Magic Leap Oneのスペックや仕組み、活用事例を解説!


株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)から、2020年5月以降に「Magic Leap 1(マジックリープワン)」を日本で初めて発売することが公表されました。

感動的とも言えるMR(複合現実)の世界の登場にゲーム業界だけでなく、業務効率化や法人企業向けソリューション開発など、さまざまな業界での活用も期待されています。

今回はそのMagic Leap Oneにフォーカスしてみましょう。

Magic Leapとは

Magic LeapはAR/MRグラスを開発するアメリカのベンチャー企業です。

Magic Leap社が開発するAR(拡張現実)グラスが「Magic Leap 1」であり、Googleやアリババなどから株式により2,600億円以上の資金を集めたことで話題になりました。(クジラの動画で記憶に残る人も多いかと思います)

ちなみにCEOのRony Abovitzは2004年にロボットアームの製造支援プラットフォーム企業を設立し、2013年に1.65億ドルで売却した連続起業家です。

2015年3月に公開されたMagic Leap Oneのコンセプト動画は衝撃的ともいえる先進性があり、400万回以上再生されました。

しかし、この動画が実は特殊効果スタジオで作られた「嘘のムービー」であったことが発覚したのです。

この、虚構とも言えるイメージ動画とモックアップのみで巨額の資金を集めた手法は批判も受け、追い打ちをかけるように同社のバイスプレジデントが女性差別と誇大広告で訴訟を起こしたために大きな問題となっていました。(この訴訟は後に和解しています)

この間にライバル製品であるマイクロソフト社のHoloLensが出荷されたこともあり、無事に製品が出荷されるのか不安視されていましたが、2018年3月には開発用ツールLumin SDKを公開。4月には少数のパートナー向けに開発者版を出荷したと発表されました。

気になる一般向け発売は2018年内予定となっており、まだ購入は出来ないようです。

Magic Leap Oneの仕組み

Magic Leap Oneの製品としての特徴は、一般的なVRゴーグルやHoloLensに比べて小型であり、かつ他のARメガネに比べて「本当に、仮想の物体がそこにあるかのように表示される」という点にあります。

Magic Leap Oneは大きな眼鏡のような形状の「Light wear」とコントローラー、腰などにつるしてLightwearと接続する円盤型のコンピューティング端末「Light pack」で構成されます。

(↑メガネ型の「Light wear」、コントローラー、メガネ端末との接続の役割を持つ「Light pack」)

原理として独自技術「Digital Lightfield」により「人間の脳が、デジタルなオブジェクトを現実世界の物体と同じように、自然に処理出来る」ことを可能にしたと同社は発表しており、HoloLensが実現しているMR(Mixed Reality:複合現実)と似た、拡張現実を提供するものと考えられています。

VRゴーグルと違い、ARやMR用途ですので透過型レンズが左右独立しているために、装着した姿は「トンボのメガネ」のようです。(昆虫的と言われるLeap MotionのNorth Starと似てますね)

価格はまだ発表されていませんが、2018年2月のカンファレンスにおいて「うちのMRヘッドセットは顔に装着するハイエンドPCのようなものだから、価格設定もそうなる」とMagic Leap社のCEOが語っています。

さて、ハイエンドPCと言っても価格にかなり幅がありますが、一体いくら位になるのでしょうか。ハイスペックHMDのHTC Vive proが10万円程の値段となりますので、近しい値段になってきそうですね。

進むNBA(スポーツ業界)での活用

さて、気になる活用ですが2018年2月に行われたCode Media 2018にて、Magic LeapのCEOとNBAの理事は、両社のパートナーシップ締結を発表しました。ついにMagic Leap Oneがお披露目となったのです。

Magic LeapのARデバイスを活用し、プロのバスケットボールを解説や統計情報などをARで重ねながら楽しめる新しいサービスの技術実験を行う予定となっているようです。

リリース時には最近のシーズンの中でピックアップされた試合を選んで鑑賞することができる予定で、好みの選手やチームを選択することもできます。

最終的には、Magic Leap Oneを用いてNBAの試合をライブストリーミングできるようにする計画のようです。

巨大産業であるゲーム領域への進出

また、3月19日に開催された開発者向けカンファレンス「GDC 2018」において、Magic Leap One向けゲーム開発のための「Creator Portal」と「LuminSDK」のテクニカルプレビューを公開したと発表がありました。

サインアップすれば、「Unreal Engine4」と「Unity」のそれぞれのゲームエンジン用テクニカルプレビューがMagic Leap公式サイトからダウンロードできます。チュートリアルや開発向けの文書などは公式の「Developer’s Portal」にて公開されています。

Magic Leap社は専用アプリストア「Magic Leap World」を立ち上げる計画も発表しました。

(↓Magic Leapが初めて社外に公開したサッカーゲームの様子)

(↑まだまだ完成度は低い模様…)

Unreal Engine4(UE4)の公式ブログではMagic Leapへの対応が早速発表され、すでに最新版のUE4には、Magic Leap向けのサンプルプロジェクトや、専用の編集ツールUnreal Editorが含まれています。

なおMagic Leap One のフルサポートは、今夏リリース予定の Unreal Engine 4.20 で搭載されます。

UE4 に備わることになるMagic Leap One のためのサポートには以下の機能がありますが、詳細はまだ明らかになっていません。

・ヘッドトラッキング

・アイトラッキング

・ジェスチャー&ハンドトラッキング

・空間スキャンとメッシュ化

・立体音響

・マイク入力

・6DOFハンドコントローラー(Totem:トーテム)トラッキング

・VulkanとOpenGL対応

・UE4のデスクトップ・モバイル両用フォワードレンダリングパスの使用

さらに3月29日にはMagic Leapの「開発者版デバイス」出荷に関する報道がありました。

報道によれば、Magic Leap Oneの開発者版は少数のコンテンツ開発パートナー企業向けに出荷されたとされ、Magic Leap社の担当者もこの報道を事実と認めています。

ただし、コンテンツパートナーの全リストは公開されておらず、具体的な出荷先などは未だに秘密のベールに包まれたままです。

まとめ

いろいろあったMagic Leap Oneですが、ようやくその姿を現し始めました。

まずはエンターテインメントの世界での利用が見込まれますが、HoloLensの業務利用が進んでいることからMagic Leap Oneも産業界で非常に期待される存在です。

※関連記事)

【MRヘッドセット比較】選び方・おすすめ人気機種3選を解説!

2018年はARメガネが続々と登場する予定であり、労働力不足の日本において業務効率化や、非熟練者/外国人作業者の戦力化にも大きく貢献しそうです。


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