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親必見!子供向けVRアプリや斜視リスクなどの使用時の注意事項


VRブーム到来以来、老若男女問わず幅広い方々がVR技術に触れる機会が増えてきました。

様々なVRゲームやアトラクションなどが展開され、多くの人が刺激的な体験を楽しんでいます。

そんな中、幼い子供がVRを利用する事に対しては、「目や脳の発達」「斜視になりやすいというリスク」「健康面への悪影響」などが指摘されています。

そこで、今回は親として知っておくべき下記についてご紹介します。

  • 健康上のリスクとは具体的にどういったものか
  • 子供がVRを利用するにあたっての注意点
  • 子供に遊ばせるならどんなアプリ・コンテンツがよいのか

保護者としてVRで子供が遊ぶことが心配な方や、遊ばせる場合のコンテンツについてになっている方は是非読んでみてください。

子供にVRで遊ばせる前に知っておこう!斜視などの健康上のリスク面

現在大手の開発元から発売されているVRゴーグル「PSVR」や「Oculus」「Gear VR」などの利用ガイドラインには注意書きとしてそれぞれ「12歳から13歳以下」の幅で利用の制限が記載がされています。

また、VRアトラクションでも「7歳以上」などの基準が設けられている場合がほとんどです。この背景から解説していきましょう。

①目と脳にかなりの負担がかかり、発達への影響が懸念される

上記のような制約の背景としは、「VR映像を立体として視聴するための仕組みが、子供の目や脳機能の発達への悪影響につながるのではないか?」という懸念が関係しているとされています。

本来、人間の目は左右二つの目がそれぞれに映像を捉えてそれを脳内の特定の細胞で組み合わせる事で立体を感じています。

立体視の仕組み

かなりざっくりと言うと、現実の物体を見ている場合、左右の目それぞれに捉える物体への角度や距離のズレが生じるます。

その差を脳内でリアルタイムに計算する事で、物体を立体的に認識する事が可能になるというイメージです。

片目をつぶって物を見るとうまく距離感が掴めないのは、通常両目から周囲の物体の3D情報をインプットしている為です。

VR仕組み

(引用:ELECOM公式サイト

VRゴーグルや3Dメガネは、その人間の目が立体を感じる仕組みを利用して、人為的に左右の目が捉える映像の差を作る事で擬似的な立体感を生み出しているのです。

※関連記事 ) VRの仕組み~360°の立体映像が見える理由を分かりやすく解説!

このようにVRゴーグルなどを利用して映像を視聴する場合、通常の見え方とは違う方法で映像を捉えているので、目と脳にかなりの負担がかかります。

大人でもVR映像を長時間見ているとかなりの疲労を感じますが、脳や目が発達段階にある子供がVR映像を長時間視聴した場合、その発達に重大な影響を及ぼす可能性が高いと言われています。

実例としては、3D映像を長時間見続けた4歳11ヶ月の子供が、急性内斜視となってしまい、手術をするまで3ヶ月もの間それが治らなかったという事例もあるそうです。

②VRゴーグルは大人の瞳孔間距離をもとに開発されているから

もう一つ重大な理由としてあげられるのが瞳孔間距離の問題です。

瞳孔

「瞳孔間距離」とは左右の目の黒目と黒目の距離の事を指します。

成長段階にある子供は、頭蓋骨の大きさの関係からこの距離が大人に比べて小さく、成長するにつれてこの距離がだんだんと離れていく事はイメージ出来ると思います。

現在製品化されているVRゴーグルは大人の瞳孔間距離に合わせて設計されています。大人サイズでの調節は可能となっていますが、子供向けのサイズへの調節はできません。

瞳孔間距離が合わない状態で、瞳孔間距離が発達途中の子供がVRゴーグルや3Dメガネを利用し続けると、空間認知能力に悪影響を与えたり、斜視になるリスクも大人よりも大きいとされています。

※関連記事 ) 斜視リスクを回避するために瞳孔間距離の調整を!

VRで遊ぶのに注意が必要な「子供」は何歳まで?

このように低年齢での利用は危険とされるVRゴーグルやVRアトラクションですが、どれくらいの年齢になれば大丈夫だと言えるのでしょうか?

立体視の発達は6歳までが目安

VR子供

まず脳機能の発達への悪影響と言う面ですが、脳内で左右の目から得た映像を立体的に認識するために必要な細胞「立体視細胞」は6歳くらいまでの間に発達するとされています。

この発達が終わってしまえば、VRを視聴する事で生じるとされる脳への悪影響は出ないとされています。

瞳孔間距離は10歳頃まで発達する

さらに、瞳孔間距離で生じるとされる問題に関しては、瞳孔間距離の成長は大体10歳までに完了するとされています。

発達が終わった段階であれば、VR機器による瞳孔間距離の適切な調節を行う事で、問題は生じないとされます。

これらの条件から、VRゴーグルの利用に関しての基準「12歳から13歳以上」やアトラクションでのVR体験の基準「7歳」といった基準がそれぞれ設定されているのだと思われます。

ここまで紹介した情報はあくまでも仮説であって、必ず悪影響が出ると証明されたものではありません。ただし、VR技術は子供が長時間使用した実例がまだ少ない技術のためどんな影響が出るのか未知数である事は確かです。

