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【EC担当必見】メタバースEC事例8選|バーチャル店舗の作り方・出店費用を解説


2021年の10月、「Facebook」が社名を「Meta」に変更し、大きな反響を呼びました。

この社名変更はVR分野に力を入れている同社がメタバースを今後の事業の柱にする(=メタバースを普及させる)ことへの強いメッセージです

そこで本記事では、EC・小売マーケティング担当にとって今後”必須知識”となる

  • メタバースの概要
  • バーチャルストアのメリット・デメリット
  • 「360度カメラによる店舗3Dスキャン」vs「フル3DCG制作」の機能比較
  • 実際にバーチャルストアを開設するプロセスとコスト
  • 実際に構築された「バーチャルショップ」の国内外の事例集

を誰でも分かるよう懇切丁寧に、かつ12,000文字を超えるボリュームで徹底的に解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

バーチャルショップ・メタバースECの概要

そもそもメタバースとは何か|7つの構成要素と概論

まず、手始めにメタバースの概略について簡単に説明します。

メタバースとは「超越した(Meta)」と「宇宙(Universe)」を組み合わせた造語で、「他者と共有できるオンライン上の仮想空間」のことを指します。

米国の著名投資家であるMatthew Ball氏が2020年に同氏のブログで語ったメタバースの定義が分かりやすいのですが、同氏によれば、メタバースには以下の7つの要件があると説明しています。

メタバース」を構成する7つの要素

  1. Persistent(永続的である)
  2. Synchronous and live(同時体験&リアルタイムのライブ性)
  3. No cap to concurrent participants(参加人数が無制限)
  4. Fully functioning economy(参加者によるモノの制作・保有・投資・売買などが可能)
  5. Both digital & physical worlds(デジタルと物理、両方の世界にまたがる)
  6. Unprecedented interoperability(今までにない相互運用性)
  7. Wide range of contributors(数多くの企業/個人がコンテンツや体験を供給する)

これらのイメージとして分かりやすいのは、映画「レディ・プレイヤー1」で示された世界です。

主人公や他の参加者たちは、グレガリアス社が創造した仮想世界「オアシス」で宝探しを行いますが、同世界内では自由にアイテムを売買したり、独自の経済圏を作り上げています。

また仮想空間上で他ユーザーとの交流を楽しむという定義で言えば、任天堂の大人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」やEpic Gameが提供する「Fortnite」も、メタバースの一種と言えるでしょう。

メタバースに関して万人が同意する定義はないのですが、「アバター等を使い、他者と自由にコミュニケーションが取れる3Dの仮想空間」と理解しておけば、一旦は問題ないです。

※メタバースに関する詳細はこちらの記事「【メタバース活用事例8選】歴史や定義・NFT/Web3との関係を解説!」をご覧ください。

バーチャル(VR)ショップ・メタバースECとは何か

VR・3D技術を活用した次世代型のECを示すワードとして、「メタバースEC」と「バーチャルショップ(ストア)」の2つを今回取り上げていきます。

双方近しい技術で構成されますが、今回は以下で定義します。

  1. バーチャルショップ(ストア):オンラインショップを3DCGで構築し、接客する
  2. メタバースEC:3DCGで構築したオンラインショップを既存のメタバースサービスに出店する

この2つをそれぞれ詳しく解説していきましょう。

1,バーチャルストアは「実店舗とECの中間」にあたる優れた体験を提供できる、若い世代へのマーケティング施策。

現実には存在しないH &Mバーチャルショップ

バーチャルストアは店舗空間を3Dで設計・モデリングし、インターネット上で公開することで、誰でもオンライン上で来店可能な状態することを指します。

スタッフはアバターを介してユーザーとコミュニケーションを取ることもでき、あたかも実際の店舗・ショールームに来店したかのような体験を、ユーザーに提供することができます。

BEAMSがオープンしたバーチャルストアにはアバタースタッフが常駐。リアルタイムで接客してくれる。

普段からゲームを通じた3D空間の行動に慣れたZ世代や若い子供たちにとって、このような購買体験は既存のECよりもはるかに優れており、より人間味のある体験に映ります。

