インスタARフィルター徹底解説|SNS AR広告のコスト感・メリット・事例集
現在の広告市場は、TVや雑誌を使った従来型のCMから、SNSを活用したプロモーション・マーケティングへのシフトが加速しています。
そうした中で特に注目されているのが、InstagramのARフィルターをプロモーションやマーケティング活用する手法です。
今回の記事では
- ARフィルター機能とは?
- InstagramのARフィルターをプロモーションに活用するメリット
- Spark ARとは?利用方法やコストについて
- ARフィルターを活用した企業のマーケティング事例5選
- ARフィルターの制作方法
といった点について取り上げます。
ARフィルターのイロハから、プロモーションへの活用メリットはもちろん、ARフィルターの制作ツールであるSpark ARやその制作方法、実際の活用事例まで、ARフィルターに関する気になる点をまとめてご紹介します。
企業のマーケティング担当者の方にとっては必見の内容ですので、ぜひ最後までお見逃しなく!
Contents
インスタグラムの機能「ARフィルター」とは?
ARフィルターとは、カメラ越しの映像に様々なエフェクト加工を施してリアルタイムで映像出力する機能のことです。
snowの顔認識スタンプのように、人間の顔にフィルターをかけるだけではなく、空間や物体にもエフェクトを追加したり、背景全体を別のものに置き換えることなども可能です。
このARフィルターの前提になっているテクノロジーが、最近よく耳にする「AR」です。
ARとは
AR(Augmented Reality)とはその名の通り、現実世界に3DCGなどの画像や映像・音声情報を付与する、「現実の拡張技術」になります。
例えば、Pokemon Go。スマホやタブレットをかざすと、画面の中でCGのキャラクターが重ね合わされ、あたかも現実世界とCGが融合したかのような体験をすることができます。
ARはエンターテイメントの分野だけではなく、製造業や医療、教育分野など、様々な業界・業種への活用が進んでおり、AR全体の世界市場は2018年時点の270億ドル(約2兆9700億円)から、2022年には2,087億ドル(23兆円)にまで達すると見込まれています。
その一技術である「ARフィルター(カメラ越しに出力される映像に対してリアルタイムでエフェクトを付けるAR技術)」はFacebookやInstagram、SnapchatなどのSNSアプリにも採用され、世界中で多くのユーザーが利用しています。
そのため、多くのクリエイターがARフィルターを利用した作品を発表したり、企業のプロモーション活動に活用する流れが進んでいます。
※参考:様々な業界でのAR活用事例集はこちら:【2020年最新|ARビジネス活用事例11選】効率化や精度の向上などAR化のメリットに迫る
企業がインスタのARフィルターでできること
ARフィルター機能は企業でも作成できる
Facebookはこれまで限られたクリエイターのみに提供していたARフィルター機能を全てのデベロッパーに開放し、Instagramで共有できるようにしました。
その結果、多くのクリエイターや企業が自社製品に関連したオリジナルのARフィルターをリリースし、宣伝やプロモーションに活用するようになっています。
制作したフィルターを通じて、最大10億人にリーチすることが可能に
多くの企業がInstagramのARフィルター機能を自社商品の宣伝やプロモーションに活用する背景には、Instagramが持つ全世界10億人以上のユーザー数のインパクトにあります。
企業が自社でARフィルター機能を搭載したアプリを開発し、配布してもそれほどの数のユーザーに届けることはできません。
ところが、Instagramで魅力的なARフィルターを制作すれば、ユーザーの「シェアしたい!」という気持ちをかきたて、より広く拡散することが可能になります。
また、InstagramのARフィルターを活用したプロモーションは一般ユーザー自ら進んで使用するため、『”広告っぽさ”が薄い』という点も企業にとって嬉しいポイント。
では、具体的にARフィルターをInstagram上でのプロモーションにどのように活用できるでしょうか?
