AR時代のデザインツール「Project Aero」の特徴や出来ることを解説!
昨今、AppleやGoogle、Facebookやマイクロソフト、AmazonなどアメリカのIT巨人たちがこぞって投資を加速させるAR業界。
ARが一般普及していくことはほぼ確実な未来ですが、その未来をどれだけ早く引き寄せられるか?という点において重要な役割を持つのがARのデジタルクリエイター、デザイナー達です。
なぜなら、歴史的に見て新しい産業というのは”デザインやアート”の力によって飛躍的に成長する事があるからです。
そこで本日は長年に渡りデザイナーの創造力を引き出すことに注力して「Photoshop」などを開発してきたAdobe社が満を時して発表したARクリエイター向けツール「Project Aero」の魅力を解説します。
Project Aeroとは?
百聞は一見にしかず、まずはこちらの動画をご覧ください。AR時代の集団創造プロセスがリアルにイメージできます。
動画の中では、3Dオブジェクトがスムーズに製作されています。
「Project Aero」はwebのデザインツールの老舗Adobeが提供する、AR製作を簡素化するためのツールです。
Photo shop CCで作成した画像をAdobe Creative Cloud 経由でエクスポートし、それを「Dimension CC」で3D化し、Project Aeroが空間の配置やアニメーションの追加などを担うようです。
photoshopやDimentionCCなど、ソフトウェアツールの目的や利用者層が異なるため、クロスプラットフォームでの連携をスムーズにしたことは理にかなってます。
デザイナーならPhotoshopなど使い慣れたツールでしょうし、AeroはAR向け新フォーマットUSDZに対応しているため、今後もクリエイターにとってのAR製作の障壁はグッと低くなることが予想されます。
Apple社(ARKit)との連携
(サンフランシスコで行われたARによるデジタルアート展。ipadに映るAR作品)
iOSアプリの開発ツールである「Xcode」では、USDZの編集やアプリへの連携が可能なので、AppleのARアプリのエコシステムは開発者、クリエイターにとって更に魅力的になったと言えます。
アップルのAR戦略は着々と進んでいるようです。
AppleがWWDCで発表していましたが、まだまだUSDZファイル(オブジェクト)は少ないものの、iOS 12からUSDZをiphoneがサポートするようになっており、safariやメッセンジャーで3Dオブジェクトを使えるようになると、一気に大衆化が進むと想定されます。
これもAR時代を牽引しようと目論むAppleとの連携の成せる業ですね。
ちなみにGoogleのARCoreとの連携についてはまだ非公開であり、10月の本お披露目のタイミングで詳細は発表されるようです。
クリエイターの負担を極少化し、ARを大衆化する。
ほえー、Adobe Senseiすげぇな(‘A
) → ついに人間の仕事なくなる?Photoshopアップデートで使えるようになった新機能「被写体を選択」が便利すぎてやばい - Togetter https://t.co/cVjkg6MOcx
— coba('A)MAX怒りのデスロード (@cobakova) 2018年1月25日
Adobeはクリエイターの創造性を解き放ち、クリエイティブを民主化するというビジョンを描いています。
その布石としてAIによるサポートシステム「Adobe Sensei」をリリースしており、クリエイターは面倒な修正や、反復作業などを演算処理してくれる「Adobe Sensei」を使用することで、負担を少なくすることができます。
簡単な作業はAIに任せ、よりクリエイティブな部分に集中出来るようなるでしょう。
盛りあがりを見せるARツール業界
非開発者を対象にしたAR作成ツールはAeroだけでなく、他にも登場しています。
小売とARの相性は非常に高いことから、AmazonもARツールの提供に力を入れているようです。
Amazon Sumerianは初心者のプログラマでもWebブラウザ用のAR、VR、3Dオブジェクトを製作できるツールです。
SumerianアプリはWebGLとWebVRをサポートしており、WebブラウザやWebブラウザでの実行が可能で、ARCoreのサポートも予定しています。
未来のインターネットの購買行動は「webAR」が起点になる可能性が高く、その流れを加速させる台風の目になるのは間違いなくインターネット小売の巨人「Amazon」であると編集部は予測しています。
Amazon Sumerianについて知りたい方はこちら→)VRショッピングの未来!Amazon Smerianの使い方やメリットを解説。
最後に
ハードウェアで言えば、AppleもGoogleもそれぞれARCore、ARkitをそれぞれ進化させており、2020年代にはハードウェアはARに完全対応する時代になることが予想されます。
その先に待つ課題はコンテンツ(ソフト)の充足ですが、今回のような「誰もが簡単にクリエイターになれる」ツールが進化することで、コンテンツが世の中に溢れるようになり、デジタルと現実の融解が本格的に始まるかもしれません。
AR時代におけるデザインの最適解を考えるとワクワクが止まりませんね。
編集部では引き続き、AR時代のUX/UIに着目してまいります!
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