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【メタバース活用事例8選】歴史や定義・NFT/Web3との関係を解説!


最近にわかに注目を集めている「メタバース」という単語。

しかしメタバースの定義や実態、実際にどのように社会実装されていくのか等、まだまだ不明瞭な点が多いのが実態です。

そこでこの記事では、

  • メタバースの定義
  • メタバースの発展の歴史
  • メタバースにおける国内外の主要プレイヤー
  • メタバースの活用事例
  • メタバースと「NFT」「Web3」との関係性

などを深掘りして解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

国内におけるメタバースの市況感

乱立する国内のメタバース協会は「市場が有望」な証左?

2022年は後年「メタバース元年」と呼ばれるかもしれません。

その理由として、4月18日に養老孟司氏が代表理事を務める「メタバース推進協議会」が発足され、大々的なニュースとなりました。

このほかにも

・SBIホールディングスが主導し、日本マイクロソフトや電通グループ、ソフトバンク、野村ホールディングスなどが参加する「日本デジタル空間経済連盟」

・パナソニックやKDDIが中心となる「一般社団法人メタバースジャパン」

・さらに2021年12月に設立された「一般社団法人日本メタバース協会」

など、主なところだけでもメタバースに関する団体が4つも設立されました。

「メタバース」の検索トレンドの推移。2021年1月を境に検索数が急増。

団体については正直、乱立の様相を呈していますが、これはやはり今後メタバースが非常に大きな産業・マーケットになることを見越しての動きでしょう。

メタバースとは何か?その定義について

どうして今、これほどまでにメタバースが脚光を浴びているのでしょうか?

そのことを調べる前に、そもそもメタバースがどういうものかについて理解しておきましょう。

「メタバース(Metaverse)」は、「Meta(超越した)」と「Universe(宇宙)」を組み合わせた造語で、「他者と共有体験できるオンライン上の3D仮想空間」を指しています。

米国の著名投資家であるMatthew Ball氏が2020年に同氏のブログで語ったメタバースの定義が分かりやすいのですが、同氏によれば、メタバースには以下の7つの要件があるとしています。

<メタバースの7つの要件>

  1. Persistent(永続的である)
  2. Synchronous and live(同時体験&リアルタイムのライブ性)
  3. No cap to concurrent participants(参加人数が無制限)
  4. Fully functioning economy(参加者によるモノの制作・保有・投資・売買などが可能)
  5. Both digital & physical worlds(デジタルと物理、両方の世界にまたがる)
  6. Unprecedented interoperability(今までにない相互運用性)
  7. Wide range of contributors(数多くの企業/個人がコンテンツや体験を供給する)

これらのイメージとして分かりやすいのは、映画「レディ・プレイヤー1」で示された世界です。

主人公や他の参加者たちは、グレガリアス社が創造した仮想世界「オアシス」で宝探しを行いますが、同世界内では自由にアイテムを売買したり、独自の経済圏を作り上げています。

また仮想空間上で他ユーザーとの交流を楽しむという定義で言えば、任天堂の大人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」やEpic Gameが提供する「Fortnite」も、メタバースの一種と言えます。

メタバースという言葉のしっかりとした定義はまだありませんが、「アバター等を使い、他者と自由にコミュニケーションが取れる3Dの仮想空間」と理解しておけば、大まかに間違いありません。

VRとメタバースの違い = VRはメタバースの体験を向上させるが、必須ではない。

3Dの仮想空間にアバターを用いてアクセスするというと、VRをまず思い浮かべる人も多いかもしれません。

しかし、VRとメタバースは微妙に意味合いが異なります。

先ほど「どうぶつの森」や「Fornite」がメタバースの一種だと説明しましたが、これらのゲームはVRデバイスがなくても参加できます

もちろん、VRゴーグルを利用してメタバースに参加することは可能ですし、VRの方が没入感は増しますが、メタバースに参加するのにVRゴーグルは必須ではなく、PCやSwithでも可能です。

