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「Here They Lie」(PS4)レビュー|芸術的で謎だらけなVRホラーの魅力に迫る!


VR対応のPS4ソフト「Here They Lie -眠りし者たち-」をご存知でしょうか?

現代のVRホラーゲームと言えば、精巧なグラフィックでグロテスクさを追及したクリーチャーなり、目線・視線をうまく利用した恐怖演出なり、クリアできるものならクリアしてみろと言わんばかりのリドル(謎解き)や収集をプレイヤーに課すものが主流です。

ところが本作「Here They Lie -眠りし者たち-」は、それら既存のゲームとは全く趣旨の異なるアーティスティックで意味不明な作風が話題となっています。

人によっては酷く心惹かれると噂の、その引力の正体を探ってみました。

今回は「ヒア・ゼイ・ライ」の魅力や攻略法、評価・レビュー情報まで徹底的に解説していきます!

Here They Lie(ヒアゼイライ)とは?ストーリー、作品の特徴とは

ヒアゼイライ

 本作「Here They Lie -眠りし者たち-」は、2016年12月15日にPSVR専用タイトルとしてサンタモニカスタジオが提供をスタートさせたVRアドベンチャーホラーゲーム作品です。 

サンタモニカスタジオといえば「ゴッド・オブ・ウォー」など哲学と美術とアクションを混ぜた美麗なゲームが人気を博している開発スタジオ(ソニー・インタラクティブエンタテインメントの社内組織)ですが、全く雰囲気の異なる本作においても、そのこだわりの息づきを感じることが出来ます。

ゲームのグラフィックで圧倒的な美しさを実現

Here They Lie

※PS4公式サイトから引用

この美しいグラフィック、おわかりいただけるでしょうか。

 このスクリーンショットはムービー専用の映像や広告用の映像ではなく、実際のゲームの中のグラフィックです。  

本作「Here They Lie -眠りし者たち-」は、発売当初こそ「グラフィックが粗い」「VR酔いする」と、グラフィック面に関しての不満が多く挙げられましたが、後のパッチがあたってそれらが大幅に向上&改善。

ついでに普通のモニターで遊ぶことのできるVRなしモードにも対応しました。

元々PSVR自体が非常に画質の悪いHMD(ヘッドマウントディスプレイ)でしたが、それでも尚これほどのグラフィック改善を見せたのはとんでもない快挙です!

物語のあらすじ

ヒアゼイライ
引用元:筆者のプレイ画面

公式サイトによれば「他者の悪夢のような世界を体験するホラーアドベンチャー」という本作は、モノクロで表現された悪夢の世界のような、妙にリアルなスラム街が舞台。

正体不明の女性にいざなわれ、スラム街へと足を踏み入れます。

頑張ればスチームパンクにも見えなくはない荒廃した街を探索し、時に襲い来る狂人たちから隠れ、逃れながら、この街のより深い場所へと主人公は進んでいくことになります…

過激な描写・表現が織りなす「独特な背徳感」と「ホラー」

ヒアゼイライ
引用元:筆者のプレイ画面

CEROランクは堂々の「D」!(対象年齢17歳以上)、犯罪的・性的・暴力的な要素や表現を多く含むとされているため、残念ながらホラーゲーム好きでもお子様はNGでした。

それもそのはず、グロさは意外にも極少の本作ですが、セクシャルな表現は「それ」と一瞬でわかるように所狭しと…

背徳的な行為を喜々として行う場面も多いながら、他のホラーゲームに比べればソフト。

しかし、倫理観を問われる内容であるという意味ではなかなかのアウトっぷりです。

チャプター2では歓楽街と思われる「このゲームで一番プレイヤーが探索する」ステージに進みます。

モノクロな世界のため店の看板のネオンが抑え気味になってはいますが、NUDES・TOPLESS・XXX(アダルト専用)・PEEP(のぞき見)など、まず日本ではお目にかかれないような危なげな表示ばかり。

ラブホは当然として、ダッチワイフ的な使用用途のパネルや、個室でのプレイ現場などにもプレイヤーは立ち入ることになるため、「これは見せられないよ」的な案件。

たとえ動画でも、お子様と一緒に見るのは控えていただきたいところです。
(HMDなら背後も安心!)