このように既存ECでは実現できない、優れた体験性が昨今GUCCIやNIKEなどの大手ブランドが、こぞってバーチャルストアを開設するトレンドの背景です。

2,メタバースECは「ゲームが購買の入り口」になっていくトレンドへの適応。

2点目の「メタバースEC」は、構築した3Dのショップを既存のメタバースサービス上でオープンすることを指します。

既存のメタバースサービスの代表的な例としては

などが挙げられます。

上記のメタバースに出店する理由は、サービス上に多くのユーザーが日常的に滞在しており、当該メタバース上に出店することで、ユーザーが店舗に来店してくることを期待できるからです。

これは楽天・Amazonのようなプラットフォームの集客機能がゲームの世界に移行していることが背景にあります。

(※参考:Fortiteのアクティブユーザーは1億2000万人、Robloxのアクティブユーザーは1億人)

また、ユーザー間の交流(マルチプレイ機能)・通話機能が既存のメタバースサービスにデフォルトで搭載されている場合は、コストをかけることなく、すぐにバーチャルストアをオープンすることができるのもブランドにとって魅力的な点です。

バーチャルストア・メタバースECを開設する4つのメリット

ここからは、メタバースや3DCG技術を活用したバーチャル店舗には実際にどのようなメリットがあるのか、4つの観点から具体的に解説していきます。

メリット1.新規顧客の獲得|メタバース×Eコマースの事例

既にユーザー獲得に成功しているメタバース空間上に出店できれば、自然流入によるユーザーの来店が期待でき、店舗の売上を向上させることができます。

2021年には大手アパレルブランド・ビームスがメタバース上に「ビームス 原宿点」のメタバース版を期間限定でオープンしたところ、実際に商品の売れ行きも想定以上だったとレポートしています。

出店するメタバース空間次第では、現在のECやオフライン店舗で獲得できていなかったユーザー層の認知(Z世代や更に若い層)を獲得したり、ファンユーザーを獲得することが可能になるのです。

メリット2.既存ECより高いCVR|メタバース × 食品・物販の事例

一般的なECサイトにおけるCVRの目標値は、サイトに訪れたユーザー数に対して1~3%とされていますが、食品等を販売したメタバースECでは驚愕のCVRが算出されました。

2021年の10月、

  • 福岡県に本社を置き辛子明太子をメインに販売する「ふくや」
  • 関西テレビが行っているテレビショッピングの「真夜中市場」
  • 札幌テレビが手がけるテレビショッピングの「どさんこ市場」
  • そして健康食品や化粧品を販売する「万田発酵」

がコラボレーションし、3日間限定でメタバースを利用したバーチャルショップの実証実験を行いました。

その結果として、オンライン物産展のような形で行われた今回の実証実験では、CVR30%という驚異的な結果を残しました。

その要因として挙げられるのは、本取り組みが店員が会話が可能なメタバースで行われたことで、ユーザーは店員のおすすめ商品などを聞きながら、実店舗に近いかたちで物産品を購入できた点です。

結果として多くの商品が購入され、メタバースのポテンシャルと可能性を十分に確認できた実証実験だったと言えるでしょう。

もちろん、「コロナ禍でオンラインショップのニーズが加熱していたこと」「3日間限定のイベントであったこと」「メタバースを利用したバーチャル店舗がまだ珍しかったこと」なども加味しなければなりませんが、それでも既存ECと比較した時のCVRの高さはEC担当にとっては看過できない事実となりました。

メリット3.バーチャル・VR技術の活用により、ブランドの世界観をリッチに表現できる

既存のオンラインストアは2Dで構成されますが、バーチャルショップは3Dで店舗空間を設計・実装するため、実店舗と同等か、それ以上にブランドの世界観を表現できます。

実店舗では難しい装飾や表現も、バーチャルストアであれば3D技術・エフェクトを活用することできるため、表現の「幅」は実店舗以上です。

メタバースを利用したバーチャルショップでは、実際の店舗では実施が難しいような施策やイベントを開催することも可能で、先ほども紹介したセレクトショップの「BEAMS」は、メタバースのショップ内に映画「浅草キッド」の舞台を再現するイベントを実施しました。