つまり、VRは「メタバースを最大限に楽しむために最適ではありつつも、必須ではないテクノロジー」という位置付けになります。

メタバースの歴史について – メタバースの原点は小説

メタバースという言葉が最初に登場したのはちょうど30年前、1992年に発表されたSF小説「スノウ・クラッシュ」でのことです。

スノウ・クラッシュで描かれたメタバースは、全周65kmの惑星に作られた巨大都市。

「衰退したアメリカ」という現実世界から逃避した多くの人々が、この仮想空間で主に活動をしていました。

主人公のヒロや他の登場人物たちは、ゴーグルや携帯端末を通してメタバースに接続し、アバターを介してその仮想世界に関わっていきます。

つまり、この時点で現在のメタバースの原型がすでに示されているのです。

スノウ・クラッシュはGoogleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、Oculus創業者のパルマー・ラッキーなどにも多大な影響を及ぼしました

まさにこのスノウ・クラッシュこそが、メタバースの原点なのです。

日本では長年絶版となっていましたが、最近文庫版が復刊されました。ぜひこの機会に手に取られてみてください。

メタバースの初期サービス「Second Life」の登場と凋落

スノウ・クラッシュでその概念が示されたメタバース。

それが実際の形となって世の中に現れたのは、2003年にアメリカのLinden Lab社が発表した「セカンドライフ(Second Life)」です。

セカンドライフでは、ユーザーは自分で作成したアバターを操作して3Dの仮想空間内を自由に行動できます。

他プレイヤーとの交流や、セカンドライフ内で流通している貨幣「リンデンドル」(リアルマネーにも換金可能)を介しての売買など、現在考えられているメタバースの要素がほぼ実装されています。

このように、非常に先進的なアイディアを実現させた本サービスは、アメリカを中心に爆発的な人気を博しますが、わずか1年余りで急速なユーザー離れに直面することになります

この凋落の原因として、以下2つの理由が挙げられています。

  • 技術水準の低さによるユーザーエクスペリエンスの低下。
  • リンデンドル(通貨)の急激なインフレ

セカンドライフが発表された当時はPCやネット環境が今よりも未熟で、同時接続できるユーザーの数が制限されていました。

そのため広大な世界の割にはプレイヤーの数が常に乏しく、「不特定多数のユーザーと世界を共有する」というメタバースのユーザー体験を実現できなかったのです。

その上、急激なユーザー増によってセカンドライフの貨幣であるリンデンドルの通貨量も激増。

結果として通過のインフレを招いてしまい、ビジネス目的のセカンドライフユーザー離れも引き起こしてしまったのです。

2021年頃から始まった「技術の進化」と「コロナ」という追い風

しかし、2021年を迎えてこうした問題は解決されたように見受けられます。

PCなどスマホのデバイス進化や5Gの普及、そしてSNSなどの活用によって、仮想世界を創り上げるための技術的インフラが整ってきました。

また2年以上続いたコロナ禍による巣ごもり生活も結果的に仮想空間のニーズを喚起するものとなりました。

リアル世界でソーシャルディスタンスを強いられる中、自由に他者とコミュニケーションが図れるメタバースの必要性や価値が急速に高まっていったのです。

外資系コンサル・投資銀行が示唆するメタバースの市場ポテンシャル

実際にメタバースにはどれほどのポテンシャルが秘められているのでしょうか?

世界120以上の国の企業を顧客として持つ、総合コンサルティング会社の「アクセンチュア」は最近、世界のテクノロジートレンドに関する調査レポート「Accenture Technology Vision 2022(アクセンチュア・テクノロジー・ビジョン)」を発表しました。

本調査によると、デジタル化が進んだ近年の社会では、メタバースがビジネスや組織運営、またカスタマーコミュニケーションなどに大きな影響を与えるようになるとされています。

アクセンチュアのCTO兼CIOのポール・ドーアティは、「メタバースの勃興により、かつてない規模でのデジタルトランスフォーメーションの流れが加速する。それによって私たちの生活や働き方は大きく変化するだろう」と述べています。