“映えるフィルター”で、ブランド認知や販売促進・プロモーションを強化
Instagramでのプロモーションにおける着目点は、自社のブランド力を高め、それを商品の認知や販売促進につなげることにつきます。
一つの例として、以下のスターバックスのプロモーション動画をご覧ください。
この動画にあるように、スターバックスのホリデーシーズン用のARフィルターは、まずユーザーに写真や動画を撮影してもらうことを目的にしています。
ARフィルターを使用した写真や動画が印象に残るため、ユーザーもこぞって利用し、それをシェア。
そして投稿された写真や動画を見た人が「スターバックスに出かけよう」と感じる仕掛けとなっています。
このように、まずは映える写真や動画を撮りたいというInstagramのユーザー心理を前提として、彼らに「使いたい!」と思わせるARフィルターを提供することによって、自然で効果的なプロモーションの展開が可能になるのです。
企業がインスタでARフィルターを制作・投稿する2つのメリット
Instagramの利用者は、上で述べたとおり全世界で10億人以上のユーザー数に加えて市場規模の拡大、4Gから5Gへの進化など、社会的背景から一般ユーザーが今以上にARを利用することが予想されます。
このように、全世界がこれからますますARテクノロジーを利用する流れの中で、企業もプロモーションにARフィルターを活用することが当たり前になるでしょう。
その中でも特に、企業がInstagramでARフィルターを制作・投稿べき2つのメリットを取り上げてみましょう。
1.マス層へのリーチによるブランド認知向上・商品プロモーション
企業によるプロモーション・宣伝活動は、テレビや雑誌などで行われる大々的なマス向けアプローチはもちろん、SNSなどを使った細かなターゲット層に対して、1,000~5,000人規模のマイクロ・インフルエンサーを利用したマス層へのアプローチが重要になってきています。
その「SNSを通したマス層へのアプローチ」に最も有効的なツールの一つが、Instagramなのです。
ポイントはプロモーションの初動でインフルエンサーを活用する事
Instagramのインフルエンサーはフォロワーの人数規模だけでなく、抱えているフォロワー層も様々。
- 美容系
- 旅行系
- スポーツ系
- ファッションアパレル系
- インテリア・家具系
など幅広いカテゴリのインフルエンサーが存在し、それぞれフォロワーの興味の対象が明確です。
よって、企業からすると、自社と事業領域と重なるインフルエンサーとコラボレーションする際に、質の高いターゲティングユーザーにリーチすることが可能なのです。
インフルエンサーを活用したプロモーションの流れ
- インフルエンサーを起用するし、ARフィルターを使用してもらう
- 多くの人がARフィルターを認知する
- 投稿を見た一般人も、ARフィルターを使用
- 一般人をフォローする周りの人がさらにARフィルターを認知し、使用
実際、高級ファッションブランドのDior(ディオール)が自社の公式InstagramでリリースしたARフィルターとそのプロモーションにより
- 1週間で260万以上のインプレッション
- 220万以上のビュー数
- 45万人以上のARフィルター使用
を達成しました。
自社アカウントで多くのフォロワーを抱えるDiorの成功例は、インフルエンサーを活用したARフィルターの有効性を如実に証明していると言えるでしょう。
※プロモーションでARを活用したい方向けの参考記事→)2020年ARの広告・プロモーション活用事例|仕組みやメリットなど徹底解説
2.ARの試着・試用機能によるネットショッピングCVR改善
InstagramのARフィルターを活用することのもう一つのメリットは、洋服や腕時計、指輪など、様々なファッションアイテムを手軽に『試着』できることです。
ARは現実世界にCG画像などを重ね合わせるテクノロジーなので、上の写真の指輪のように実際のアイテムがなくても、ARフィルターによってあたかも実際に試着しているかのような体験ができます。
AR試着なら誰にも気を咎める必要もなく、好きなだけ試着することもできます。
試着アプリとARフィルター試着の違い
実は、こうしたARを利用した試着アプリは多く存在しますがが、ネイティブアプリを利用するためにはそれぞれ個別のアプリをインストールしなければなりません。
その点、InstagramのARフィルターであればAR試着はInstagram内で使うことができるので、別途アプリケーションをインストールすることが必要です。
さらに、Instagramのショッピング機能とリンクさせればユーザーにとっても非常に便利で、売上げアップとともにCVRの改善にも役立つでしょう。
昨今の新型コロナウイルスの影響で、実店舗での試着をためらう人が多くなると考えられています。
そうした中にあって、InstagramのARフィルター機能を利用した新しい試着の『形』は、これからますます注目されることでしょう。
インスタARフィルターの制作・ご相談
ここまでARフィルターの詳細やメリットなどを紹介してきましたが、本メディア「XR-Hub」運営元「株式会社x garden」は、国内の大手観光企業や通信会社、東証一部上場のエクステリア企業など、幅広い業種の企業をクライアントにしたARアプリケーションの開発実績があります。