映画の世界を実際の店舗で再現するのには多くの時間やコストもかかりますが、メタバースのバーチャル店舗であれば低いコストで実現可能なのです。

メリット4.実店舗と比較し、固定費・初期構築費用が抑えられる

バーチャル店舗の構築・出店に必要な費用はあくまでソフトウェア開発費が中心になります。

敷金・礼金や外装費・内装費、家賃・光熱費などが発生するリアル店舗の出店と比較すると、大幅にコストカットすることが可能です。

※メタバース空間への出店となると、メタバース提供者側に利用料を支払うケースが発生します。

また、店舗拡大に際しても、3D空間のデータはコピー&ペーストも容易なので、2店舗目以降は初期費用も抑えて構築することができます。

ローコストでありながら、世界中の消費者に自社の商品をアピール・販売できるのが、バーチャル店舗の大きなメリットなのです。

バーチャル(VR)ストア・メタバースECの2つのデメリット

さて、ここまでの説明を見ると一見メリットだらけに見えるバーチャル(VR)ストアですが、現状デメリットと呼べる側面も少なからずあります。

今回はそのデメリットを2つほど紹介します。

デメリット1.スマホではGPU処理が追いつかず、体験性が低くなる場合がある。

多くの場合バーチャル(VR)ショップは3Dで構築されることから、通信されるデータの容量は大きくなります。

特にスマホの場合、描画処理や通信速度の遅延により、コンテンツのダウンロードに時間を要してしまったり、回遊時に動きが滑らかにならない、カクカクしてしまうといったことが発生し、結果的に顧客体験を損なってしまう可能性があります。

(弊社の過去の経験上、3Dデータが200〜300MBを超えると体験性に影響がでます)

ただし、これらの問題は5Gによる通信の高速化や、GPU処理をクラウド上で行うクラウドレンダリング(≒コンテンツの描画技術)の進化により、長期的には解決に向かうと予測されます。

デメリット2.買うものが決まってる場合、既存のECの方が探しやすい

メタバースECは未だ登場したばかりのテクノロジーということもあり、

  • 商品検索機能など「特定の商品を見つける」UXは既存ECの方が優れている
  • ユーザーも既存のECの使い方に慣れている

といった背景から、ユーザーが「欲しい商品が決まっている場合」は既存のネットショップの方が適している場合があります。

あくまでバーチャルショップやメタバースECは「ショールーム」であり、実店舗同様に

  • ブランドの世界観を訴求し、ロイヤリティを高める
  • ユーザーと商品の「偶然の出会い」をもたらす

といった役割を担うものであり、既存のECとはユーザーに提供する価値が異なることを念頭に置いておくと良いでしょう。

バーチャルショップ(メタバースEC)の作り方・費用

それではここからは、企業担当者の方が気になるであろう、制作プロセスや制作費用について解説します。

バーチャルショップ・メタバースEC制作の流れ

バーチャルショップやメタバースECは以下のような流れで制作していきます。

Step1である「3D空間の設計」は、実店舗・ショールームを出店する場合と大きく変わらないため、説明を割愛しますが、ブランドの目指す顧客体験を、空間のレイアウト・デザインに落とし込んでいく作業になります。

Step2:3Dデータ制作|2つのアプローチが存在(3Dモデリング vs 3Dスキャン)

2つ目のステップである「空間・商品の3Dデータ制作」ですが、以下の2つのアプローチが存在します。

  1. 3Dモデリング:店舗空間の3Dモデルを1から制作し、Web上で公開
    • 使うツール:Blender、Maya、3D CADなど、3Dソフトウェア
  2. 3Dスキャン:実際の店舗をスキャンし、Web上で公開
    • 使うツール:Matterportなどの360度カメラ・3D撮影機材・専用ソフトウェア
      (この場合、最初のステップ「3D空間の設計」は不要です)

この2つには明確なメリット・デメリットがあり、制作するバーチャルストアの目的・位置付けによって手段を検討・選択する必要があります。

この2つのメリット・デメリットを表にしてまとめたのがこちらです↓

3Dモデリングは「運用が手軽で実用的」「優れた顧客体験」「コストはやや高め」

3Dモデリングによりバーチャル空間を制作しWebで公開する場合、上記図内の理由から一定の初期費用は発生するもの、

  • 運用の手軽さ(商材の入れ替えコストや模様替えの容易さ)
  • ユーザー体験のリッチさ
  • 接客機能や在庫情報など、他のEコマース向けサービスとのAPI接続しやすさ

といった点が魅力です。

※3Dツールを使用した3D制作物イメージはこちら。

3Dスキャンは「運用に手間がかかる」「顧客体験は劣る」「コストは安め」

一方で、Matterportなどの3D撮影機材を用いて実店舗を3Dスキャンし、バーチャルショップを開設する場合、3Dスキャン(360度カメラなどの撮影機材による撮影)が初期対応の大半になります。