また、アクセンチュアの調査に協力した企業の多くが、「メタバースは自社にポジティブな影響を及ぼす、革新的な技術となる得る」と答えたそうです。

ゴールドマンサックスも太鼓判を押す「メタバースの未来」

またアメリカの投資銀行「ゴールドマン・サックス」の予測によると、メタバースの市場規模は8兆ドル(約1,020兆円)という途方もない規模になるとのこと。

これは同社だけの突飛な予測ではなく、実際に世界の主要企業の多くがメタバース市場に多額の投資を行い始めていることから現実味のある試算であると考えられています。

この記事の冒頭で述べた日本でのメタバース関連団体の乱立も、近い将来起きるであろう、メタバースの利権争いと決して無関係ではないでしょう。

メタバースと小売・EC業界が急接近している背景

またメタバースの市場予測を語る上で、もっとも外せない業界になっているのが小売・EC業界です。

NIKEやGUCCI、FOEVER21、ラルフローレンなど、世界のグローバルハイブランドがこぞってメタバースに参入を発表しています。

こうした事実から明らかなのは、ファッションブランドにとってメタバースは非常に魅力的なテクノロジーであるということです。

その背景を少しだけ解説します。

背景1,バーチャルストア・メタバースECは「実店舗とECの中間」にあたる優れた体験を提供できる、若い世代へのマーケティング施策。

現実には存在しないH &Mバーチャルショップ

バーチャルストアは店舗空間を3Dで設計・モデリングし、インターネット上で公開することで、誰でもオンライン上で来店可能な状態することを指します。

スタッフはアバターを介してユーザーとコミュニケーションを取ることもでき、あたかも実際の店舗・ショールームに来店したかのような体験を、ユーザーに提供することができます。

BEAMSがオープンしたバーチャルストアにはアバタースタッフが常駐。リアルタイムで接客してくれる。

普段からゲームを通じた3D空間の行動に慣れたZ世代や若い子供たちにとって、このような購買体験は既存のECよりもはるかに優れており、より人間味のある体験に映ります。

このように既存ECでは実現できない、優れた体験性が昨今GUCCIやNIKEなどの大手ブランドが、こぞってバーチャルストアを開設するトレンドの背景です。

背景2,「ゲームが購買の入り口」になっていくトレンドへの適応。

既存のメタバースサービスの代表的な例としては

などが挙げられます。

上記のメタバースに出店する理由は、サービス上に多くのユーザーが日常的に滞在しており、当該メタバース上に出店することで、ユーザーが店舗に来店してくることを期待できるからです。

これは楽天・Amazonのようなプラットフォームの集客機能がゲームの世界に移行していることが背景にあります。

(※参考:Fortiteのアクティブユーザーは1億2000万人、Robloxのアクティブユーザーは1億人)

また、ユーザー間の交流(マルチプレイ機能)・通話機能が既存のメタバースサービスにデフォルトで搭載されている場合は、コストをかけることなく、すぐにバーチャルストアをオープンすることができるのもブランドにとって魅力的な点なのです。

EC・小売業界とメタバースの関係についてもっと知りたい方はこちら→【EC担当必見】メタバースEC事例8選|バーチャル小売店舗の作り方・費用を解説

XR-Hubはメタバースに関する事業コンサルティング・開発を承っています。

ここまでメタバースに関する概要や市場の状況を紹介してきましたが、本メディア「XR-Hub」を運営元する株式会社x gardenはメタバースの事業活用やサービス開発制作のご相談を初回無料で承っています。

国内最大手の通信会社や業界No.1インテリアメーカーを始めとした様々な開発実績があり、豊富なクリエイターのアサインが可能ですので、

  • メタバースを活用してみたいが、進め方を相談したい。
  • メタバースの開発を要件定義から頼みたい。
  • 自社と相性の良いメタバースの技術を目利きしてほしい。

こんなニーズがある企業担当者の方には、初回無料でXRの事業創造コンサルティングを行なっております。

もし「話だけでも聞いてみたい」と興味がありましたらこちらからお問い合わせください。

国内のメタバース事例

それではここからは、実際のメタバースの活用事例を見てきましょう。

まずは、日本国内の事例です。

国内メタバース事例:クラスター

2016年にクラスター社がリリースした「cluster(クラスター)」は、PC、VR、スマホで利用できるメタバース・プラットフォームです。

クラスターが目指すのは、「最も敷居の低いメタバース」です。

VRデバイスだけでなく、スマホユーザーでも手軽にメタバースを楽しめるのが特徴となっています。

3Dブロックで構成されたクラスターの世界の中では、プログラミングなどの専門的な知識がなくても、提供される104個のアイテムを自由に組み合わせることによって、自由にメタバース空間を創造することができます。

