ドローンでVR動画を空撮!対応VRゴーグル/カメラから制作会社までご紹介


自由な飛行で空を駆け回るドローンで撮影した美しい映像が最近増えてきていますが、VR用360度カメラで撮影し、VRゴーグルを連携させることで自分が空を飛んでいるかのような疑似体験をすることが可能です。

技術の進化により、ドローンに360度カメラを搭載して360度空撮することも非常に手軽に行えるようになっています。

「ラジコンを、実際に自分が乗っているように操縦したい」というような誰しも一度は抱くような憧れを叶えてくれるのがVRとドローンの組み合わせです。

今回は

  • ドローンレース×VRの基本情報(撮影機材や仕組み)
  • VR撮影用おすすめドローン・VRゴーグル
  • ドローン撮影用VR対応カメラのおすすめ
  • VR×ドローン撮影事業を行う制作会社2選

を中心に、「VR×ドローン」にまつわる情報を徹底的に紹介していきます!

鳥の視点で見れる?ドローンレース×VRの使用機材や基本情報

ドローン×VRの撮影方法やVRゴーグルについて

いわゆるラジコンレースは操縦者が目視で本体を目で追いながら操縦しますが、ドローンレースでは手元の操縦機器にカメラ映像を映しながら操縦する「FPV:First Person View」という操作方法が利用されることが一般的です。

カメラ搭載のドローンはスマホアプリに対応している機種が多く、コントローラーにスマホを装着すれば簡単にドローンのカメラ映像を楽しみながら操縦することができます。

これをさらに進めたのがVRゴーグルを着用して、ドローン搭載カメラの映像を視界いっぱいに捉えながら操縦する方法です。

このVRゴーグルは「FPVゴーグル」と呼ばれています。

ドローンに搭載するカメラをVR対応(左目用・右目用)に対応させ、VRゴーグルにそれぞれの映像をリアルタイムで送ります。VRゴーグルを装着しているユーザーはこれにより自分が空を飛んでいるかのような疑似体験をし、まさに「鳥の視点」を体感することができるのです。

VR対応ドローンの楽しみ方:ドローンレースや空撮

ドローンや搭載されるカメラは日進月歩で高解像度化しており、VR技術や無線通信技術の向上によって美しい映像をほぼ遅延なく受信しながらドローンを操縦できるようになったのです。

こういった技術の進化による実現したのが、FPVドローンレースやドローン空撮です。

FPVゴーグルを使ってドローンを操縦するのはもちろんですが、パイロットが目視でドローンを操縦しつつ、隣でFPVゴーグルをかぶった人がフライトの映像をリアルタイムで鑑賞するといった楽しみ方も一般的です。

ドローンの規制には要注意!

しかしながら、日本ではドローンに関連する法律による規制があり、実はFPVゴーグルを使用したドローン操縦には大きな制約があります。

ドローン関連の規制について細かく書くと、それだけで一つの記事になってしまうためポイントだけ挙げますと

  • ドローンを飛ばしてはいけない場所や地域は決まっている(人口密集地などはダメ)
  • 夜間飛行はダメ
  • ドローンは目視により常時監視して飛行させなければならない
  • 目視外飛行をさせる場合には国土交通省への届け出が必要
  • FPVの映像転送によく使われる5.8Ghz帯の使用にはアマチュア無線免許4級が必要
  • FPV操縦での商用目的の空撮や測量には3級陸上特殊無線技士の資格が必要

以上のように結構ハードルが高いのです。(アマチュア無線4級はそれほど難しくありませんが)

なお、航空法の対象となるのは200グラム以上のドローンに対してであり、逆に200グラム未満のドローン(トイドローン)は航空法の規制から外れます。

2つのVR撮影対応ドローン(FPVゴーグル付き)から分かる「映像技術」と「飛行技術」の進化

では、VR映像の撮影に対応したドローンを2つ紹介します。

  • 操作の送受信がリアルタイムで可能
  • 映像が美しい
  • 飛行の操作性が安定している

という観点から選んでいきます。

VR撮影対応ドローン1:『Parrot DISCO FPV』(Parrot社)

次の動画で紹介するParrot社のDISCOは珍しい固定翼のドローンですが、そのとにかく気持ちの良い映像をまずはご覧ください。

Parrot DISCO FPVでは軸方向補正フルHD前方カメラ(1080p)搭載しており、加えてドローンとゴーグル・コントローラーにおける操作や美しい映像がリアルタイムで誤差なく送受信されます。