よって、初期コスト自体は低い一方で、

  • 運用(メンテナンス)が大変:陳列する商材の変更や店舗内の模様替えなどが手軽にできない。(「実店舗の商品や壁・床などの入れ替え」と「再撮影」が必要)↔︎3Dモデリングであれば、手軽に商品の変更が可能。
  • 体験性の低さ:ショップ内を回遊しづらい、インタラクションも限定的で、ブランドの訴求力を担保しづらい。↔︎3Dモデリングであれば、自由度の高いアクション設定が可能、効果的なブランド訴求もできる。
  • 接客ができない:チャットツールなどの繋ぎ込みが困難↔︎3Dモデリングを活用した方法であれば、チャットサービス等との連携も容易

と、サービスの運用や本格的な展開を見据えると多くのデメリットが存在します。

3D制作イメージはこちら↓

上記の動画で使われている3Dスキャンサービス「Matterport」の特徴、3D制作の手順、費用イメージについては別記事で解説してありますので、気になる方はこちらをご一読ください →【Matterport徹底解説】3Dスキャンでバーチャル店舗を作る手順と費用

バーチャルストアは、上記のような2つのプロセスで制作した3Dの空間をベースに、インターネット上で公開する形になります。

Step3:ソフトウェア開発・ショップ開発

最後のステップ「ソフトウェア開発・ショップ開発」は、制作した3Dデータ群をWeb上やメタバース空間上に紐付け、ユーザーが来店・回遊できる状態に仕上げていく作業になります。

メタバースECであれば、データのアップロード用件(データ形式、データの容量など)がプラットフォームごとに異なるため、制作した3Dの空間データなどをプラットフォームに合わせていくことが必要になります。

制作費イメージ

企画次第で変動するため、あくまで参考値になりますが実際に弊社で制作したバーチャルストアの取り組みから概算費用を算出しました。

初期費用は、3D制作+ソフトウェア開発で、数百万円〜の予算が必要になります。

月額運用費はプラットフォームや事業者次第ではありますが、VRChat等無料で利用できるメタバースも存在します。

バーチャルストア・メタバースECの企画・制作・開発のご相談、承ります。

ここまでメタバース×小売・ECについて解説してきましたが、本メディア「XR-Hub」を運営元する株式会社x gardenメタバースEC・バーチャル店舗の制作・配信サービス「RITTAI STORE」をご提供しており、初回相談も無料で承っております。

これまでの事例としては、

  • ニトリ社の実店舗向けAR・MRアプリの開発
  • EC向けのAR/VRソリューションの提供
    • 導入実績:ニッセン社、柏木工社、オーディオテクニカ社など
  • 大手什器、BtoB家具メーカー向けのバーチャルショップの開発支援

など、数々の大手メーカー・小売事業者のAR/VR活用を支援しており、バーチャル店舗を中心とした開発、ユーザー体験設計に強みを持っています。

「自社のECサイトでAR/VR機能を活用したい」
「メタバースEC、バーチャルストアでの商品販売を検討している」

という担当者の方は、まずは初回無料で相談承っておりますので、

もし「話だけでも聞いてみたい」と興味がありましたら、下記「RITTAI STORE」のHPよりお問い合わせください

業界別・バーチャルショップ・メタバースECの取り組み事例8選

ではここからは、メタバース内でバーチャルストアや店舗型ECサイトを実施している実際の事例をそれぞれ見ていきましょう。

1.アパレル業界×メタバース:FOREVER 21 × ROBLOX|アバター向けファッション販売

ファストファッション大手の「FOREVER 21」は、現在世界中で大流行しているゲームプラットフォーム・メタバースの「ROBLOX(ロブロックス)」上に、「Forever 21 Shop City」をオープンさせました。

Forever 21 Shop Cityは自らがショップのオーナーとなり、自分だけの店舗を経営するというゲームです。

実際にアイテムを売買することも可能で、プレイヤーは自分の好みの什器や家具、装飾や音楽などを購入し、自分の理想のショップを作り上げ、運営していきます。

またこのForever 21 Shop Cityが面白いのは単にゲームの世界にとどまらず、現実との相互性を意識して提供されている点です。

デジタル商品とリアルの商品、双方の販売による相乗効果

現実のFOREVER 21のショップで販売しているのと同じアイテムを、バーチャルショップでも販売しています。

FOREVER 21では今後、Forever 21の実店舗とバーチャルショップで同一の商品を同時にリリースする予定で、ユーザーはリアルで購入した自分の服と同じものを、ROBLOX内の自分のアバターにも着せられることができるようになります。

