Nreal Ltd.直撃取材!日本支部トップが語る、MRの未来に懸ける想いとクリエイターへのメッセージ
XR-Hubによる、XR業界の先駆者と知を共創するコンテンツ「XR Innovators Talk」。
今回は、記念すべき第10弾ということで、現在MR業界を席巻している大注目のハードウェア「NrealLight」開発元のNreal Ltd.より
- 日本支部/韓国支部の代表兼本社ヴァイス・プレジデント Joshua Yeoさん
- セールスマネージャー Hyungsoo Shinさん
に取材して来ました!
- ハードデバイスやSDK開発における拘り
- ベールに包まれているNreal Ltd.の組織文化
- 6D.aiとの提携など、最新のニュースに関するQ&A
- 日本のクリエイター・開発企業へのアツいメッセージ
など、非常に貴重なお話を伺うことができました。XR業界に関わる方、必見です。
それでは本編スタートです!
Contents
NrealLightにおけるハードとソフトの拘り
今日は宜しくお願い致します。
まずは、「NrealLight」の開発において、重視されたポイントについてお伺いさせて頂けますでしょうか。
Joshua氏:NrealLightの開発の置いて重視したポイントは
- 小さい
- 軽い
- (性能が)強い
の3点です。
特に「小さいこと」「軽いこと」は、コンシューマーに対しても広く浸透させて行くことを前提にNrealLightを開発していたため、非常に重視していました。
解像度の高さや軽量感といったハイペックさを保ちつつ、リーズナブルな価格が実現したのは何故なのでしょうか?
Joshua氏: コンピューターユニットとして、スマートフォンを使用することを前提にしたこと です。
今後も「サイズ・軽さ」といったの使いやすさを追及し、みなさんが期待する未来のMRグラスに向けて機能とデザインを進化させます。加えて価格自体もリーズナブルな価格を維持し、一般消費者のみなさんのMR体験をより豊かなものにしていきたいと考えています。
NrealLightのこれからのアップデートが楽しみです…。
真摯にクリエイターの声と向き合う
では、続いて「NRSDK」の開発において御社が大事にしている点を教えていただけますでしょうか。
Joshua氏:NRSDKは、とにかくクリエイター・開発者のみなさんが開発しやすい環境にすることを心がけており、クリエイターの方の声を吸い上げる仕組み作りに注力しています。
日本も含めて全世界でディベロッパー向けのセミナーを開催し、参加してくださった方々から様々なフィードバックを頂きました。
- どんな機能を搭載して欲しいか
- 現状のNRSDKの中で弱い部分はどこか
- 特定機能ついてのリクエスト
などの要望を集め、常に機能を改良し続けています。
また、特に日本ではtwitterを使って積極的に開発者の方々の声を集めていますね。
少ない人員で全ての要望を確認するのは大変ですが、貴重な開発者のリアルなご意見なので毎日社員が確認するようにし、参考になった意見や機能は全て反映しています。
楽しみにしていてください。
MRの未来に懸ける熱いNreal Ltd.の社員たち – 知られざる組織像に迫る
御社はハードの開発とソフトの開発、両軸で高い技術力をお持ちですよね…
それを可能にしている、御社の社風の特徴や組織文化についてお聞きできますでしょうか。
Joshua氏:弊社は、全メンバーが主体的に働いていることが大きな特徴です。
メンバー全員が強い責任感を持って、MRの現実化という夢を実現するために全力を尽くしています。
法人立ち上げ以降、会社全体がワンチームになり、全力で、かつ効率を追求して働いた結果、NrealLightリリースまでの時間を短縮することができたと思います。
熱量の高い努力家が多い、スタートアップによくある社風だと思います。
全社員が持つ”MRの普及”という夢
Shin氏: メンバーのモチベーションの源泉は、「”MRの普及”という夢を実現したい」という強い願いです。これはNreal Ltd.社全員が持っている強烈な共通のビジョンなのです。
技術の進化を待つのではなく「自ら進化させていくのだ」という一心で、全員が同じゴールに向かって働いていることを感じます。
もちろん社員にとって働きやすい環境は用意しており、福利厚生は豊富に取り揃えてはいます。
スマートな製品のとは裏腹に、泥臭いスタートアップ色が強いんですね。
ちなみに今、何名ぐらいの社員の方がいらっしゃるのでしょうか?