自分の作成したワールドにフレンドを招待したり、ワールド公開機能を利用して世界中のユーザーに開放することも可能。

マインクラフト」のメタバース版と言えば、イメージしやすいでしょうか。

クラスター社これまでにも世界初のVR音楽ライブである「輝夜 月 LIVE@Zepp VR」や、これまた世界初となるeスポーツの専用バーチャル施設「V-RAGE」、リアルの世界とバーチャル世界をつなげる「バーチャル渋谷」、ポケモンのバーチャル遊園地「ポケモンバーチャルフェスト」などを手掛けてきました。

さらにこうした企業との連携だけではなく、スマホだけでもメタバース空間を創造できる「ワールドクラフト」機能を新たに追加しました。

3月にはこのワールドクラフトを利用した、国内最大級のゲームクリエイターフェス「Cluster GAMEJAM 2022 in SPRING」を開催。多くの独創的な作品が集まりました。

クラスターでは今後、アイテムをユーザが自由にアップロードできる機能の追加に加え、有料販売機能の提供も予定されています。

日本オリジナルのメタバースとして、今後さらに注目されるのは間違いないでしょう。

国内メタバース事例:ファイナルファンタジーXIV

現時点で、メタバースともっとも親和性の高い分野といえば、やはりゲームです。

そして2010年のリリースから10年以上たった現在でも圧倒的な人気を誇る「ファイナルファンタジーXIV(以下FF14)」は、メタバースについて改めて考える重要な存在となっています。

FF14はMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)であり、正確にはメタバースではありません。

しかし、キャラ(アバター)を作り、不特定多数のプレイヤーと世界を共有し、コミュニケーションを図りながらそれぞれの目的を達成していくというコンセプトは、メタバースが目指すものと一致しています。

実際、Steamの開発・運営を行っているValve社の共同経営者であるゲイブ・ニューウェル氏は、「メタバースについて語りたいなら、まずはFF14の世界を覗いてみるべきだ」という趣旨の発言を行っています。

FF14はあくまでもゲームであり、クリエイターが設定した以上の世界やアクティビティをユーザーが創り上げることはできません。

しかし、実際にFF14をプレイしてみると、メタバースが目指す世界がすでにそこに存在していることを肌で実感することができます。

海外のメタバース事例

現在メタバース開発の本場は、アメリカを中心とした欧米にあります。

そのため次は海外のメタバース事例についても調べていきましょう。

海外メタバース事例:VRchat

VRChat」は2017年にリリースされたソーシャルVRアプリ。

VRで他のプレイヤーとの交流を楽しんだり、様々なイベントも定期的に開催される人気のメタバースです。

VRChatでももちろん、ユーザーはアバターを使用しますが、そのアバターに直接手を加えられることが人気の理由の一つです。

人間だけではなく、動物やロボットなどのアバターも利用可能。

ボイスチャットだけではなく、そのアバターを使ったボディーランゲージなどでも自分の意志を表示させることができます。

それがより強いリアル感を演出し、ユーザーは仮想空間での行動により没頭することができるようになっているのです。

「ワールド」と呼ばれるVR空間をプレイヤー自身が作成してそこに友達を招いたり、簡単なゲームを作ることも可能。

ユーザー自身が世界を拡張させていくというメタバースの醍醐味を存分に味わうことができます。

またVRChatでは、これまで様々なイベントも開催されてきました。

中でも目玉イベントとして定期的に開催されているのが、VRChatの世界で扱える3Dもデールの展示・販売会の「バーチャルマーケット」です。

2021年に開催された「Virtual Market 6」には出展した企業が73社、来場者数は114万人と、「世界最大のバーチャルイベント」としてメディアでも大々的に取り上げられました。