Here They Lieを遊んで欲しい2つの理由

本作の魅力を大きく

  • ゲーム難易度のバランス
  • 演出、表現

の2点に集約して解説していきます。

おすすめ理由1.誰でも必ずクリアができるような設定になっている

ヒアゼイライ
引用元:筆者のプレイ画面

本作「Here They Lie -眠りし者たち-」において、ゲームと言えども攻略不能になる段階は全く訪れません。

なぜなら途中で死亡すると、死亡の原因となった敵キャラクターが復活後には削除されるからです。

つまり

  • うっかり初見殺しで死んでしまった
  • うっかり近づきすぎて死んでしまった

ということがあっても、復活後にはその敵キャラはいません。これなら同じ場所で何度も死ぬようなストレスはアリませんね。

更に、探索メインのゲームでありながら、所持アイテムや収集アイテムの内容によってシナリオ進行が阻まれることもなし!

「せっかくここまで来たのにアイテムが足りない!」
「懐中電灯の電池が足りなくて進めない!」

なんて現象は、このゲームにはないのです。

注意としては、オートセーブのため自分の好きなタイミングでセーブできないことと、セーブした要所要所から始めなおしたり、チャプターを選んでのプレイなどが全く出来ない点でしょうか。

トロフィー獲得という要素もあるため、繰り返し遊ぶことのできるシステムも少ないながら存在します。

おすすめ理由2.癖になる背徳の世界

ヒアゼイライ

本作は背徳感のある世界での時間を過ごしたい人にとっては、非常に居心地のいい空間かもしれません。

下の通りを歩いている他人に向かってブロック片を投げ落として殺害し、それを手を叩いて子供のようにはしゃぎながら繰り返してるらしきカップル。

その二人に誘われて自分もブロックを投げ落として通行人を無差別に殺害する主人公。

殴られた仕返しにフルフェイスを突き落としたシマウマヘッドの住民と、やってやったぜと興奮するシマウマヘッドを今度は主人公が突き落として…

あるところでは泥酔する男女が道端で寝転がり、ある場所では明らかにシャブパしてると思しき集団に、タイマン勝負で殴り合いをしながら周りがそれを囃し立てる下品な光景…

こういった風景がチャプター2では常に目に飛び込んできます。

劇場では次々と首吊りをする悲惨なショーが行われ、劇場の外には首を吊る順番待ちをする列が長く伸びるという異様な光景。

ヒアゼイライ
引用元:筆者のプレイ画面

一般常識に照らせば「悪趣味」だと批判を受けるような、無神経で無法的でろくでもないこの街ですが、突発的に敵に襲われることもなく自由に歩き回ることが出来ます。

現実世界ではこんな場所で生活などとても出来ませんが、ゲーム内では怖い思いをするわけでもないのです。

70年台や80年台の古い洋画くらいでしか見たことがないような世界観に浸りながら、心の何処かに荒れたこの街を愛しく思う気持ちを芽生えさせる人もいるでしょう。

Here They Lieの攻略のコツは?

ヒアゼイライ
引用元:筆者のプレイ画面

刺さる人には刺さる世界観を持つ「Here They Lie -眠りし者たち-」ですが、前述したように難しいことは何もしなくても必ずクリアできる親切設計です。よって攻略に必要なテクニック等はほぼありません。

 強いてあげると、チャプター1では初見殺しがあるため、唸り声が聞こえたら角をいきなり曲がらないようにしましょう。  

万が一失敗しても、襲ってきた魔物は復活したら居なくなっていますので安心。

 チャプター2では近づく、もしくは上記の画像のように目が合うことで襲ってくる敵が居ますが、これらはよぽど接近したり目が合った状態を維持し続けなければ追いかけてくることもありません。  

