【Android・iPhoneで利用できる】VRブラウザ・サービス3選


VRブラウザ(Web VR)はブラウザで観覧可能なWebページにVRを対応させた、VRコンテンツです。

今までのVRコンテンツは専用アプリで利用するのが一般的で、どちらかというとヘビーユーザーに注目されるデジタルコンテンツでした。

しかしVRブラウザは従来のインターネットブラウザをベースとしているため、より幅広い層のインターネットユーザーに、気軽にWebページにアクセスする感覚でVRコンテンツを提供できるようになりました。

今回はそんなVRブラウザのユーザー及び開発者・ビジネス側のメリットを解説した上で、VRブラウザを利用できるAndroid及びiPhone向けのサービスを動画を交えてご紹介します。

VRブラウザ(WebVR)概要 – 従来のVRと体験との違い

VRブラウザって?

VRブラウザ(WebVR)とは「WebブラウザをVRで利用すること」を指します。

ブラウザとはインターネット上のサイトを観覧するためのAPIの総称で、ブラウザ上でのVR体験が可能であることが通常のブラウザとの違いになります。

※ブラウザ例:

  • Google Chrome
  • IEinternet Explorer)
  • Firefox
  • Safari

WebVR(ブラウザ上でのVR体験)と従来のVR体験の違い

従来、VRコンテンツを利用する際には

  1. 専用のヘッドセットを装着
  2. VRに対応したアプリケーションを起動させる

という方法が一般的でした。

この方法では「異なる二つ以上のVRアプリを同時に起動させる」ことや、「異なるヘッドセットで同じアプリを同時に起動する」ということができませんでした。

以上のことから、良くも悪くもVRはヘビーユーザーが関心を寄せる次世代のデジタルコンテンツ、といった位置づけでした。

VRブラウザは、文字通りブラウザ上でVRを起動させることで、VRコンテンツの入手から起動・体験まで全てブラウザ上で行うことが可能です(VR空間に対応したブラウザになっている、ということです)。

この仕組みとしては

  1. 開発者側がVRに対応したWebサイトを制作
  2. Web上VR対応サイトを公開
  3. ユーザーはVRに対応したブラウザとVR用のヘッドセットを用意し
  4. ユーザーがVR対応のサイトにアクセスする

になります。

※現在のVR対応ブラウザ:Fire Fox / Google chrome

上記でも解説したように従来のVRは専用のアプリなどをダウンロードする必要がありましたが、VRブラウザの場合はVR対応サイトにアクセスするだけで利用可能ですので、基本的には必要情報はURLのみになります。

※参考記事(WebVR及びVRブラウザの概要・コンテンツの作成方法)

Web VRとは?導入メリットや実装方法、サンプル集を紹介

【3つの視点から考察】VRブラウザのメリット

ユーザーのメリット:VR体験のハードルを下げる

VRブラウザの最大のメリットはVRを気軽に体験できる点でしょう。

上記でも簡単に解説しましたが、従来のVRはデジタルコンテンツの中でもハイエンドな部類にあり、どちらかというとパソコンやテレビゲームのヘビーユーザーが好むコンテンツでした。

この点が、VRをなかなか普及できない要因にもなっていたのですが、ブラウザで気軽にVRが体験できるようになれば、VRが幅広いユーザーにとって身近な存在となり得ます。

開発側のメリット:汎用的なコンテンツ開発によりコストが下がる

VRは家庭用ゲーム機やスマホ、など様々なプラットフォームで開発されていますが、通常VRコンテンツを開発する場合はプラットフォームに合わせた開発言語をベースに制作することになります。

例えば、Android専用のVRコンテンツを制作する場合は「java言語」を使って開発します。そのVRコンテンツをiOSに移植する場合、移植作業の手間が非常に掛ります。

しかし、VRブラウザ上のVRコンテンツの場合は基本的に各種ブラウザで開くことができる「Webサイト」の開発になります。

つまり従来のVRコンテンツ開発と比べるとプラットフォームの垣根を超えて開発が可能であり、開発者にとってはとても開発しやすい環境といえます。

(例えば、「Google Chromeでは観覧可能でFire Foxでは観覧不可能なサイト」は存在しません)

ビジネス的なメリット:従来のインターネット産業に参入しやすい

基本的にVRブラウザは専用のVRヘッドセットがあれば、アクセス可能です。

URLさえあればVRブラウザ上でアクセス可能ですので、SNSなどで拡散することも容易で、「アクセス数を増やして検索上位を目指し、広告による収益を得る」という従来のWebサイト産業に参入することも十分可能なのです。