VRChatはVRゴーグルを利用したVRモードのほか、WindowsPCを利用したデスクトップモードでも利用可能です。

残念ながら日本語には未対応となっていますが、日本人が集まる日本語コミュニティも数多く存在するため、そこでベテランユーザーから教えを請う初心者の姿も多く見られます。

最初の一歩を乗り越えれば、そこにはこれまで体験したことのない新しい世界があなたを待ち構えているはずです。

海外メタバース事例:Rec Room

次に紹介するのはアメリカ・シアトルに本拠地を置くVRスタジオ「Against Gravity(Rec Room社)」が開発するソーシャルVRアプリが、「Rec Room」です。

Rec Roomではユーザーはテニスやドッジボール、サバイバルゲームなどの様々なミニゲームを通してフレンドや他ユーザーとの交流を楽しむことができます。

2016年にSteamで発表されたRec Roomは、2018年末には100万インストールを達成。

2020年にはPlayStation VR版もリリースされました(言語サポートは英語のみ)。

当初はOculus QuestやPlayStation VRなどのVRゴーグルが必須のRec Roomでしたが、2021年には待望のAndroid版がリリース。

ユーザーからの評判も上々で、20万以上のレビュー中、平均4.6という高評価を得ています。

ユーザーからの圧倒的な指示を受けて、Rec Room社の企業評価額は35億ドル(約4,500億円)と急上昇。

さらに1億4,500万ドル(約186億円)の開発資金を調達しました。

Rec Roomは今後さらに、その勢いを増していきそうです。

参考)「Rec Room」は国際交流ができるVRSNSゲーム?コンテンツや対応機種、レビューまとめ!

海外メタバース事例:Roblox

Z世代から圧倒的な指示を得ているメタバース、それが「Roblox」です。

Robloxは世界中で大流行しているゲームプラットフォームで、2020年時点での月間アクティブユーザー数は1億5,000万以上。

その主なユーザーはZ世代の若者たちで、アメリカでは子どもたちの半数がプレイしていると言われています。

Robloxがリリースされたのは2006年ですが、人気に火がついたのは最近になってから。

その大きな要因はやはり、コロナ禍におけるソーシャルディスタンスだと言われています。

特に他者との交流を渇望するティーンの若者たちがSNSだけでは飽き足らず、Robloxのメタバース内で自分たちの世界を作り上げてきたのです。

Robloxの最大の特徴は、専用のゲームエンジンを利用してユーザー自身がゲームを開発・配信できる点です。

200万人以上の開発者がRobloxに参加し、ユーザーは数えれないほどのオンラインゲームの中から好きなものをプレイすることができます。

ゲームのプレイ料金は無料のものがほとんどですが、ゲーム内通貨の「Robux」によって収益化も可能。

中には「Meep City」のように数百億以上もプレイされるものもあり、有名人によるゲーム配信によってさらに人気が高まっています。

GUCCIやNIKEなどがバーチャル店舗を出店。

ゲーム以外でも盛り上がりを見せており、シンガーソングライターの「エイバ・マックス」によるバーチャルコンサートがRoblox内で行われたり、様々な企業も参入しています。

