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VR業界の風雲児、Oculus創業者パルマーラッキーの素顔に迫る!


2016年に発売され、現在のVRブームの火付け役となった「Oculus Rift」。

そのプロトタイプを10代で開発したVR界の風雲児パルマー・ラッキー、今回はパルマー・ラッキーの輝かしい経歴を追うと共にその魅力的な素顔に迫ります。

VRオタクだったパルマー・ラッキーがOculusを開発するまで

パルマー・ラッキー氏は1992年生まれ、アメリカカリフォルニア州で生まれ育ち、10代の頃SFの世界に強い興味を抱き映画では「マトリックス」や「バーチャル・ウォーズ」日本のアニメでは「.hack」「攻殻機動隊」などヴァーチャルな世界をテーマにした映像作品を暇さえあれば視聴している少年だったそうです。

彼の興味は作品を視聴するだけでは収まらず深くVRの世界にはまり込んで行きます。

(17歳時のパルマー・ラッキー)

ラッキー氏が10代半ばになる頃は、90年代に巻き起こった第一次VRブーム終息から10年以上が経過し、オンラインショップを利用すれば古くなったVR機器が格安で購入できました。

ラッキー氏はネットを駆使してVR機器を買い集めます。購入資金は故障したiPhoneを買い集めて、独習した電子工学の知識を駆使してそれを修理し転売して集めたのだそうです。

(パルマーラッキーの師匠ともいうべきマークボラス教授)

ラッキー氏は買い集めたジャンク品や古くなったVR機器を分解して、新しい何かを作り出します。

最初は訳の分からないものだった”発明品”が次第にまともな形をとり始め、2009年16歳でカリフォルニア州立大学へ編入すると「Oculus Rift」の原型となるVRゴーグルの試作機の開発を開始しています。

その傍ら、南カリフォルニア大学の教授でVRの先駆者マーク・ボラス氏の研究室でアルバイトし、その知識と技術を吸収し自分の作品へと反映させていったようです。

2012年4月19歳になっていたラッキー氏は「Oculus Rift」のプロトタイプとなる試作6号機を完成させます。彼はこれに”現実世界と仮想世界の”間にある断層という意味を込めて「Rift」と命名します。

その年の7月クラウドゲーミングサービスを提供する゙会社「ガイカイ」のCPOブレンダン・アイリフ氏が「Rift」のデモを見て出資を申し入れ、それを資本金にOculus VR社が設立されます。

(Oculus VR設立メンバー:左から、パルマーラッキー、ネイトミッチェル、ブレンダンアイリフ)

さらに、2012年8月クラウドファンディングサイトKickStarterで資金を募り一ヶ月足らずで240万ドルを調達、13年9月にはベンチャー投資会社アンドリーセン・ホロウィッツが7,500万ドルの増資を主導しOculus VR社は潤沢な資金を調達します。

当時若干21歳の若者が開発したVRゴーグル技術にこれだけの価値をベンチャーキャピタルが付けたことに世間が驚く中、さらなる大物がラッキー氏にコンタクトを取りました。2014年1月FacebookのCEOマークザッカーバーグ氏がOculus VR社の買収を申し入れたのです。

(マークザッカーバーグとパルマーラッキー)

2016年についに「Oculus RIft」の製品版が発売開始、第二次VRブームが幕を開けます。

小さなガレージで個人的にVR機器を買い集め、映画やアニメでのバーチャルリアリティの世界を夢見ながら改造を繰り返していた少年はOculus Riftの原型を構想してからわずか7年ほどでシリコンバレーの成功者へと上り詰めました。

Oculus VR社を退社

若くして成功を収めたパルマーラッキー氏でしたが、経営の道には全く興味がないらしく2017年にFacebookとOculus VRを退社しています。

Oculus社から離れた今もVRへの情熱は衰えていないらしく、自身のTwitterで発売されたばかりのOculus GOを分解した画像を公開していました。自分が離れた後の新製品の中身が気になったんでしょうね。

実はアニメオタク?来日時のコスプレ姿が話題に?