これの何が良いのか?と思う方もいるかもしれませんが、ROBLOXを絶大に指示しているZ世代にとってはこれが何よりも「刺さる」仕掛けなのです。

例えば、2017年にリリースされたバトルロイヤルゲームの「Fortnite(フォートナイト)」では、アバターの外見をカスタムできる「スキン」というアイテムの売り上げだけで、年間5,000億円を叩き出しています。

現実のショップと同じ商品を、メタバース内でも販売する。

そしてユーザーはリアルとバーチャルの両方の世界で同じアイテムを身にまとう。

これはECサイトでは決してできない、メタバース内のバーチャル店舗ならではの全く新しいショッピング体験なのです。

2.アパレル業界×メタバース:NIKE × ROBLOX

ROBLOX内にバーチャルショップを展開しているのはForever 21だけではありません。

NIKEは、アメリカの本社「Nike World Headquarters(WHQ)」を元にデザインした、「NIKELAND(ナイキランド)」をメタバース空間内にオープンさせました。

NIKELANDにはバスケットボールコートやテニスコート、陸上競技場などのスポーツ・フィールドのほか、鬼ごっこやドッジボールなどの多種多様なミニゲームも楽しめます。

加えて、ユーザーはモバイル機器に内蔵されている加速度センサーを使い、自分のフィジカルデータをゲーム内に反映させることも可能で、現実世界の自分のデータをバーチャルワールドの自身のアバターに接続することができます。

NIKEのブランド戦略|加熱するスニーカーコレクションブームの中で、NFT・メタバースを活用した新たなマーケティング手法を確立

NIKEはメタバース内のNIKELANDを利用して、さらなるブランドイメージの強化を図っています。

NIKELANDのプレイヤーは、ランド内のデジタルショールームで、Air Force 1やBlazerなどのNIKEの人気アイテムをアバターに装着させることができますが、中には現実世界では入手困難なアイテムも用意されています。

メタバース空間上で希少性の高いスニーカーを集めたり、NFTとして販売し、自身のアバターに付けられることは、ファンの深層心理を理解したNIKEならではの戦略と言えます。

そのNIKEが次なるマーケティングの舞台としてメタバース・NFTに目をつけたことは、バーチャルショップのさらなる可能性を確信させるものと言えるのではないでしょうか。

参考)メタバースがNFT(Web3)と相性が良い理由について

3.アパレル業界×メタバースEC:BEAMSがVRChat上にショップをオープン

BEAMSはバーチャルショップをメタバース「バーチャルマーケット」に出店。実際のスタッフがアバターとなって接客しながら、実際のアイテムを販売しました。

取り扱う商品はバーチャルショップ限定販売のTシャツや、オリジナルアバターなど。

そして同ショップのビッグサプライズ企画が、ももいろクローバーZのメンバーがお忍びで登場したバーチャル接客です。

バーチャルマーケット公式アバターである「Vケットちゃん」の姿で、メンバーがメタバース内のバーチャルショップに降臨し、来場者はももクロのメンバーたちとの交流を満喫できました。

商品を販売するだけではなく、映画の世界観を再現したり、様々なイベントを開催したり、さらには現実世界では難しいアイドルによる接客など、まさにメタバースならではの特徴を最大限に活かしたBEAMSの取り組み。

小売業界の最先端の事例として、要チェックです。

4.小売業界×メタバース:三越伊勢丹がバーチャルショップアプリをリリース

三越伊勢丹は、スマホ用のバーチャル都市コミュニケーションアプリ「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」をリリースしました。

これは、メタバース上の『バーチャル伊勢丹』でショッピングやイベント、コミュニケーションが楽しめる新しい伊勢丹アプリです。

メタバースのバーチャル伊勢丹では、本物そっくりのバーチャルデパ地下で実際の商品が購入できたり、「ReStyle」や「ISETAN seed」、「ビューティアポセカリー」などの有名ショップでのショッピングも楽しめ、本物のスタイリストがバーチャルで接客を行います。

コロナ禍で外出は控えているが、買い物はしたい。しかもカタログを眺めるかのようなECサイトではなく、百貨店で実際にショッピングをしているという喜びも味わいたい、という人にもってこいのサービスとなっています。