- ARフィルターを使ったプロモーションをしたい
- プロモーションでARなどのテクノロジーを活用したい
- AR/VRを自社の事業で活用したい
という企業担当者の方向けに初回無料でコンサルティングを実施しています。
x gardenは現在積極的にコンテンツ企画・開発の相談を承っておりますので、是非こちらからご相談ください。
ARフィルター制作ツール「Spark AR」のダウンロード方法・料金・使い方
「Spark AR」とは、InstagramのARフィルターを制作するためのツールです。
Spark ARはFacebookが提供するオフィシャルのARフィルター制作ツールで、作成したARフィルターをFacebookやInstagramのアプリカメラで利用することができます。
これまで限られたクリエイターしかSpark ARを利用することはできませんでしたが、2019年から誰でも利用できるツールとして公開されました。
この節ではSpark ARの利用方法やARフィルターの制作方法について見ていきましょう。
Spark ARは無料でARフィルターを制作・配布できる
InstagramのARフィルターを制作するためのツールが、無料で使用できる「Spark AR Studio」です。
作成したARエフェクトの配布にも料金は不要なので、制作環境さえ整えれば、誰でもInstagramのARフィルターが制作できます。
日本国内だけでも2,000万人以上のユーザーを持つInstagramの強力なツール、ARフィルターを無料で制作・配布できることは企業だけではなく、個人クリエイターにとっても非常に大きなメリットとなるでしょう。
Spark AR Studioのダウンロード方法・使い方(Windows/Mac)
Spark AR Studioを利用するには、まず公式サイトからソフトを無料でダウンロードします。
Spark AR Studioをダウンロードしたら、Facebookの公式リソースでARフィルターの作成方法を学びましょう。
ARフィルターの作成手順
ARフィルターの作成手順の大枠は下記の3ステップです。
- 基本的な概要を学ぶ
- チュートリアルで動作を試す
- サンプルを動かして作り方を学ぶ
基本概要は英語サイトになりますが公式サイトの「Getting Started」で見ることができます。
公式サイトには豊富なチュートリアルやサンプルが用意されているので、自分の作成したいARフィルターをイメージしながら、作成方法を学びましょう。
公式サイトだけではなく、世界中のクリエイターがYoutubeやブログでARフィルターの作成方法を公開しているので、それらもぜひ参考にしてください。
Spark ARで実装可能な主な機能・できること
Spark AR Studioでは、様々な機能を駆使しながら必要にかなった下記の5つのARフィルターを制作することができます。
- Face Tracker:顔と表情の認証
- Hand Tracker:手の認識
- Segmentation:人物切り抜き
- Plane Tracker:平面認識
- Target Tracker:画像認識
では、それぞれ順番に見ていきましょう。
1.Face Tracker:顔と表情の認証
InstagramのARフィルターで一番利用されているのが、Face Trackerでしょう。
Face Trackerを利用することで、人間の顔や表情の動きを認識し、それに合わせたARフィルターを配置することができます。
フェイスペイントを施したり、複数人の顔を同時に認識、口の動きに合わせたエフェクトもほどこせるため、以下のようなフィルターも制作できます。
Face Trackerでできること一覧
- 顔の動きの認識
- 複数人の同時認識(5人まで)
- 瞬きの追跡
- 口の開きの追跡
Spark AR StudioのFace Tracker機能では、素材画像を利用することによって、初めての方でも比較的簡単にARフィルターを制作することができます。
2.Hand Tracker:手の認識
Hand Tracker機能を利用すると、手の動きを認識して様々な効果を与えることができます。
Hand Trackerでできること一覧
- 手の認識(片手1本限定)
- 手の位置の追跡
Hand Trackerでは手の動きに合わせてエフェクトを施せるため、例えば手のひらから炎を出したり、呪文をかけたりするような、映画「ハリーポッター」を思わえる映像効果も生み出せます。
手の動きに合わせた様々な演出を施すことができるため、Hand Trackerも非常に応用の幅が広い機能です。
3.Segmentation:人物切り抜き
Segmentationでは人物のエリアを切り抜いて、背景を別のものに置き換えることができます。
Segmentationでできること一覧
- カメラ内の人物エリアの認識
- 背景をエフェクトに置き換える
Segmentationにも公式が豊富なテンプレートを提供しているため、素材の組み合わせによって比較的手軽にARフィルターを制作することができます。