例え短時間の視聴であっても何か悪影響が出てからでは遅いので、子供がVRを利用する事に関しては慎重過ぎるくらいで丁度良いでしょう。

技術の発達や十分なデータが集まる事で、子供向けに調整されたVRゴーグルや技術が開発される可能性が高いですが、現時点においては、大人の責任として幼い子供がVR機器を利用する事は控えた方が良いでしょう。

VR体験施設で遊ばせるのは大丈夫なのか

VR子供

現在、様々なVRアトラクションを全国の体験施設で遊ぶことができますが、これらの安全性についてはどうなっているのでしょうか。

ゲームセンターで遊べるVRゲームの筐体やVR ZONE、SKY CIRCUS サンシャインなどの大型体験施設で遊べるVRアトラクションでは、それぞれに年齢制限が設けられています。

「VR ZONE」や「SKY CIRCUS サンシャインなどのVRアトラクションは、

  • 原則7歳未満は利用不可
  • 7歳以上13歳未満の子供は保護者の同意が必要

になっています。

また、内容が過激だったりするアトラクションでは、それより上の年齢制限が設けられているものもあります。

VR子供向け施設が誕生

この点に関連する事として、グリー株式会社と株式会社イオンファンタジーが子供向けに開発したVRゲームをアミューズメント施設「モーリーファンタジー」を全国300店舗にて展開しています。

こちらのゲームは子供への悪影響が出にくい単眼型のVRヘッドセットを使用する事で年齢制限を「3歳以上」まで引き下げており、小さな子供でも遊ぶ事が出来るようになっています。

VR体験はとても刺激的で楽しく、子供の想像力を育めるような良い面もたくさんあると思うので、こういった試みは一人の親としては大変素晴らしく感じます。

子供向けVRアプリ・コンテンツ2選

最後に、VRの良い面にも目を向けるという事も兼ねて、創造性を引き出すきっかけになるような、子供の教育に良さそうなVRアプリを紹介したいと思います。

子供の創造性を引き出す!3D空間お絵かきアプリ【Tilt Brush】

Googleが開発した「Tilt brush」はVRで3次元空間に絵を描くという全く新しい発想で開発されたアプリです。

VRゴーグルを装着し、空間そのものをキャンバスとして空間そのものに絵を描く事ができます。

Tilt Brushの注目されているポイントとしては、

  1. 誰でも簡単に3D空間にお絵かきできる
  2. 3Dの作品ならではのグラフィックになる

の2点になります。

Tilt Brushであれば、VR空間=3D空間の中に入って絵を書けるため、自分の書いたものを360度どの方向からも見ることができます。

VR空間での立体お絵かきは、これまで2次元を基準に物事を捉えていた感覚が根本から崩されて、脳の新しい領域が刺激されるような感覚が味わえます。

「tilt brush gif」の画像検索結果

そして、直感的なお絵かきをしても3Dならではの美しいグラフィックは視覚的にも非常に良い刺激になるでしょう。

VRではお絵かきに限らず、あらゆる分野で自由な体験を可能にします。

もしこの様な自由な体験が子供の頃から可能となれば、これまでとは全く違う新しい発想を獲得するきっかけになるのではないかと感じます。

このアプリはヘッドマウントディスプレイが必須である為、現時点では13歳以下の子供が利用する事はお勧めできませんが、今後の技術進歩で子供に悪影響がないと証明されたHMDが開発されたら真っ先に体験させたいアプリです。

※Tilt Brushの詳細情報 ) クリエイター必見!Tilt Brushの使い方、評判、作品集を紹介

あらゆる場所への疑似トリップ!【 KoKaこどもVR 子供の科学シリーズ】

また、VRでは本来行けない場所へ行く事を疑似体験できる事も子供の創造性を育てる事に繋がりそうです。

雑誌「子供の科学」ではVRに力を入れており、2018年8月号ではオリジナルVRゴーグル「KoKa VR ゴーグル」が付録になりました。

スマートフォンと組み合わせる事で「人体の内部」や「火星旅行」といった子供の好奇心を刺激するVR体験ができます。

本来人が簡単にはいけない世界を冒険するというのは多くの人が子供の頃に夢見た事かと思います。

それを叶える事ができるVR体験は、やはり子供の発想をより自由にしてくれそうです。

KoKaこどもVR では他にも

  • チリ・アタカマ砂漠のアルマ望遠鏡で星座を見る
  • 生き物の体内に潜入:アカハライモリ・ニホンヤモリの体内中
  • 深海VR

など面白いコンテンツが数多く制作されてきました。

子供の知的な興味を注ぎ、勉強もかねて遊ぶことができる素晴らしいコンテンツなので、お子さんがいる方は要チェックです。

※こちらのVRゴーグルは7歳以上が対象年齢として設定されています。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は、親として知っておくべき子供のVR体験への注意点や、VRアトラクションの安全性などについて解説しました。

VRはまだ新しい技術という事もあり、幼い子供が使用する事でどんな影響が出るのか未知数であると言えます。この事から現時点での子供のVR利用に関しては慎重に考え過ぎるくらいでちょうど良いと言えそうです。

ただし、VR体験はとても刺激的で子供の想像力や創造性を刺激するような良い面は計り知れない為、今後の技術の進歩や十分なデータが集まる事で、子供が安全にVR体験できる環境が整えられる事が期待されます。

今後の子供向けVR技術の発展に注目していきましょう。


VR子供

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