エンジニアの比率とメンバーの方のご経歴も合わせてお聞きしたいです。
Joshua氏:社員数は約120人で、その内多くはエンジニアです。開発エンジニアが中心となって会社を動かしています。
メンバーの国籍も様々で、約3割はアメリカをはじめとした世界各国の人材を採用しています。
世界的にも有名な企業から来た人材が多く、非常に多様で、優秀なメンバーばかりです。
その採用力の源泉はどういった部分なのでしょうか?
Joshua氏:「MR」という我々が実現したい世界観が魅力的であること、そして何よりNrealLightという製品が魅力的であることだと思います。
私自身、CES2019で初めてNrealLightを装着して感動し、Nreal Ltd.との協業について話す中で会社の将来性を感じたことが入社のきっかけです。
Joshua氏:元々XRやAIに関連した仕事をしていたこともありCESでNrealLightを装着した時は衝撃的でしたし、Nreal Ltd.のメンバーと話していく内に会社・組織にも魅力を感じ「この会社は将来必ず成功する」と確信しました。
いくつかのXR企業は見ていましたが、プロダクトと組織、そして企業ビジョンからこの会社への参画を決めました。
CEO Chi氏は「会社で一番アツい男」
120人全員が夢を持って、自主的に開発し続ける…素晴らしい組織ですね。
そんなカルチャーを作り上げたCEOのChi氏は、どんな方なのでしょうか?
Joshua氏: ChiはとにかくMRの未来について考えています。
彼は「将来的に、MRグラスを携帯電話のように誰でも使えるデバイスにする」という夢があり、その実現のために技術や製品開発、他の企業とのパートナーシップの提携に向けて常に動き続け、考え続けています。
ありがとうございます。
Shinさんから見たCEOは、どんな方でしょうか。
Shin氏:Chiは会社で一番アツい男です。
仕事への拘りや会社のメンバーに対する想いが強く、社員全員の声を聞きながら常に会社や業界の将来を考えています。
一方で、スピード感もあります。
ソフトウェアエンジニア出身ということもあり、極めて効率的に仕事をしているのだと思います。
効率的に仕事しつつも、会社やメンバーへ想いがの強い、アツい方なのですね…。
Nreal Ltd.社のリリースに関するQ&A !6D.aiとの連携や「Project Eve」の背景など
ここからは、最近のNreal Ltd.社のリリースや動向に関する質問をいくつかさせて頂きます。
Q1:6D.ai社との取り組みはどんな内容になるのか?
Shin氏:8月の発表以降様々な方からお問い合わせ頂きましたが、現時点では具体的なプランなどについてお伝えすることはできません。
明確になってから、改めて正式なリリースを出すと思います。
Joshua氏:ちなみに、Nreal Ltd.は6D.ai社だけでなく他の企業との取り組みにも注力しています。
例えばARクラウド技術を持つ会社とも共同開発していて、 日本ではあまりフォーカスされていませんが6D.aiとの取り組みと同じぐらい注力しています 。
やはりコンテンツを開発するには時間やリソースが必要なので、積極的にパートナーを見つけて開発していければと考えています。
Q2:日本市場に注力する背景は?
Joshua氏:日本のエンジニアやクリエイターの方々が製作したアプリケーションが高品質だったからですね。
5月末でSDKのオープン以降、SDKのダウンロード数も日本がアメリカに続いて2番目に多かったですし、プロダクトの品質やアイデアは世界で最も良かったのです。
MRのエコシステムを形成していく上で、高品質なコンテンツの豊富な供給は必須です。
そういった背景もあり、日本のMR市場への参入がベストなのでは?という結論に至りました。
Q3:NrealLightを活用したユースケース・引き合いの多い業界は?