たとえば、高級ブランドの「GUCCI」はRobloxとのコラボで「Gucci Garden」というイベントを2週間限定で実施。

Roblox内で使用できるアイテムも販売されました。

Roblox内でユーザーの分身となるアバターは、好きなファッションアイテムを身につけることができます。

他にも「FOREVER 21」は、現実の世界で販売している商品と同じアイテムをRoblox内でも販売。

ユーザーはリアルな自分と同じファッションをアバターにも身に着けさせることができるというわけです。

また「NIKE」も、Air Force 1やBlazerなどの人気アイテムをRoblox内で提供。

メタバース内で自社のブランド力を高めるという戦略をとっています。

このようなファッションブランドの参入によって、Roblox内で『ファッションショー』を行うユーザーの姿を見かけることも普通の光景になりました。

ユーザーはRoblox内で自分が身につけるアイテムにこだわりを持ち、様々なファッションアイテムの売買も活発になっています。

結果、現実世界よりも高値をつけるアイテムも出てくるようになるほど、大きな影響を及ぼすようになってきているのです。

RobloxはPC(Windows、Mac)、スマホやタブレットのほか、Xbox Oneでもプレイ可能。

世界最先端、最大規模のメタバースの世界を、ぜひ一度体験してみてください。

メタバースがNFT(Web3)と相性が良いと言われている理由

それでは本記事の最後に、特にメタバースの発展に不可欠と言われている、新しいテクノロジーであるNFTとWeb3との関連性について解説していきたいと思います。

NFTとは? – 他と替えのきかないデジタル資産

「NFT」は「Non-Fungible Token」の頭文字を取ったもので、日本語では「非代替性トークン」という意味になります。

それぞれの言葉の意味をしっかりと確認すると

  • 代替性:ほかの物と替えがきくもの
  • 非代替性:ほかの物と替えが効かないもの

お金(現金)は非常に価値のあるものですが、ほかの商品と取り替えることができます。

これを代替性といいます。

一方で、他と替えのきかないものが非代替性を持つものとなります。

例えば、ルノワールの描いた絵。

複製品はいくらでもあるかもしれませんが、本物はこの世に一つしかありません。

トークンとは? -ブロックチェーン技術を利用して発行された暗号資産

暗号資産の信頼性を担保するのが、ブロックチェーン技術です。

データの改ざんや不正利用ができないようにすることによって、その価値が保証されるのです。

ですから非代替性トークンとは、「ブロックチェーンによって世界に一つしかないオリジナルのものであることを証明する技術」ということができます。

Web3とは? – ブロックチェーン技術を応用した、次世代の分散型インターネット

次世代インターネットとも称される「Web3」。

「4G」や「5G」は無線通信システムの規格のことですが、Web3はインターネットの仕組みそのものを表す概念です。

それぞれをざっくりと定義すると

  • Web1:インターネット黎明期。個人が情報を発信できるようになったが、メールやHPなど、主に一方向の発信にとどまる
  • Web2:現在のインターネット環境。多くのユーザーがSNSなどを通して双方向の情報発信が可能になった
  • Web3:ブロックチェーン技術を応用した、次世代の分散型インターネット。GoogleやFacebookなどの企業によって管理されるのではなく、権力が分散されるインターネットの社会

という説明になります。

インターネットやSNSの発達によって、ユーザーは自由に情報の収集や発信ができるようになり、また互いにより容易にコミュニケーションが取れるようになりました。

しかしその一方で、GAFAMと呼ばれる巨大ネット企業(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)に個人情報が集約されるようになっています。

つまり、インターネットという権力が特定の企業に独占されている状況ということができます。

その状況を打破するために権力を分散させ、ユーザーの個人情報やプライバシーを守っていこうというのがWeb3です。

ブロックチェーン技術を応用して特定の企業ではなく、個人のユーザー同士が取引情報を共有することによって情報を守ろうという、新しいインターネットの仕組みなのです。

メタバースとNFT(Web3)と相性がいいのは、デジタル資産の価値を担保できるから。

ではなぜ、このNFTとWeb3がメタバースにとって重要な技術となるのでしょうか?

簡単に言うと、NFT(Web3)によって「デジタル資産の価値を担保できる」ということにつきます。

先ほどのルノアールの絵を例にして非対称性について説明しましたので、同じ例えで考えてみましょう。

筆や絵の具の代わりに、PCやタブレットなどのデジタルツールを利用して制作されたものを「デジタルアート」といいいます。

デジタルですから、複製も簡単。いくらでも本物と全く同じものをコピーすることが可能です。

では、デジタルアートの製作者や所有者が「自分のものこそがオリジナルである」ということを証明するにはどうしたら良いでしょうか?

それを可能にするのが、NFTです。

デジタルアートがNFTによって紐付けられ、それが唯一オリジナルのものであることの担保となります。

NFTによってオリジナルであることが証明されたデジタルアートを特に「NFTアート」と呼び、実際にすでに多くの売買・取り引きがなされています。

デジタルアートに1000万円以上の値がつく時代。

デジタルアートだけではなく、あらゆるものがNFTによってその希少性を担保できるようになります。

例えば、メタバースのゲーム上で使える武器やアイテム。

それが世界に一つしかないものなら、多くのユーザーが欲しがるのではないでしょうか?