スマホで手軽に体験できるという敷居の低さもあり、バーチャルショップデビューにも最適。

現実の伊勢丹に出かける前の下見という使い方もおすすめです。

5.家具メーカー×バーチャルショップ:大塚家具がバーチャルショールームをオープン

ここからは、メタバースではなく、3Dの空間をWebで公開する「バーチャルストア」取り組みをいくつか紹介します。

家具メーカーの多くはバーチャル技術を活用した取り組みを推進していますが、大手家具メーカー・大塚家具もWebサイト上でバーチャルのショールームを公開しています。

大塚家具HP

大塚家具は、Matterport(3D撮影機材)を利用し、既存のショールームをバーチャル化し、公開。

一般ユーザーは実店舗に行かなくても、商品をリアルに体感できるようになっています。

こちらのバーチャルショップはメタバースではなく、あくまでWeb上のサービスのため、バーチャル接客や他のユーザーとの交流を楽しむといったことはできません。

6.ハイブランド×バーチャルショップ:ディオールが実店舗をバーチャル化

「ディオール(DIOR)」も、公式HP上に、バーチャルショップをオープンさせました。

こちらも既存の店舗、パリのシャンゼリゼ店を3D撮影機材等を用いてバーチャル化させたもので、実際の店舗を訪れたような感覚でディオールのアイテムを眺めることができます。

※体験されたい方はこちら

バーチャルショップ内で取り扱っているアイテムには黒丸のマーキングが施されており、それをクリックすると商品の詳細やキャンペーン動画が見られます。もちろん気に入れば、実際に購入することも可能(購入はECサイトとなります)。

こちらのバーチャルショップもあくまでWeb上のサービスのため、接客・交流等はできません。

7.スポーツ業界×バーチャルショップ:アシックスがバーチャルストアを開設

大手スポーツメーカーのアシックスも、公式HPでバーチャルストアを開設しています。

こちらもMatterportを活用して制作したもので、接客・交流機能等はありませんが、配置された商品をクリックするとECに遷移できたり、商品情報を確認でき、大変使い勝手の良いものになっています。

8.化粧品業界×バーチャルショップ:資生堂がバーチャルストアを開設

大手コスメブランドの資生堂も、銀座の新店舗のオープンと同時に「銀座店のバーチャルショップ版」もオープンしました。

こちらも実際の銀座店を3Dスキャンしたデータをベースに制作されており、資生堂のブランド感、世界観を意識したBGMも流れるため、実際に銀座店に入ったかのような体験ができます。

コスメ商品を確認したり、商品の使い方の動画を見たり、購入したい商品があればECに遷移し実際に購入することもできます。

※体験したい方はこちら

最後に:今後も急速に接近するメタバースとEC

海外旅行も気軽にできない今、ディオールのような高級ファッションブランドの店舗をオンラインで気軽に訪問できるのを嬉しく感じる消費者は多いでしょう。

バーチャルショップ内の商品や動画などは、3Dモデリングによる制作であれば自由に入れ替えられますし、ホリデーシーズンには特別なディスプレイなども施されるため、定期的に訪れる楽しみも。

こうした事実から明らかなのは、ファッションブランドにとってメタバースは非常に魅力的なテクノロジーであるということです。

特にZ世代にアプローチしたいファッションブランドのバーチャルショップの出店は、これからどんどん加速していくことは間違いなく、それゆえにメタバースの市場予測は有望視されているのです。

バーチャルストア・メタバースECの企画・制作・開発のご相談も承ります。

(再掲となりますが)本メディア「XR-Hub」を運営元する株式会社x gardenメタバースEC・バーチャル店舗の制作・配信サービス「RITTAI STORE」をご提供しており、初回相談も無料で承っております。

これまでの事例として

  • ニトリ社の実店舗向けAR・MRアプリの開発
  • EC向けのAR/VRソリューションの提供
    • 導入実績:ニッセン社、柏木工社、オーディオテクニカ社など
  • 大手什器、BtoB家具メーカー向けのバーチャルショップの開発支援

など、数々の大手メーカー・小売事業者のAR/VR活用を支援しており、バーチャル店舗を中心とした開発、ユーザー体験設計に強みを持っています。

「自社のECサイトでAR/VR機能を活用したい」
「メタバースEC、バーチャルストアでの商品販売を検討している」

という担当者の方は、まずは初回無料で相談承っておりますので、

もし「話だけでも聞いてみたい」と興味がありましたら ↓ こちらからお問い合わせください。


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株式会社x gardenが運営するXR-Hubの記事編集部です。

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