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【大学 ARサークル】Spatial Computing Labの第1期生の作品に迫る!


大学生のAR/MRクリエイターが集い、アイデアを形にするクリエイティブサークル「Spatial Computing Lab」。

本記事では、その第1期生が創作した作品について紹介していきます。

アイデアにあふれる若手クリエイターの熱意ある作品の数々、是非最後までご覧ください!

S.C.Lの応募はこちらから

Spatial Computing Lab とは?

Spatial Computing Lab(以下S.C.L)は、「Draw the Spatial World」をミッションとした大学生のためのAR/MRクリエイティブコミュニティです。

先端知を「創造」し、世界に「発信/還元」することで、空間コンピューティングが浸透する未来(Spatial World)を引き寄せることを目的としています。

昨年2019年の12月に第1期生を迎え、3ヶ月の創作期間を通してアイデアを形にしてもらいました。

本プログラムでは、MRデバイス「Magic Leap One」向けのアプリケーションの開発に挑戦しました。

ARVJ

作品紹介

Created by:LAKU、U-shop、よっしー

「ARVJ」は「VJの操作をMagic Leapで行いたい」というモチベーションのもと、制作されました。

VJとはクラブやイベントでDJの後ろや巨大なモニターに流れる映像を担当する役職のこと。Video Jockeyの略。

現在VJ操作のほとんどは、PCのモニターを確認しながらマウスやMIDIコントローラで行うのが主流です。

そこで、本作品では物理的なモニターやツマミは一切用いずに、MagicLeapを装着するだけで空間にVJ操作のインターフェースを表示し、身軽にかつスマートにVJパフォーマンスをすることを目指しました。

Unityで作成したMagicLeapアプリに表示されたボタンやスライダーでの操作を、ネットワーク通信を介してPCに送り、VJソフト「VDMX5」の入力としてインプットしています。そして、VDMX5でミックスされた映像がプロジェクターでスクリーンに出力される、という仕組みです。

OSC通信を使用しているため、Touch DesignerQLC+(照明設備操作ソフト)など、MIDIが使えるソフトであれば大半は使用できるとのことです。すごいです!

完成したアプリでは、左右に割り振られた映像をそれぞれ選択し、中央のスライダーをMagicLeapのコントローラのタッチパッドで操作することで、映像の複合度をリアルタイムで変化させることができます。

MagicLeap一つで遅延なくVJ操作ができ、はじめてVJ操作をする筆者もテンションがあがりました。

近い将来、ARグラス一つでVJパフォーマンスをするアーティストが出てくるかもしれませんね。

メンバーコメント(LAKU)

【作品についてのコメント】

普段VJをする際の操作画面はPCやモニターであり、画面の広さに煩わしさを感じることも少なくありません。

そこでMagic Leapを用いることで(視野角の制限はありますが)PC画面より広いUIでの操作を狙いました。

ARVJで実現したことは”仮想midiコントローラーを作ってVDMXを操作すること”なので、今回実装できなかった動画素材を増やすやエフェクトをつけるなど、VJでmidiコントローラーを用いてできることは理論上ほぼ実装可能です。(QLC+、TouchDesinerとの互換も動作確認済みです。

【プログラムを経ての感想】

構想を練ることに夢中で他の二人に雑な開発の投げ方をしてしまったので、設計・実装してくれた二人に感謝しつつ反省しています。

S.C.Lの活動を通して、プロジェクトの上流工程の重要性を思い知りました。

Doremi Squash

作品紹介

Created by:Tetsuro Okuya

「Doremi Squash」は、周囲の空間に応じて難易度や楽しみ方が変化するSpatial時代のスポーツです。

アプリを起動すると、周囲の環境を認識して物理空間の壁や床と同じ場所に「赤い壁や床」が出現します。

同時にMagicLeapのコントローラがテニスのラケットのようなものに変化しており、そのラケットで青いボールを赤い壁や床に向かって打ちます。

制限時間ありのポイント制のスポーツで、壁から跳ね返ってきたボールを打ち返すとポイントが加算され、連続で打ち返すと徐々に加算ポイントが高くなります。

獲得ポイントを指標に自分の実力を伸ばすこともできれば、ランキング機能も付いているため他のプレイヤーとポイントを競い合うこともできます!