NFTによってメタバースの世界でもリアルワールドと同じように、希少性を高め、ユーザーの所有欲を満たすことができるようになるのです。

そしてそれはもちろん、メタバース内でもビジネスが成立することを意味します。

実際に、デジタルの猫を繁殖・育成させる「Cryptokitties(クリプトキティーズ)」というゲームでは、デジタルの猫が1,000万円以上で取り引きされたこともあります。

Cryptokittiesはメタバースではなく、NFTゲームになりますが、デジタルのデータに価値を持たせるという考え方は全く同じ。

NFTによって、メタバースは現実と同じように自分だけのものを所有できる喜びと、大きなビジネスチャンスを掴むことのできるもう一つの「世界」となれるのです。

そしてその世界の安全性を高めるのが、Web3です。

現在のWeb2では、何かのきっかけで個人情報が流出してしまう危険性が拭いきれません。

それがWeb3の分散型ネットワークでは、それぞれのユーザー自身が自分の情報を持つことになり、個人情報流出の危険性が限りなくゼロに近づきます。

また特定の企業ではなく、自分自身でデータを保護できるということは、様々な広告から身を守ることができるということを意味しますし、逆に広告を見たり自分の情報を提供することによって、今以上の対価を得られる可能性もあるでしょう。

デジタルの仮想空間というもう一つの世界に自分の身を置くことになる以上、NFTとWeb3によって個人情報を守るということは、今まで以上に重要になってくるのです。

メタバースとNFTの事例:Spatial

メタベース上でNFTアートを販売するという試みは、すでに始まっています。今回紹介するのが「Spatial」です。

Spatialはもともと、メタバース上でのVR会議を提供するサービスでしたが、NFTアートを販売するVRギャラリーへと、大きく方針を転換させました。

今後はNFTアートの展示や文化イベントなどの発信を積極的に行っていくとのこと。

あらゆる種類の仮想会議室を提供してきたSpatialにとって、NFTアート作品に合わせたVRギャラリーを作り上げることは理にかなった方針転換です。

メタバース内では3Dや巨大なNFTアート作品も自由に展示できますし、それを直感的に鑑賞することも可能となります。

Spatialでは、これまでの企業の生産性にポイントを絞ったVRプラットフォームから、デジタルクリエイターとユーザーを結びつけるメタバース・プラットフォームへと大きく軸足を移しました。

そしてその試みに対して、新たに2,500万ドル(約32億円)の投資がなされたことは、NFTアートを含む今後のメタバースに対して大きな期待が寄せられていることの表れでしょう。

最後に、XR-Hubはメタバースに関する事業コンサルティング・開発を承っています。

さて、メタバースに関する概要や市場の状況を紹介してきましたが、本メディア「XR-Hub」を運営元する株式会社x gardenはメタバースの事業活用やサービス開発制作のご相談を初回無料で承っています。

国内最大手の通信会社や業界No.1インテリアメーカーを始めとした様々な開発実績があり、豊富なクリエイターのアサインが可能ですので、

  • メタバースを活用してみたいが、進め方を相談したい。
  • メタバースの開発を要件定義から頼みたい。
  • 自社と相性の良いメタバースの技術を目利きしてほしい。

こんなニーズがある企業担当者の方には、初回無料でXRの事業創造コンサルティングを行なっております。

もし「話だけでも聞いてみたい」と興味がありましたらこちらからお問い合わせください。

まとめ

インターネットの登場と同じ、いやもしかするとそれ以上のインパクトを社会に与える可能性のあるメタバース。

今回はそのメタバースの基本的な概念から、実際の活用事例まで詳しくご紹介しました。

しかし、メタバースの世界は始まったばかり。

これからきっと、私たちの予想もしないような進化を遂げていくことでしょう。

ぜひ今のうちにメタバースに関する理解を深め、この新たな世界での新しいチャンスを逃さないようにしてください。


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