また、時速80kmでフライトが可能かつ45分耐久するバッテリーにより、長時間の爽快な飛行体験をすることができます。

Parrot DiscoはFPVでの飛行に非常に最適化されており、直線・急な曲線や激しい上下移動といった難易度の高いコースも快適に飛行できるような構造設計になっています。

こちらはParrot DISCO FPV専用のVRゴーグル『Parrot Cockpitglasses』。

このFPVゴーグルを装着することで、実際にドローンの視点で、あらゆる角度から世界を見渡すことが可能です。

臨場感満載で没入感が高く、かつ高度な操縦を好む方には非常におすすめのドローンセットでしょう。

公式ページ:Parrot DISCO FPV

VR撮影対応ドローン2:『DJI Mavic 2 Pro(DJI社)

DJIが提供する Mavic 2 Proは小型ながらHasselblad製カメラを搭載しており、有効画素数2000万画素、動画解像度4K/30fpsの美麗な映像を映し出します。

加えて、Mavic 2 Proは高度な自立飛行システムを持っており、

  • 障害物の自動回避
  • 自動追尾機能
  • GPS信号を利用し自動的に元の位置に帰還

といったことが可能。安心して操縦出来ます。

また、DJIでは専用のVRゴーグル「DJI Goggles」を用意しており、Mavic Proシリーズはワイヤレスでの利用が可能となっています。

※Phantom4シリーズやInspireシリーズでは有線接続での利用となります

※DJI Gogglesの使用周波数帯はDJI Gogglesなのでアマチュア無線免許4級が必要となります

DJI Mavic Pro – 紹介映像

価格は

  • Mavic 2 Pro:194,000円
  • DJI Goggles:49,800円

となります。

公式ページ:Mavic 2 Pro

360度撮影VR動画が出来るドローン機器は『Insta360 ONE X』一択!

ここまでVRゴーグル付きのドローンを紹介してきましたが、いずれも360度カメラを搭載しているわけではありません。

そもそも現時点で360度カメラを搭載しているドローンは存在せず、360度映像を空撮するのであればドローンに360度カメラをぶら下げて撮影する必要があります。

(そして、手持ちのVRゴーグルやヘッドセットで360度VR動画を視聴するイメージです)

ホバリングしての撮影はどうしても揺れてしまいますので、揺れに強い360度カメラが必須なのですが、これはもうInsta360 ONE Xの一択です。驚くくらいに映像がブレません。

Insta 360 ONE Xは動画の安定性(FlowState手ブレ補正)機能が圧倒的であるだけでなく、

  • 暗所での高画質な撮影が可能
  • Wi-Fiにも接続
  • 動画の再生速度・視点の自由な編集も可能

など、あらゆるスペックにいてトップクラス。快適な360度動画の撮影が可能ですので、ドローン撮影用に限らず非常に「買い」なプロダクトです。

※関連記事)
Insta360 ONEは買い?! 性能/評判レビュー/他製品との違いを解説!

360度撮影カメラで撮影する場合のドローンのおすすめ3選

話を戻しますと、Insta360 ONE Xは115グラムですので、これをぶら下げて飛べるドローンが必要になります。

では、360度カメラで撮影する場合のドローンを3つほど紹介していきます。

※Insta360 ONE Xの取り付けキットは、主にノーブランド品となりますがAmazonなどで販売されています

①DJI Phantom4 Pro

空撮用途に圧倒的な支持を誇るのはDJI Phantom4 Proです。

DJIというだけで安心感がありますが、Phantom4 Proは空撮用のドローンですので非常に安定した撮影が可能です。

特にinsta360 ONE Xとの組み合わせは最強と言っても良い程で、一般的な360度映像空撮用の機材としては最もおススメできる組み合わせです。

Phantom4 Proの価格は204,000円となっており、比較的値を張る金額ではありますが、一般のユーザーでもプロ並みの空撮を可能にしてくれるPhantom4 Proには十分金額に見合う価値があると言えるでしょう。

※Insta360 One X Under Phantom4 Plusトレーラー

※公式ページ:DJI Phantom4 Pro

②DJI Mavic 2 Pro2

先に紹介したMavic 2 Proですが、こちらは小型でコンパクトに折りたためることもあって、ホビー用途ではinsta360 ONE Xとの組み合わせで非常に多く使われています。

実は機体性能的にはMavic 2 ProとPhantom4 Proと大きな差はありません。Mavic 2 Proの方が新しいモデルであるためにPhantom4 Proの機能がかなり取り込まれています。

 

