【徹底レビュー】Project LUXから見る「長編VRアニメ」の可能性


可愛らしいヒロインが目を引く「Project LUX」

世界初のVR長編アニメーションは、一体どのようなコンテンツなのでしょうか。

この記事では実際に遊んだ筆者が、ネタバレしない程度にProject LUXの魅力をガッツリ紹介します!

Project LUXとは?

引用元:Steam公式より

Project LUXは「狼と香辛料」の作者・支倉凍砂氏の個人サークル「Spicy Tails」が制作したVR専用アニメーションです。

支倉さんのトークショーではVR元年を迎えても萌えゲーが生まれないことを悲しみ、「こうなったら自分でつくろう」という熱い想いが語られていました。

(↓本作の公式PV、これだけでも涙腺がうるうるきちゃいます…)

可憐かつ精巧なグラフィックに加え、人気声優の田中あいみさんの好演により、通常のアニメにはない臨場感が本作品の最大の特徴

VRの視点や物語の没入感などを加味した結果、別世界を舞台としたファンタジーではなく近未来のSFという位置づけになっています。

物語のシナリオも、可愛らしい見た目とは裏腹に「殺人事件で殺された女の子に起きた事を、追体験する」というややヘビーな設定。

360度見回しながら、「物語としてのシリアスさ」「SF要素」「萌え」という3要素を統合した本作は、まさに近未来アニメーションの先駆けと言えます。

対応機種はHTC ViveOculus RiftPlayStation VRとなっており、本作は、PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」からダウンロードが可能です。

評価の高い感想・レビュー

視聴者達の感想ですが、「没入感がすごい」「キャラクターが可愛くて癒される」「泣ける…」という声が非常に多く、既存のアニメコンテンツとは一線を画す体験が味わえます。

VR×アニメ×萌えという新しい視聴体験でありながら、高い評価が散見される同作。「VRゴーグルだと涙が拭えない」という問題が発生する程のVR体験で人気を博しています。

お値段は2,500円と映画1本分よりもややお高い価格設定ですが、それを補って余る程の魅力が詰まっているのは間違いありません。

Project LUXのあらすじと見所

(引用:公式ツイッターより)

人類の大半が電脳化した世界で、ある殺人事件の裁判が行われていました。

被害者は、人里離れた場所にある家住んでいたヒロインのルクス。この世界で電脳化してなかった数少ない少女でした。

加害者は、ルクスの感情を元に、人々の感情を電脳用データにするための協力を依頼していたエージェント(生身の人間ではなく義体)です。

ゲームのプレイヤーは裁判の陪審員として、事件の真相を暴くために加害者であるエージェントの過去を追体験をするというのが主なストーリー。

「何故、彼はルクスを殺さなくてはならなかったのか?」

エージェントの視点となったプレイヤーが見るのは、エージェントとルクスの微笑ましい交流や甘酸っぱい心の変化、そして事件の真相に迫っていくサスペンス…そして衝撃のラストへ…。

本作の見どころ⑴:キャラクターの”人間らしさ”

 

ネタバレを避けるためあまり物語への言及はできませんが、見どころはなんと言ってもヒロイン・ルクスの愛くるしい姿や挙動です。

あまりにもリアルな動きは「ルクスの中の人」である田中あいみさん自身がモーションをつけており、それ故に、心を感じる人間感が溢れています。

演技のモーションをミスしても、そのまま素材として活用したところが逆に「本物っぽい」とユーザーからの評価に繋がっているようです。

(↓表情もとても豊かで可愛らしいルクス)

見どころ⑵:思わず「くすっ」とくる会話

また、「エージェント」と「ルクス」のやり取りのちぐはぐな会話が笑いを誘います。

喜怒哀楽が激しく感情のままの言動をするルクスに対し、エージェントは機械的で効率的・電脳的な回答ばかり…。

思わずプレイヤー側も「そうじゃないだろ!」とツッコミを入れてしまいたくなるほどの、ほっこりトークに癒されます。

エージェントの受け答えにルクスはよく怒ったり焦ったり赤面したりするのですが、その様はまさに「ハイパー鈍感主人公とツンデレヒロイン

これには多くのプレイヤーも「わかってるねぇ!」と思わず微笑んでしまいます。

物語を彩る「匠の技」

 

本作は企画・シナリオを小説家の支倉凍砂さん、キャラクターデザインを人気イラストレーターの月神るなさんが務めています。

プロ小説家である支倉さんが組み上げたシナリオの出来はもちろん、目を引く月神るなさんの設定画や美麗イラストの数々は圧巻です。

シナリオを楽しむ方もルクスの可愛さに癒やされたい方も、この二人が満足させてくれないわけがありません。

3Dモデリング&アニメーション担当は榊原圭介さんで、月神るなさんの生み出した可愛いルクスへの肉付けを行っています。

支倉さんは4Gamerのインタビューでアニメ系・萌え系のキャラクターモデルを誰にお願いするかを決めるのはとくに苦労したと語っていましたが、手足のバランス・顔の凹凸・唇の動き・衣服の靡きなど、実に素晴らしい完成度です…。


「二次元の世界に入りたい」という支倉さんの夢から始まった作品作りは、支倉さんご自身がVR素人ということもあってかなり手探りだったようです。

VRイベントに足を運んで直接声をおかけしたりなどの苦労の末、集まった精鋭陣によってProject LUXはこの世に生を受けることができたというわけですね。

本作で垣間みた「VRアニメ」の可能性

筆者のプレイした感想では、ライトノベルを「挿絵ではなく映像」で見せていくスタイルに近い作品でした。演劇とアニメの中間のようなイメージです。

引用元:https://twitter.com/spicytails(公式Twitterより)

物語は基本ワンルームの中で繰り広げられるのですが、ワンルームとはいっても、設定上凄まじい作り込みが行われていて、これだけでもそのポテンシャルの高さが伝わると思います。

VRアニメーションは特にシュレーションゲームを好む日本人にぴったりなコンテンツ。

機材にかかる費用も年々下がると思いますので、あとはVRに求める没入感をより高めるために「プレイヤーの自由度」が課題になりそうです。

視聴者参加型のインタラクティブな作品が注目を集める昨今、RPGゲームとアニメの垣根が、少しずつ融和していく方向になるのかもしれませんね。

まとめ

Project LUXをプレイしてみて、筆者は「エージェント」に非常に強い興味を抱きました。

機械的な対応をしていたエージェントが徐々に人間的な感情の起伏をルクスに対して出していく様子は、いったいルクスを観察しているのかエージェントを観察してるのかわからなくなってきます。

可愛くて愛おしいルクスと、それに対するエージェントのかすかな変化のむずがゆさ、ぜひ多くの人にこのムズムズ感を体験してみてください!

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XR-Hub 編集部