カードイラスト(nocras名義)
  • Force of Will カードイラスト(nocras名義)
  • ファイナルファンタジーXIII-2 CHARACTER MODELING &TEXTURE DESINGNERS(野倉翔悟 名義)
  • ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア Background Artist(Shougo Nokura 名義)
  • ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド プロダクションアート(野倉翔悟 名義)
  • ゼノブレイド2 コンセプトアート(野倉翔悟 名義)

オルタランド内には様々なアトラクションが用意されていて、プレイヤーはVRヘッドセットをその都度取り外したりすることなく各アトラクションをシームレスに楽しむことができます。

オルタランドでプレイ可能なアトラクション例

  • 謎解き脱出ゲーム
  • ホラー脱出ゲーム
  • 協力ガンシューティング
  • 乗り物で世界を散策
  • 巨人化して他のプレイヤーと対戦シューティング
  • 展望台
  • 斬撃アクション
  • ジェットコースター
  • etc

多人数でプレイするオルタランドらしく、複数人で楽しめる脱出ゲームや、巨大なボスを協力して倒すアトラクションなど、バラエティも豊か。
オルタランドは現在、「東京ゲームショウ2018」に出典したバージョンから、グラフィックやアトラクションを全面刷新して鋭意製作中。

コンセプトこそ異なるものの、VRの世界に飛び込んでキャラクターになりきる「ソードアート・オンライン」のような体験を楽しめる日ももうすぐやってきます!
ここで紹介したハシラスの実績・事例は、同社が開発してきたロケーションベースVRコンテンツの一部に過ぎません。

ハシラスはこれまで、長時間のロケーションベースVRが体験できる「バーチャルライフ」や、立ち乗り型VRモーションライド「キックウェイ」にも対応するドライブシュミレーター「四季の世界遺産ドライブ」、火災現場を体を使って体験できる「VR火災訓練」など、多くのVRコンテンツを制作してきました。

またそれ以外にも、「仮想パーティ」を始めとして様々なイベント向けにオリジナルVRコンテンツを開発する他、VR施設の運営の協力なども行っています。

ハシラスは日本におけるロケーションベースVRの先頭を走る企業と断言しても、決して言い過ぎではないでしょう。

ハシラスの採用情報・評判

記事のここまでを読んで、ハシラスでぜひ働きたい!と感じた方のために、ハシラスの採用情報や評判をまとめてみましょう。

ハシラス従業員数や組織体制

ハシラスの2018年4月時点におけるスタッフ数は19名で、男女比はおよそ6:4。平均年齢は30歳前後となっています。新卒と中途採用の割合は1:8となっていますから、外部からの技術者を多く採用していることが伺えます。

ハシラスの組織体制は取締役以外はフラットな階層となっており、各プロジェクト毎にミーティングが行われます。それに加えて週1の全体ミーティングが行われています。

社員の評価はメンバー同士で行う360度フィードバック制度を取り入れ、チームの枠を超えて評価を行いますが、査定に影響を与えることはありません。あくまでも客観的評価の一環として行われています。

ハシラスの採用や求められる人材像

ハシラスはVRという技術を用い、これまでにない感動や驚きを創造するという理念のもと、経営がなされています。さらにロケーションベースVRの開発に力を入れているため、VRやARといった新たな技術に関心があることはもちろんのこと、自分で感じて考えたことを発信できる表現力や、自分で新たな方法を生み出せる積極性や行動力が求められています。

とはいえ、現在ハシラスに在籍している開発者の中に、もともとVRの開発に携わっていたスタッフは存在しません。中途採用で入社した開発者の多くはスマホゲームの開発者や、音声通話ソフトウェアの開発に携わってきたエンジニアなど多岐に渡ります。

ただ、2019年11月現在、ハシラスで募集中の職種はありません。ただし、今後の事業の拡大に伴って新たな中途採用の募集も始まると予想されるため、気になる方は引き続きチェックされてください。

まとめ

VRやARをイベントなどに活用する流れは、ここ日本でも確実に増えてきています。

そうした中、「身体全体を使ってVRの世界を楽しむ」という、ハシラスのロケーションベースVRコンテンツの開発力や確固とした数々の実績は、VRを自社のアピールや、イベントの集客に活用したいと願っている企業の大きな助けになるでしょう。

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※関連記事:【2019年最新|ARビジネス活用事例11選】効率化や精度の向上などAR化のメリットに迫る


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