チャプター3でようやくアクションらしい操作が若干必要になりますが、難しさは一切ありません。

「わ~急ごっかな~後ろきてるな~」と呑気に操作してても大丈夫です。本作では「詰む」という現象は全く起きないわけですね。

トロフィーの獲得はWikiも存在している

ヒアゼイライ

引用元:PS4 トロフィーまとめwiki

攻略情報が絶望的に少ない本作ですが、トロフィーの獲得方法については有志が持ち寄った情報を集めて公開しているWEBサイトがあります。

「今取れたトロフィーは何?」などの確認から、足りないトロフィーのチェック、取得するための周回のヒントなど多いに役に立つでしょう。

エンディング自体はマルチエンディング方式なので、「前回と違う選択を選ぼう」という遊び方も当然可能!

筆者、他ユーザーによるHere They Lieの感想・レビュー情報

賛否両論の本作ですが、まずは筆者がプレイした感想から紹介していきます。

筆者レビュー:世界観の表現や、没入感は最高峰!

ヒアゼイライ
引用元:筆者のプレイ画面

このゲームをプレイしてみた筆者としては、とにかくチャプター2だけでも動画でいいので見てほしいですね!

 「VR技術を使ってこことは違う別世界で生きる」といった体験が将来間違いなく訪れることを予感させ、モノクロ映像で入り組んでいて雑多ではあるものの美しい世界を堪能することが出来ます。  

音響も素晴らしく、序盤のチャプター1の暗闇とBGMは最悪なほどにマッチした見事なホラー感。

駅構内の時計のカチカチという音でさえ、走る靴の踵が鳴る音でさえ、汚らしいスラムのどこからか聞こえてくる唸り声や不可解な怪奇音でさえ、きっとプレイヤーの皆様の心に食指を伸ばすはずです。

ヒア・ゼイ・ライ

また、美麗なグラフィックとアクションや探索に全く重きを置かないスタイルのホラーゲームというのは、本作以外にはお目にかかったことがありません。

所々で入手する手紙のようなメモのようなものも、哲学的な文章が並んでいて「意味があるような、ないような」と悩んでしまいます。

実は主人公の心の世界なのではないかとか、元恋人も親友も全て主人公の頭の中の登場人物なだけじゃないかとか、考えればキリがなくて、でもそんなふうに考えるのが楽しくて夢中になります。

答えのないシナリオというのも、たまにはいいなと思いますね。

他ユーザーの感想:ストーリー理解の難易度とホラー作品としての怖さ

他のユーザーの評価としては大きく2通りで、

  • 世界が怖すぎる
  • ストーリーがよく分からない

というもの。実際にSNSを見てみると、

身に迫る怪奇現象や周囲で起きる演出が怖すぎるというものや、


とりあえずクリア自体は難しくないため、攻略したもののストーリーの理解が難しすぎるようです。


VR空間内の世界が独特すぎて、正直心が病んでしまうかも、という程。

体験版もありますので、木になる方は体験版からプレイしてみるのが良いかもしれません。

ゲームの基本情報

最後に、ゲームの基本情報をご紹介します。

タイトル ヒア・ゼイ・ライ™ -眠りし者たち-
プラットフォーム PlayStation4(PlayStationVR専用)
配信日 2016年12月12日
価格 希望小売価格:2160円
→864円に値下げ
発売元 (株)ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ジャンル ホラーアドベンチャー
CERO(対象年齢)
CERO D
 犯罪  セクシャル  暴力
プレイヤー 1人

 

まとめ

謎に包まれたホラーゲーム「Here They Lie -眠りし者たち-」のプレイ感をご紹介しましたが、皆さんはどんな感想をお持ちになったでしょうか?

シナリオの答えが公式からも発表されていないため、これが絶対に正解だ!と言えるものには、プレイして尚辿り着けていない筆者。

折角なのでもう少しやりこんで、全てのメモを集めてみたいなと考えています。

筆者としては本作はホラーという恐怖を楽しむ作品というよりは、別世界や非日常を「自分のペースで楽しんで、自分なりの答えを考える」というアーティスティックな作品だと主張しておきましょう。

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ヒアゼイライ

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