そんな、超天才にして、筋金入りのVRオタクのパルマー・ラッキー氏ですが、実はかなりの日本のアニメオタクでもあった事が発覚し話題になっています。2017年5月に来日したラッキー氏は徳島市内で開催されたアニメイベント「マチ アソビ」に参加、かなり衝撃的なコスプレ姿を披露しています。

このイベントではゲーム「メタルギアソリッドV」のキャラクター「クワイエット」のコスプレで周囲をざわつかせていました。隣にいるのは2009年から交際しているコスプレイヤーの彼女さんだそうです。

Re:ZEROのレムが好きすぎて資金援助を申し入れる

続いて、まずは上記のラッキーさん本人のツイートをご覧ください。

Re:ZERO(リゼロ)のレムのIFストーリーのアニメ化に資金を援助したいんだけど、誰に話をすればいいのかな?僕の人生にはもっとレムが必要なんだ」とツイートされています。

そして、これです。パルマー・ラッキー氏は総資産7億ドル(780億円)だそうで、リゼロの運営会社からしたら絶大なパトロンが出現したことになりますね。

あまり本記事の内容と関係ないですが、一応レムとVRで会えるコンンツも紹介しておきますね→【VRでレムと異世界生活 徹底レビュー】リゼロの世界にダイブしよう!

最新インタビュー記事で分かる彼の動向や思想

パルマー・ラッキー氏のなかなか衝撃的なコスプレ姿に日本のアニメやゲームへの愛がひしひしと伝わってきますが、もう一度VRの世界へ話を戻したいと思います。

最近のラッキー氏の様子を把握するために、直近の関連記事を簡単にまとめていきます。

新会社Anduril Industriesで防衛技術を開発

2017年にFacebookとOculus社を退社したパルマー・ラッキー氏でしたが、2018年6月に公開された米メディアWIREDの取材記事によると現在は、新たに設立した新会社「Anduril Industries社」で、VR技術を駆使した防衛テクノロジーの開発に取り組んでいるとの事。

上記画像は開発中の自律走行する消化ロボットで人間がVRを駆使して遠隔操作可能。

さらに、詳しくは公表されていませんが、現場の兵士向けのARHMD(ヘッドマウントディスプレイ)も開発中との事でした。

自身のブログにてMagic Leap Oneを酷評

また、直近の2018年8月27日には自身のブログにて、発売されたばかりのARゴーグルMagic Leap Oneを酷評しています。(酷評しているブログ記事はこちら

ラッキー氏はブログ記事でかなり詳細にMagic Leap Oneをこき下ろしていますが、大まかに以下の3点を批判しています。

  • コントローラのトラッキング性能が悪い
  • ディスプレイの性能が事前の公表よりも悪い
  • ヘッドセットのトラッキング性能がHoloLensより劣る

パルマー・ラッキー氏はVR・AR業界において多大な影響力を持っているので、このブログのレビュー記事はMagic Leap Oneにとってはかなりの痛手となりそうですが、このレビューをラッキー氏がブログ投稿した理由は、VR・AR業界の未来を想ってという事です。

Magic Leap One発売前の誇大な広告を批判しつつ「私は最高のVR技術を求めている」と綴っています。

関連記事)ついにベールを脱いだMagic Leap Oneの性能やスペックを解説!

この酷評記事掲載の伏線としては、Magic LeapのCEOが、発売までの数年間にわたって既存のVR技術をこき下ろしていた事が背景にあったようです。

パルマー・ラッキー氏としては、自身が切り開いたVRの黎明期にビジネスにおける駆け引きで水を差されたくなかったのかも知れませんね。

まとめ

今回はVR業界の風雲児パルマー・ラッキー氏について書いてきました。

彼は10代の多感な時期に自らの工房としたガレージでVRの世界にはまり込み、ひたすらそれを追求し続けた結果、ついには長らく停滞していたVRの世界にパラダイムシフトをもたらしてくれたVR業界の救世主です。

大成功を収めた現在でもその情熱はまったく衰えておらず、新しい何かを求め、自らもエンジニアとして開発を続けています。この若き天才が次にどんな世界を見せてくれるのか楽しみに待ちたいと思います。

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