スマートグラス「Vuzix Blade」徹底解説 – 2019はAR元年になるか?
メガネ型のデバイスにARを投影してユーザーに新たな体験をもたらすスマートグラスは様々なプロダクトが2019年にリリースされると言われていますが、中でも本命とも言われているのが今回紹介する「Vuzix Blade」です。
2018年11月に企業向けARグラス「Blade Edge」が販売され、間もない2019年2月に一般層向けの販売が発表されました。
今回の記事では2019年2月に発売されたばかりのこの「Vuzix Blade」の価格や性能、日本での購入方法について徹底解説します。
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Contents
Vuzix Bladeとは – 1分でARグラスの概要を解説
「Vuzix Blade」は『Vuzix』が開発・販売するスマートグラス(ARグラス)と呼ばれる最新モバイルで、2018年にtoB向けの販売が発表され、2019年には一般販売が発表されました。
『スマートグラス』と聞くと、2012年にGoogleが大々的に発表して話題をよんだ『Google Glass』を思い出される方も多いかもしれません。
Google Glassはメガネ型の端末にAR(拡張現実)を表示する未来のデバイスとして大きな話題となりましたが、プライバシー侵害などの懸念が示され、ついに一般発売されることはありませんでした。
※Google Glassに関する最新情報:
Google Glassはオワコンじゃない?「第二世代」現在の姿と今後の展望
時は流れて2019年。Googleが拓いたスマートグラスというジャンルがついに花開くときがやってきました。
2018年11月に企業向けのモデル「Blade Edge」が発表され、
2019年1月にラスベガスで開催された『CES/コンシューマー・エレクトロニクス・ショー』で一般ユーザー向けの新型「Vuzix Blade」の一般発売がアナウンスされたのです。
最大の特徴は高いデザイン性と自然な装着感
こちらの画像から分かるように、「Vuzix Blade」は
- 見た目が通常の眼鏡に近い
- グラスに直接映像を投影することで自然な装着感を実現
という特徴があります。
『Google Glass』はいかにも「The デバイス」といったようなスタイルがプライバシーへの懸念を引き起こす最大の要因ともなりましたが、この「Blade Edge」は見て分かる通り、ちょっとゴツ目のサングラスでしかありません。
これなら、普段の生活の中でも自然に用いることができるでしょう。
またGoogle Glassが本体をメガネの片側に取り付け、グラスに画像を表示する仕組みに対し、「Vuzix Blade」はメガネそのものがデバイスとなっているため、普通のサングラスをかけているかのような自然な装着感となっています。
vuzix bladeの価格・スペックについて
では、気になる「Vuzix Blade」について見てみましょう。
<光学>
- ウェーブガイドを利用した光学シースルーディスプレイ
- コブラ2 DLP光学エンジン
- フルカラー DLP ディスプレイ
- ARM系クアッドコアCPU
- 800万画素カメラ(動画は1080p対応)
- Androd OS
<オーディオ>
- マイクロUSB イヤホンジャック
- Bluetooth接続
- ノイズキャンセリング対応マイク
<操作>
- 音声コマンド 多言語対応
- タッチパッド ジェスチャー操作
- 頭の動きによる操作
- ハプティックバイブレーション
- AndroidとiOS対応のリモコンアプリ
<接続>
- 拡張マイクロSDスロット
- Wi-Fi、Bluetooth
- マイクロUSB
<メガネ利用者へのオプション>
- 処方レンズホルダー
- 複数のレンズ色を選択可能
- フォトクロミックレンズ(調光レンズ)
- すべてのレンズは標準UVプロテクション
<電池>
- 充電可能な内蔵リチウムイオンポリマー電池
<価格>
- 999.99ドル(約10万8000円)
「Vuzix Blade」はAR技術を用いた視界に情報を表示するスマートグラスですが、Microsoftの『HoloLens』のような空間認識機能は搭載されていません。
では、実際に「Vuzix Blade」を使ってどのような体験がもたらされるのか。CESで発表された、『Vuzix Bladeがある1日』のムービーをご覧ください
「Vuzix Blade」で出来る主な機能はスマホを介したデータの送受信や表示。
スマートウォッチの機能がそのまま目の前にやってきたと考えると分かりやすいでしょう。
しかし、ARによって現実世界の中に現れる情報表示は、スマートウォッチとは明らかに一線を画しています。
メールや画像、テキストメッセージなどのデータや位置情報、マッピング情報が空中に表示される体験はまさに画期的。
自分のスマホ画面に表示される情報や通知をスマホを手に持っているのと同じ感覚で、両手を使わずに「Vuzix Blade」でやり取りが出来るのは、こんなにも便利なことかと驚かされます。
「Vuzix Blade」対応アプリの開発も行われており、
- Amazon『Alexa』との統合
- カラオケ
- ゲーム
- 翻訳機能
など、実用的なものからエンターテイメントまで幅広いアプリが用意されています。
「Vuzix Blade」のアメリカ国内での販売価格は999.99ドル(10万円)。
決して安い価格ではありませんが、iPhone XSの64GBのアメリカ販売価格が999ドルということを考えると、こんなものかもしれません。
最新の技術を手にする価値や喜びと天秤にかけてみてください。
Vuzix Blade購入方法 – 日本で購入できる?