Shin氏:私達は色んなユースケース作っていくために特定分野を限定せず、可能性のある全ての分野をサポートをしていく予定です。
今回のCEATECではKDDIと凸版印刷に協力して頂きましたが、実際にこういった展示会でオリジナルコンテンツのデモを行うのも今回が日本で初めてです。
これまでのイベントのブースでは弊社が作成したデモを出展していました。
今回は、「ARミュージアム」というテーマで、東京国立博物館に置いてある国宝をARで体験できるようになっています。
日本では特に観光領域は引き合いが多く、来年はオリンピックが開催されることもあり地方への観光客の増加も期待できるため、「MRで地方の魅力や美しさをアピールする」ということを目指して各社開発されています。
他にも、toCだとエンターテイメント領域、toBだと建設、不動産、SNSや教育領域など幅広く提案頂いています。
Q4:大手の参入が激しいMR/ARグラス業界におけるNreal Ltd.の立ち位置は?
FacebookのARグラス参入宣言や2020年は噂のApple Glass登場の噂が囁かれる中で、御社はどのような立ち位置を目指していくのでしょうか?
Joshua氏:そうですね、5G回線の商用化に加えて、近いうちにAppleやGoogleといった大手の会社からもコンシューマー向けのMRグラスが発売されると想定しており、かなり業界の競争も激しくなっていくでしょう。
デバイスの普及がMR体験者数の増加をもたらし、それと並行してアプリケーションも普及していく中で「スマートフォンからスマートグラスへ」という波が本格的に訪れるのではないかと思います。
しかし、そういったMR時代の進化を、我々1社で引っ張っていくという考えはありません。
Shin氏:大手の会社が参入したとしても「自社のパイが少なくなること」を恐れるのではなく、大いに歓迎し社内外を超え、MR業界全体を盛り上げていきたい。
とはいえ、まだまだ大手も色々な制約などあって時間がかかるでしょうから、 Nreal Ltd.は「業界の成長のためにリスクを取って先陣を切っていく、旗振り役」になれればと思っています。
会社の皆さんがそういった想いをお持ちなのですね。
Shin氏:もちろんです。全員がMR業界の未来のことを考えていますから。
最後に、メッセージ。
最後に、本記事の読者の方々にメッセージを頂けますでしょうか。
Joshua氏:MR時代の幕開けのために、皆さんと一緒に良いエコシステムを作っていきたいです。
皆さんとであればMRの未来を作って行けると信じています。
Nreal Ltd.は精一杯皆さんの開発をサポートをしていきますので、我々と力を合わせて頂けると嬉しいです。
Shin氏:今のMR業界は「全てが世界初」になりうる環境です。
これはコンテンツを世界へ発信できるチャンスだと思います。
弊社としては、クリエイターの皆さんのアウトプットを日本だけではなく、世界へ発信する機会を全力でサポートしていきたいと思いますので、どんどんNreal Ltd.のドアをノックして頂きたいなと思います。
MR時代の夜明けは確実に近づいていますね…心のこもったメッセージ、ありがとうございます!
要チェック!Nreal Ltd.の採用情報について
Nreal Ltd.では今後日本市場での展開を強化するため、以下の職種を募集しているそうです。
「Nreal Ltd.の今後の事業展開に興味がある」「Nreal Ltd.のメンバーと働きたいと感じた」という方はぜひチェックしてみて下さい。
(1)マーケティング職
- 募集人数:若干名
- 業務内容:日本市場におけるマーケティング戦略立案・実行
- 必須スキル:日常会話レベルの中国語スキル(中国本社とのコミュニケーション有り)
- 優遇スキル:英語スキル、WEBデザインスキル
(2)エンジニア職
- 募集人数:若干名
- 業務内容:XRアプリ/システム開発、Product Manager、 日本の開発者支援(o)
- 必須スキル:3年以上のXR関連仕事経験者・Unity、3Dプログラミング、日常会話レベルの英語スキル
※連絡先:japan@nreal.ai
(履歴書・職務経歴書を送付)
まとめ
最後までご覧頂きまして、ありがとうございました!
今回はnreal社のJoshuaさん、Shinさんをインタビューさせて頂きました。
MR業界をハードの側面からリードするNreal Ltd.社のお二人のコメントやメッセージは、共感できる方も多かったのではないでしょうか?
この記事を読んで少しでも「Nreal Ltd.を応援したい」と思った方はぜひ、記事のシェア(ここをクリック)して頂けますと幸いです!
XR-Hubでは今後も「XR企業のリーダー達のインタビュー」を通じて、読者の皆さまに有益な記事を提供して参ります。
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