VR元年から3年、2018年こそVRは市場に普及するのか?
みなさんは「VR元年」という言葉を聞いたことはありますか?
2016年に各社から一般消費者向けにVRデバイスが発表されたことから、2016年を「VR元年」と呼ぶようになりました。
しかし、残念ながらまだVRは世間一般にとって当たり前のものにはなっていません。
今回は「VR元年」と呼ばれた2016年から現在までにおけるVRの変遷についてご紹介していきたいと思います。
VR元年と呼ばれた2016年…
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— Oculus Rift (@OculusRift) 2018年1月5日
VR元年と呼ばれる2016年は、Oculus社の「Oculus Rift」発売から立て続けに「HTC Vive」や「PlayStation VR」といったHMD型(ヘッドマウントディスプレイ型)のVR端末が発売されたことによって、高クオリティなVR体験が一般家庭でも味わえるようになりました。
特にPlayStation VRはPS4と併せても10万円以下で購入出来ることから発売当社は在庫切れで2か月待ちという状況にまでなっています。
またハイエンドモデルとは逆行して、誰でも手軽にVR体験が出来るモデルとしてダンボール製のスマホ用VR端末である「Google Cardboard」や「ハコスコ」が初めて提供されたのも2016年のこと。
没入感は薄れるもののVR端末の市場普及のきっかけとなる低価格モデルがリリースされたのは大きな出来事です。
そもそもVRは1960年代から主に海外で研究が進められており、アメリカの研究者であるアイバン・サザランド氏によって、1968年に世界初のHMD型のVR端末が発表されていました。
しかし、当時のVRはかなりの高価格であり、一般利用するにはスペックも物足りないものでした。
そういった意味で確かに2016年はVRが一般消費者の手に届くようになったということではVR元年と言えるかもしれません。
しかしながら、ハイエンドモデルを体験するには安くても10万円近い値段がするということから、多くの消費者にとっては手が出しづらく、VR対応したコンテンツも少ないことから一部の人にとってだけのブームというのが2016年のVR事情となりました。
2017年:VRへの投資は進んだが市場普及は…
World, meet Magic Leap One. Magic Leap One, meet the world. More at: https://t.co/LbHY82tYUC pic.twitter.com/2iXgyPs21K
— Magic Leap (@magicleap) 2017年12月20日
2016年のVR元年において市場でVR普及しなかったことから、2017年こそが本当のVR元年だという有識者も多いですが、2017年も残念ながらVRが市場に普及したとは言えない年でした。
世界においてはVRのみならずARといった拡張現実にも注目が集まり、世界ではVR/AR領域に約25億ドルの投資が行われていました。特に2017年10月にはARヘッドセットの開発を行うアメリカのMagic Leap社は5億ドルの資金調達を実施するなどVR/AR領域は次なる大型市場として期待を寄せられていました。
しかし、実態として多くの企業がVRのコンシューマー市場の立ち上がりの遅さを原因に市場撤退を余儀なくされています。2017年のPlayStation VRの出荷台数は2017年12月に200万台を突破していますが、2016年12月時点でPS4が累計5000万台を出荷されていることを踏まえると、デバイスとしても市場にはまだ一部にしか普及していないという状況です。(他社のVR端末を加えても、市場全体として300~400万台の出荷台数だと推計されています)
また各社はVR端末の市場普及を目指して格安セールを実施しましたが、そもそもの端末の低価格化はそこまで進まず、VRコンテンツ自体の制作コストが高くつくことからキラーコンテンツとなるサービスもなかなか出てこなかったのが実情です。
2017年はビジネス市場としては盛り上がりを見せたものの、コンシューマー市場においては普及しきれなかった年となりました。
2018年こそ「真のVR元年」になるか?
With #OculusGo headsets out in the wild, we want to hear how you’ve been showing off Standalone VR to your friends and family. Share your favorite demo content, reaction videos, and GIFs and let us see how you #ShowOculusGo! pic.twitter.com/MjO8GjRxtx
— Oculus (@oculus) 2018年5月7日
2016年~2017年とVR市場はなかなか一般普及されなかったという事実がありますが、多くの有識者は2018年から本当のVRの市場普及が始まると推測しています。
その理由として大きいのが、外部機器を必要とせず端末のみでVR体験が可能となる「一体型VRゴーグル」が登場することによって、これまで課題として挙げられていた「導入の手間」と「導入コスト」が改善されるということです。
Oculus社が提供する「Oculus Go」は32GBモデルで23800円、64GBモデルで29800円と低価格化が2018年に入ってから一気に加速しました。
また日本におけるVRの第一人者ともいえるgumi社の國光氏も「399ドルを切るタイミングでVRは一気に市場に普及するだろう」と発言しています。
(参考元:「サンキュッキュ」でVR市場は立ち上がる!gumi國光が予言する2018年のグローバルVRマーケット)
またエンタメ分野においても2018年4月にVRをテーマにした映画「レディ・プレイヤー1」が放映されるなど、VRへの注目度が再び高まっています。
他にもバーチャルYoutuberの登場により、VRを通じたSNSコミュニティの拡大も想定されるなど2018年はVRの市場浸透期になる可能性が高いと期待を集めていますよ。
VR市場の今後
2016年~現在までにおけるVR市場の盛り上がりを「VR元年」というキーワードを軸に考察してきましたが、2016年や2017年と比較して2018年はVRが本格的に市場浸透していきそうですね。
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2018年も半分の折り返し地点に来ていますが、残り半年でどのようなニュースが出てくるのかが楽しみです。今後もVRやARに関する情報をどんどん投稿していきますので、是非お見逃しないようにしてください!^^
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