アメリカで発表されたばかりの「Vuzix Blade」ですが、ここ日本でもオンラインストアの『VUZIX SHOP』を通して購入可能です。
現在入荷次第の発送となり、在庫もわずかとなっているため、「Vuzix Blade」を手にとってみたい人はお早めに。
国内外の感想やレビュー:CESでの評判は?
では、実際にアメリカで開かれたCESのブースで「Vuzix Blade」に触れてみた人の感想やレビューを見てみましょう。
Our @Vuzix Blade is here! It’s really comfortable, I’m looking forward to making an app. #AR #VuzixBlade pic.twitter.com/9rwVSHsAN6
— Peter (@WackoMedia) 2018年9月24日
日本語訳:「Vuzix Blade」を今手にしている!これは本当に快適なデバイスで、これからアプリを開発できることを本当に楽しみにしているよ。
Stop by booth 507 at #AWE2018 for what everyone is calling a “cool” experience. It is after all, the #VuzixBlade—superior #fashion friendly smartglasses pic.twitter.com/CP8fkhAImw
— Vuzix Blade (@VuzixBlade) 2018年6月1日
日本語訳:「Vuzix Blade」に来ると、最高にクールな体験が得られます!これはとても特別で、親しみの持てるスマートグラスなんです。
他にも「Vuzix Blade」の感想を見てみると、次のような意見が大勢でした。
- とても軽い。本当に普通のサングラスをかけているかのような、自然な装着感が素晴らしい。
- 操作が簡単。メガネのツルの部分をスワイプさせる操作方法はとても直感的かつ未来的。
- 目の焦点が自然と合うのが驚き!これなら普通の生活の中で使えそう。
- スマホを操作しなくて済むのがとても便利
CESというショーの性質上アプリ開発者やIT関係者のコメントが多かったのですが、どれもポジティブなものばかり。
普段から最新技術に触れている人たちの感想ですから、重みがありますよね。
遂にコンシューマー向けにARグラスが実用化した2019年。今年はスマートグラス・ARグラス元年になるのでしょうか。
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まとめ
『Google Glass』の発表から早くも7年が過ぎ、ITを取り巻くテクノロジーは大きく進歩しました。
そのことは「Vuzix Blade」の製品としての完成度の高さによく現れています。
ディスプレイ技術の向上と、母艦となるスマホ本体の技術向上によって、スマートグラスがようやく『普通に』使える時代が到来しようとしています。
スマホと違って目の前に情報が表示される『情報との距離感』は、私たちの生活を劇的に向上させる可能性を秘めています。
「Vuzix Blade」に慣れてしまうと、スマホを取り出すのが億劫に感じられるかもしれません。
「Vuzix Blade」の日本での販売価格が税込みで約13万円とまだ手が届きずらいのは事実ですが、「Vuzix Blade」によって幕が開いたスマートグラスの時代は、これから確実にやってくるでしょう。
後々になって振り返ってみると、2019年は確かにスマートグラス元年だった、と言われているかもしれません。
ぜひ今から「Vuzix Blade」、そしてスマートグラス(略はスマグラ?)要注目です!
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