VRのブラウザが使えるアプリ・サービス3選

VRブラウザはPCで利用する場合、Mozilla社が提供する「fire Fox」とGoogleが提供する「Google chrome」が対応しています。

そのためどちらかのブラウザをダウンロードし、VR用のヘッドセットがあればVRに対応したWebサイトでVRブラウザを利用することが可能です。

Androidユーザー向け:Googleが提供するVRプラットフォーム「Daydream」

Google社がchromeでのVRブラウザの対応を発表したのは20166月のことでした。

当初は専用アプリが必要な状況でしたが、2017年の2月にGoogleはAndroid用のchromeにVRブラウザを正式対応させました。このときのVR対応のプラットフォームが「Daydream」です。

AndroidでのVRブラウザの使い方

Daydream」はスマホ端末にアプリとしてダウンロードし、対応するヘッドセットを使って利用します。

※注意:「Daydream」は次世代Android OSの「Android 7.1 Nougat(以下、Android N)」に組み込まれたプラットフォームになります。よってAndroid Nをサポートしている比較的新しい他スマホ端末でないと動作しません。

  1. Android Nを搭載したスマホ端末をスマホVR用のヘッドセットを差し込む
  2. Daydream」を起動
  3. VRモードでスマホを操作可能に(その際のブラウジングは必然的にVRブラウザとなります)。

Android Nで「Daydream」を起動させればWebサイト観覧やYouTubeの視聴、ストリートビュー、などのお馴染みのアプリがVRで利用可能になります。

現在はスマホなどのOSを必要とせず、ヘッドセット単体でDay dreamを起動できるスタンドアローン型(一体型)のヘッドセットもリリースされています。

※Google VR/ヘッドセット「Daydream view」の詳細はこちら

Daydream View・Cardboardのスペック/使い方/お勧めアプリを解説!

こちらのヘッドセットは無線WiFiに接続することでVRブラウザが可能になります。

Android用VR(アプリ)は250以上!

201712月の段階で「Daydream」に対応したコンテンツ(アプリ)は250を超えています。

例えば月額で利用できる動画配信サイトで有名な「Hulu」、「ネットフリックス」なども対応しており、VRで視聴可能です。さらに大手のゲームメーカーも「Daydream」をプラットフォームとしたVR対応のゲームを多数リリースしています。

以上のことから、VRブラウザを気軽に体験するのには「Daydream」はがおすすめの存在です。

iPhone/Android対応:ソーシャルVR・プラットフォーム:Hubs

https://blog.mozilla.org/blog/2018/04/26/enabling-social-experiences-using-mixed-reality-and-the-open-web/

FireFoxでお馴染みのMozilla社が提供するソーシャルVRのプラットフォーム「Hubs」は、VR上でアバターを作成し、ユーザー同士でコミュニケーションが可能です

ソーシャルVRとは、ソーシャルネットワークのようにユーザー同士のコミュニケーションを主体としたVRコンテンツの総称です。

Hubs」はブラウザベースで開発されているためGoogle ChromeFire FoxなどのVR対応のブラウザでアクセスして気軽に利用可能です。

スマホOSであるAndroidiOSFireFoxGoogle Chromeにも対応しているため、iPhoneを始めとする多くのスマホ端末で利用することが可能です。

Oculus Rift・HTC Vive対応・完全VRブラウザSupermedium

2018年7月に110万ドル資金調達し話題になった、完全WebVRブラウザ・Supermedium。開発メンバーの中にはMozilla(Firefox)のVRチームの初期のメンバーも入っています。

SupermediumはOculus RiftやHTC Viveに対応したVRヘッドセット専用ブラウザで、公式ページにアクセスすればVRコンテンツを体験することができます。

ユーザーにとっては、各コンテンツを逐一インストール必要がない点やコンテンツのクオリティ・没入感が高い点が非常に嬉しいポイント。

また開発側としては、JavaScriptやWebGLといった既存の言語を使い開発が可能ということで、制作ハードルが低い点が利用メリットになります。

主なコンテンツとしては、音楽系作品やゲーム・アート作品、WEBメディアなど幅広く揃っています。

現在はプロダクトの品質という観点から、主にPC向けヘッドセットメインで拡大していくものの、今後の展望としてはスマートフォン・Santa Cruz(一体型VRヘッドセット/Oculus)への対応も考えているとのことです。

まとめ

VRブラウザ(Web VR)は、インターネットサイトを観覧するためのブラウザをベースとしたVRコンテンツです。

例えばVRプラットフォームである「Daydream」を利用することで、スマホのOS自体VRモードにすればVRブラウザの利用が可能になります。

すでにPC用のブラウザであるGoogle chromefire FoxVRブラウザに正式対応しているため、VRヘッドセットがあればVRに対応したサイトにアクセスすることで気軽にVRコンテンツを体験することもできます。

VRブラウザは今までヘビーユーザー向けのデジタルコンテンツだったVRを、幅広いユーザーに普及させる契機となるでしょう。


webvr

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