コロナ禍で利用が広がったリモート会議で、背景を自分の好きなテクスチャに変更している人も多いでしょう。
Segmentationを利用して、InstagramのARでも背景エフェクトを自由に変更することができます。
4.Plane Tracker:平面認識
Plane Trackerでは現実世界の平面を認識して、その上に3Dモデルを配置することができます。
Plane Trackerでできること一覧
- 平面認識
- 平面上へ3Dモデルの配置
通常のARコンテンツではQRコードを読み込んでキャラクターなどの3Dモデルを出現させるのが一般的な利用方法ですが、Plane Trackerでもまさにそれと同じ映像表現が可能です。
平面を認識してその上に3Dモデルが配置されるため、現実世界に本当に3Dモデルが現れたかのような映像表現を生み出せます。
そのため、小物などのファッションアイテムやアクセサリーなどをPlane Trackerで表示させれば、消費者の購買意欲を高めることも容易になるでしょう。
5.Target Tracker:画像認識
壁やポスターから物体が飛び出るようなAR映像表現を可能にするのが、Target Tracker機能です。
Target Trackerでできること一覧
- 画像認識
- 画像への3Dモデルの配置
Target Trackerは画像を認識してその上にAR表示をかぶせることができるため、上の投稿のようなARエフェクトを施せます。
この機能は、とくに広告表現にピッタリでしょう。ただし、対象となる画像には認証するための要件がいくつがあるため、公式リファレンスで予めご確認ください。
Spark ARで実装できない機能例
このように、Spark AR Studioの機能を利用して、様々なARフィルターを制作することが可能です。
ただし、多様な機能を持つSpark AR Studioとはいっても、やはり制限が存在します。
Spark AR Studioで制作するARフィルターはあくまでも「フィルター」のため、インタラクションを必要とするスタンプラリー機能や、ゲームを制作することはできません。
とはいえ、Spark AR Studioも通常のARアプリのようにマーカーの読み込みに対応するようになりましたので、グッズやチラシ、雑誌やポスターなどをマーカーに設定して、ARコンテンツを表示することもできるようになりました。
今は実装されていない機能でも、今後利用可能になることに期待ですね。
Spark ARで制作するARフィルター の制作コスト
無料ながらも機能豊富なSpark AR Studioですが、実際にInstagramで使用できるARフィルターを制作する場合のコストは、大雑把にいって次のような条件で異なります。
- 作業環境は整っているか
- 制作できる人員は確保しているか
Spark AR Studio自体は無料のため、Spark AR Studioで制作できる環境(ハード)と、Spark AR Studioを使えるスタッフ(ソフト)が整っているかによって、コストが上下します。
上記2つの条件が整っていれば、低コストでARフィルターの制作が可能でしょう。
一方、Spark AR Studioを使える環境と人員のどちらか、あるいは両方が揃っていない場合は、ARフィルターの制作を外注することになります。
では、その場合の制作コストについてはどうでしょうか?
クオリティ要件次第だが、シンプルなものであれば100万円程度で制作可能。
ARフィルターの企画から開発まで、一貫して請け負う企業がいくつも存在します。
Spark AR StudioのFace Tracker機能を利用した、単純なARフィルターの制作であれば、100万円程度の予算での製作も可能です(メンテナンス費用は別途必要)。
この画像のようなFace Tracker機能を利用したARフィルターをリリースするために、新規にアプリを開発しようとすると、最低でも数百万円から数千万円ほど必要になります。
ところが、InstagramのARフィルターは新たにアプリや機能を組み込む必要はないため、外注したとしても低コストで制作が可能です。
そのため、ショッピングモールやレジャー施設、各店舗などでのイベントやキャンペーンにも積極的に取り入れることができるでしょう。
エフェクトやインタラクションに拘る場合は200万円以上の見積もりを
個人の趣味やインスタ映えを狙うためのARフィルターであれば、単純なものでも問題ありません。
しかし、企業の大規模なキャンペーンやPRのために、ハイクオリティで多くの人の関心を引きつけるようなARフィルターを制作したい場合は、最低でも200万円以上の予算は確保したいところですね。
それでも、新規にアプリを開発するよりもはるかに低予算で制作できるのがARフィルターの魅力の一つです。
Spark AR・インスタグラムARフィルターを活用した企業の広告・プロモーション事例5選
では、ここからは実際にInstagramのARフィルターを企業のプロモーションに活用している企業の事例を見ていきましょう。
インスタARの広告・プロモーション事例1. Dior(ディオール)
すでに上でも紹介しましたが、高級ブランドのDiorはInstagramのARフィルターを積極的に活用している企業です。
