Unity Proでできることは?無料ライセンスとの違いを徹底検証
無料のUnityライセンスを使用してアプリケーションを作成している個人の方がほとんどだと思います。
では一体どのような方々が有料ライセンスである「Unity Pro」を使用しているのでしょうか?
またUnityの無料ライセンスと有料ライセンスであるUnity Proの違いはいまいち理解されていないこともあるようで…
Unityの新ライセンス、PlusとProの違いは個人/インディーか企業かだけ?ロゴ外せるのがProだけだったら単純値上げなんやけど…
— 野生の男@東京ゲームショウ9ホール (@yasei_no_otoko) 2016年5月31日
そこで今回はUnityの無料ライセンスとUnity Proならびにもう一つの有料ライセンスであるUnity Plusの3つの違いを徹底検証します。
Unityとは
そもそも「Unity」とは?という方のために簡単にUnityについてご説明いたします。
UnityとはUnity Technologies社が提供するゲームエンジンです。
Unityを使用することで誰でもゲーム開発をすることができます。
Unityの特徴をまとめておきます。
- 様々なプラットフォームに対応可能
- 2D/3Dゲームどちらも開発可能
- ノンプログラミングでもゲーム開発が可能
また、これから市場規模が大きくなるであろうXR業界において、AR/VRゲームの多くがUnityで開発されていることから、近年大きく注目されています。
以上のことから、Unityエンジニアの需要はとても高くなってきています。
Unityの3つの種類のライセンス
まずはじめにUnityに存在する個人が使用するであろう3つのライセンスをご紹介します。
Unity Personal
Unity Personalは初めてゲーム開発を始めようとする方や学生などのビギナー向けのライセンスです。
ビギナー向けとは言うものの、ゲームを作成するために必要な機能を全て備えています。後ほど詳しくご説明しますが、Unity Personalは無料で使用することができます。
Unity Plus
Unity Plusは自力でゲーム開発をすることができ、「ご自身のビジョンの実現を目指す」クリエイター向けのライセンスです。
後ほど詳しくご説明しますが、プロエディターUIスキンや高度なアナリティクスなど、より高度な機能を搭載しています。
Unity Pro
Unity Proはゲーム開発によって利益を生み出し、高度なカスタマイゼーションを望むプロフェッショナル向けのライセンスです。
Unity Proではより高度なサービス提供があること、200人同時接続プレイヤー機能などPlus版よりも高度なアプリケーションの開発が可能になります。
各ライセンスごとの違い
ここからライセンスごとのより具体的な違いを解説していきます。
価格
まずはじめに一番重要であろう価格から違いを見ていきましょう。
- Personal:無料
- Plus:月額4,200円(年額で支払うと割引あり)
- Pro:月額15,000円
以上のような価格の違いがあります。
また、Unityで開発したゲームで収益が出るようになった場合は以下の制約があるので注意しましょう。
- Personal:ご自身または所属する会社の年間収益、もしくは資金調達が20万米ドル以下
- Plus:ご自身または所属する会社の年間収益、もしくは資金調達が20万米ドル以下
- Pro:ご自身または所属する会社の年間収益、もしくは資金調達が20万米ドルを超える(制約なし)
すでに以上のような収益見込みがある場合は注意しましょう。
また、月額の利用価格だけを見てもこの価格が適正な価格なのか検討しづらいのでここから具体的に機能・サービスの比較をしていきます。
学習コンテンツ
具体的な機能の一つ目として学習コンテンツを比較してみます。
- Personal:無料チュートリアル(日本語/英語)
- Plus:Personalのコンテンツ+Unity Game Dev Courses(英語)へのアクセス権1年分+Unity Success Advisor(英語)
- Pro:Plusのコンテンツ+プレミアムサポート(英語)へのアクセス
以上のような学習コンテンツの違いがあります。
学習コンテンツに関して、英語を不自由なく使うことができればPlusとProはUnityスキル習得の大きなサポートになりそうです。しかし、英語があまり得意でない方にとってはPlusとProの有料版を使う利点はあまり得られないかもしれません。
簡単にUnity Game Dev CoursesとUnity Success Advisorの説明をしておきます。
Unity Game Dev Courses
まずUnity Game Dev Coursesは、Unityの基礎的なスキルに加えて、アート・ゲーム設計・プログラミング技術の3つを学ぶことができます。どれか一つに特化することも可能で、手っ取り早くゲーム開発のスキルを身に付けたい方にはとても良いコンテンツです。
また、Unity Game Dev Coursesはこの学習コンテンツのみに登録することも可能で、月額12ドルで登録することが可能です。
Unity Success Advisor
次にUnity Success Advisorについて、こちらは実際にUnityスペシャリストと直接チャットすることが可能で、Unityでの問題点を即時解決することができます。しかし、現状の問題点として英語のみのサービスですのでご注意ください。
また、Unityエンジニアが主催する限定イベントなどにも参加することができるので、英語が使えてアクティブな人にとって、とても良いサービスです。
Unity県人会議
ライセンスは関係ありませんが、学習関連として「Unity県人会議」をご紹介しておきます。
Unity県人会議とは、少人数での勉強会から100人規模のセミナーまで、全国各地で開催されているUnity関連のイベントのことです。(公式より)
Webサイトから自分のレベルに合ったセミナーを見つけて参加することができます。
また、イベントやセミナーを開催したい人に対する支援等も行っています。
Unity初心者の方は、積極的に参加してスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
開発機能
ここからは開発を進める上での違いをご紹介していきます。ここでは特に気になる特典および機能をご紹介します。
※カッコ内のライセンスで使える特典および機能です。
アセットストアでの割引(Plus、Pro)
有料版のライセンス(PlusとPro)のどちらもアセットストアでの20%割引特典があります。普段の開発でアセットストアで有料のアセットを大量に購入している方にとっては大きな割引になるので、この特典は有料版の使用を考える大きな要因になるのではないでしょうか。
Multiplayer: 同時接続プレイヤー
今流行りのゲームには100人でオンライン対戦ができるゲームなどがありますね。そのような大人数で接続できるゲームを作りたい方にとってこの機能は重要だと思います。以下、それぞれのライセンスで同時接続可能なプレイヤーの人数を比較します。
- Personal:20人
- Plus:50人
- Pro:200人
以上のような違いがあります。
大人数で遊べるオンラインゲームを作成したい場合は無料版では限界がありそうです。
Analytics: 3D ヒートマップによる視覚化(Pro)
この機能はゲーム中のプレイヤーの行動、課金をしているかなど、2D/3Dゲーム内で何が起きているか把握することができます。この機能はPro版にしかない機能で、ゲーム開発で収益を得たい方には必須の機能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Unityのライセンスにも無料版と有料版が存在し、有料版にも2種類あります。どのライセンスを使用するかは今現在の皆様のゲーム開発の仕方で判断の基準が変わると思いますが、その一助となれば幸いです。
また、Unityはまだまだ日本語の学習コンテンツが少ないツールですが、日本人Unityエンジニアが一人でも増えて、ゲーム開発やXR分野(AR/VR/MR)の開発が発展してほしいと思います。
最後に、Unityのアプリケーション開発についてこちらの記事でご紹介しておりますので是非ご参考ください。
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