Mavic 2 Proは194,000円となっており、価格もPhantom4 Proと大差はありません。

個人用途であるならば、DJI Gogglesがワイヤレスで映像転送できるMavic 2 Proの方が魅力的と言えるでしょう。

※公式ページ:Mavic Pro2

③Parrot ANAFI

DJIと並びドローンメーカーの雄であるParrotからはANAFIをご紹介します。

この機種はMavic Pro2と直接的に競合する機種であり、2,100万画素のソニー製センサーを備え、4K/30pのHDR動画撮影に対応したドローン。

解像度を損なわず、フルHDで2.8倍、4Kで1.4倍ズームできる「ロスレスデジタルズーム」も備えています。

気になる価格は、なんと実勢価格で8万円を切っており、かなりお買い得感のある高性能ドローンと言えるでしょう。

※公式ページ:ANAFI

番外編~ドローン空撮におすすめのドローン2選

このほかに、より手軽なDroneX ProやTELLOといったドローンもあるのですが、小型であるためにInsta360 ONE Xをぶら下げるには無理があります。

特にTELLOは80グラムしかありません、

ただし、この2機種は1万円ちょっとで購入できますので、通常のドローン空撮を楽しむには非常に魅力的な選択肢と言えます。

①DroneX PRO – Quick Introduction

制度の高い飛行技術やワイドなアングルで撮影可能なカメラ、そして折り畳み可能でコンパクトなため持ち運びにも便利という機能性がありながら安値という高いコストパフォーマンスを誇るDroneX PRO。

カメラの画質やフレームレートも問題なく、非常に使い勝手が良いのが魅力です。

購入サイトはこちらから

②Say Hello to TELLO

先ほどから紹介している、DJI社の飛行性能とインテルのプロセッサーが搭載されておりながら本体価格10000円、という驚異の価格を誇るトイドローン・TELLO。

重さ80gというコンパクトさと、スマホで操作可能という手軽さから幅広い層が利用しています。

動画や写真の撮影も可能で、

  • ドローン自体初めてという方
  • ドローンでの空撮が初めて、という方
  • 手軽に利用したいという方

に非常におすすめの高性能トイドローンです。

購入サイトはこちらから

VRで見れる!ドローン空撮・撮影サービスを提供している会社2選

国内でドローン空撮を行うには、飛行場所や方法に規制があるのは前述の通りです。

またいくらinsta360 ONE Xがブレに強いとはいえ、商用レベルの360度空撮映像を撮影するには熟練したドローン操縦の技術と、最適な機材の選択が必須となります。

空撮を商用で行っている撮影業者が使うドローンは業務用モデルを利用することが多く、安定した映像を得ることができます。

今回は、360度ドローン空撮を商用で行っている会社を2社紹介いたします。

①株式会社FLIGHTS:『DroneAgent』

株式会社FLIGHTSが提供するドローン空撮サービス「Drone Agent」は、年間300フライト以上の実績を持つ空撮特化カメラマン派遣サービスです。

360度空撮においてはドローン本体が映りこまないオリジナルのVR撮影用ドローンを持っており、最大10個の4Kカメラが搭載できますので8Kレベルの映像が撮影可能となっています。

ドローン特有の空撮技法・カメラ周りの知見、シネマカメラ/VR空撮機材まで取り扱える国内トップの空撮技術チームと言えるでしょう。

作品例:360VR DRONE 4K 空撮(全天球) 紅葉名所巡り -DRONE VR with 12GoPro

②ジュエ株式会社:『4K~8Kドローン空撮と360度動画VR撮影事業』

ジュエ株式会社は、スタジオ・室内・屋外・空中・水中・車両上・車両内、山、川、海上などにおいて、早朝から夜間までの豊富な360度VR撮影経験を持っています。

ジュエも自社開発した独自の大型ドローン(4ロータークワッドコプター・6ローターヘキサコプター・8ローターオクトコプター)を持ち、最大積載6.0キロ以上の機材を搭載したドローン運用を実現しています。

お客様の希望される撮影シーンに合わせて搭載カメラを選択し、運用に最適な大型ドローンを提案いたします。

多様で高精細な空撮を可能とする自社開発ドローン

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ドローン技術はVRと同様にここ数年で非常に進化した分野であり、初心者でもかなり簡単に操縦ができることや、FPVでのドローン操縦の爽快感がお分かりいただけたのではないかと思います。

また、揺れに強い360度カメラの登場により数年前までは考えられなかった360度ドローン空撮が一般のユーザーでも簡単に実現できるようになっているのです。

一方で、ドローンに関する法整備は外国に比べてまだまだ進んではおらず、現時点では様々な制限があることも事実です。安全性の観点からも、商用の空撮動画撮影には専門の空撮業者に依頼するほうが望ましいと言えそうです。


ドローンVR

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