筆者も挑戦してみましたが、ボールを打つ時に手に伝わってくる振動が本当に打っているようなリアリティで、しかも音や光による演出が豊かなため、制限時間を忘れて没頭してしまいました。

思わず強く打ってしまうとボールの速度もあがり、あらぬ方向に飛んでしまうこともあったため難易度も程よく、何回も遊びたくなるような仕掛けになっていました。

ポイントがランキングで表示されるので、競争意欲も掻き立てられます。

SpatialComputing時代のスポーツのカタチを感じることが出来ました。

メンバーコメント(Tetsuro Okuya)

【プログラムを経ての感想】

開発中のコンテンツをごく初期の段階からお互いに体験して感想を言い合える環境はとても貴重でした。

自分以外の誰かに作品のコンセプトや遊び方を声に出して説明することではじめて理解できることもたくさんあったと強く感じています。

Spatial History

作品紹介

Created by:村上,伊藤,高村,吉田,高見

「Spatial History」は、Spatial Computingが普及した未来の観光の形を提案するコンテンツです。

歴史的建造物の付近にデジタルのオブジェクトが出現し、その場で起きた歴史的出来事を現実世界と重ね合わせて見ることができます。

本来は実際の街や建物に重ね合わさる形での体験を想定していますが、今回はプロトタイピングということもあり、ミニチュアサイズの街をバーチャルで用意して体験のエッセンスを再現しました。

MagicLeapを装着すると大阪城付近の街が広がります。手元に現れる再生ボタンを選択すると、1585年の大阪城天守の完成から、火災や落雷による焼失を経て、1931年の3代目天守閣の再建までの様子を立体的に見ることができます。

3Dのアニメーションや、ナレーションによる説明もついており、歩き回ることで大阪城をあらゆる角度から見ることができます。

これまで史実の再現の多くは、2次元の映像か、動きのないジオラマで再現されるのみでしたが、このAR Historyでは3次元かつどの方向からも見られるアニメーションを体験することができます。これまでにない歴史体験に、筆者も感動しました。

メンバーコメント

【作品について】

Spatial HistoryはSpatial Computingが普及した未来での観光のあり方を提案するものです。

本作品はユーザーがジオラマ形式で体験し、実寸台で観光するイメージをしてもらうことを目指して作成され、空間UIやマルチプレイが実装されています。

コンテンツとしては大阪城を取り上げ、歴史上の有名な出来事をアニメーションやエフェクトを駆使して、Spatialチックに表現しました。

【プログラムを経ての感想】

SCLとしては大規模なチームビルディングを行い、結果としてコンセプトや目的、コンテンツの表現の仕方の議論が活発化し、クオリティの高い作品が作れたと考えています。

また、大人数なので役割が分散されて、心身共に個人でやるより余裕を持てたと思います。

反省点としては、後半の新型コロナウイルスによる活動の不活化に早急に対処できなかったことです。

しかし、これによりリモートワークやオンライン会議の知見を得られたので、今後のチーム制作に活かしていきたいですね。

Alones

作品紹介

Created by:みず(水原遼)

「Alones」は「一人でもくもくと作業をする際に、孤独を共にする仲間が欲しい!」という思いから制作されました。

~人間は、時としてぶつかりながらも共に生きる、社会的な生き物です。時として孤独にならなければいけない時もありますが、ふと目を向ければ仲間がいる… そんな状況に心温まり、作業も捗るものです。~

本作品では、バーチャルな女性が現実の椅子にあたかも座っているかのようにその場に存在する「実在感」を重視しています。

実際に体験した筆者は、その実在感の高さに驚きました。特にバーチャルな女性が自分にアクションをしてくるわけではないのですが、近くで一緒に作業をしているということを意識していまい、妙にドキドキしてしまいます。

時折見せる、眠たそうな様子だったり、こちらをチラッと見てくる様子は、それがバーチャルな存在であるということを忘れさせるほど実在感のあるものでした。

メンバーコメント(みず)

【作品について】

普段一人で勉強とか作業をするとき,孤独な時間を一緒に過ごしてくれる仲間がいたら心強いなと思ったのがこの作品を作るきっかけです.

作業に疲れ、ふとそこへ視線を向けると仲間がいる。会話は無くても、存在を感じるだけでなんだか嬉しい。

あたかもそこに人がいるような感覚を得られるように、キャラクタには呼吸をさせたり、姿勢を時折変えさせたりなどの工夫をありったけ詰め込みました。

孤独だけど、一人じゃない。そんな気持ちを味わっていただければと思います。

【プログラムを経ての感想】

とにかく、作りたいものを作らせていただけたのが大変嬉しかったです。

そして、それをコミュニティの皆さんにフィードバックを貰いつつ開発していけたのは、僕にとって大変貴重な経験になりました。

開発メンバーは僕一人ですが、メンバーの皆さんの協力があって完成できたと思っています.

本当にありがとうございました!

さいごに

以上、Spatial Computing Lab 第1期生の作品の紹介になります。

SCLは引き続き彼ら1期生の作品制作をサポートしつつ、第2期生の募集に向けて準備を進めています。

次世代を担うXRクリエイターの登竜門となるよう努力してまいりますので、応援のほどよろしくお願いします!

S.C.Lの活動に興味のある学生の皆さん、ご連絡お待ちしております!

S.C.Lの次期応募はこちらから

また、MagicLeapの開発に興味がある方は以下の記事もご参考ください。

参考記事)【MagicLeap入門】Unityのセットアップ手順を1から解説!


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