たとえば、Diorは2019年の春夏コレクションをInstagramのストーリーズでAR試着できるエフェクトをリリースしました。
このフィルターではDior So Lightというサングラスを試着できるものでしたが、サングラスは「スクウェアフォルム」のオーバーサイズという独特のデザインであったため、ARの手軽な試着は非常に大きな反響がありました。
このARフィルターを使用するにはInstagram上でDiorをフォローする必要があり、既存フォロワーに瞬時に周知できただけではなく、DiroのARフィルターを利用したユーザーが拡散に貢献し、新規フォロワーを獲得することにも貢献しています。
さらにDiorは、カラフルなメダリオンが空中を漂うARフィルター「Rose des Vents(ローズ・デ・ヴァン)」もリリース。
アイコニック・メダルをタップすると弾けたり、クルクル回ったりするエレガントなエフェクトが楽しめます。
「Rose des Vents」は、Diorが幸運のシンボルとして大切にしている、ベストセラーコレクションです。
このARフィルターは試着やイベントなどのPR用のエフェクトではありませんが、こうしたエモーショナルなARフィルターをリリースすることで、自社のブランド力を高めることに貢献しています。
インスタARの広告・プロモーション事例2.Ray-Ban(サングラスブランド)
Diorでも紹介しましたが、InstagramのARフィルターを使ったサングラスの試着は、手軽ながらも非常に効果的です。
おなじみのRay-Banのサングラスも、ARエフェクト検索でRay-Banを検索するか、ストーリーズ内のエフェクトのアイコンをタップすることで、気軽に試着が楽しめます。
試着時には正面の画像だけではなく、顔の角度を変えることによってちゃんとテンプル(つる)の部分もしっかり確認できます。
ただし、Instagramのショッピング機能(Shop Now)でもレイバンのサングラスを購入することはできますが、ARフィルターと紐づけられていません。
ARフィルターで試着して気に入ったサングラスがあっても、ダイレクトに購入できる動線が備わっていないところが非常に残念なところです。
ARフィルターから直接ショップ画面に飛べるか、もしくは商品の画像からでもARフィルターで試着できれば、さらに使い勝手が良くなるでしょう。
インスタARの広告・プロモーション事例3.メルセデス・ベンツ(自動車メーカー)
メルセデス・ベンツは、自社の公式InstagramのアカウントにてARを6種類も展開しています。
メルセデス・ベンツのARフィルターを使用すると、自分がF1ドライバーになったかのような気分を味わえます。
また、現代のドライバー・フィルターだけではなく、F1黎明期やホンダがF1に参戦し始めた頃のレトロなARフィルター、さらにフェイステクスチャ・フィルターなど複数のコンテンツを楽しむことができ、車好きには非常に嬉しいコンテンツでしょう。
これらのARフィルターはPRやキャンペーンというよりも、メルセデス・ファンへのサービスとしての側面が強いでしょう。
しかし、こうした様々な形でのファン・サービスが、根強い顧客を生み出すことをメルセデス・ベンツはよく知っています。
さらに、2019年にはメルセデス・ベンツの新型CLAクーペのプロモーションの一環として、特製のARフィルターも活用したキャンペーンも展開していました。
ファン拡大やPR・キャンペーン向けなど、ARフィルターには様々な活用可能性があることが分かります。
インスタARの広告・プロモーション事例4.H&M(ファッションブランド)
スウェーデン発のファスト・ファッションブランドの「H&M」もInstagramでARフィルターをリリースしていますが、着目したいのがアパレルメーカーであるにも関わらず、試着のためのARフィルターではないという点です。
H&MのInstagram・ARフィルターで用意されているのは下記の3種類で、どれも個性的で楽しいものばかりです。
- 「H&M Studio」:背景の切り替えと同時に自分のフェイスにもテクスチャ処理が施され、まるで別の惑星に来たかのような映像が現れます
- 「GiambattistaVali✕HM」:フーっと息を吹き出す口の動きに合わせて、口からハート型のオブジェが湧き出てくるというもの
- 「To All The Boys:360」:インカメラではなくアウトカメラを使用して、自分の部屋をファンシーな内装に変えてしまいます
ファッションブランドは、独自のバックグランドやストーリーをベースにした文化・『ブランド』をとても大切にしています。
H&Mの、試着機能を排除したこれらのARフィルターは、H&Mという自らのブランド・イメージを拡張し、新たなファンを獲得しようとする企業戦略が伺えます。
直接的な販売やPRだけではない、こうしたARフィルターの活用は、Instagramというプラットフォームを意識した、巧みなモデルケースといえるでしょう。
インスタARの広告・プロモーション事例5.カラコン・メイクもARフィルターで擬似体験
コンタクトレンズの大手メーカー「PIA」はカラーコンタクトレンズブランドの「MOLAK(モラク)」とコラボして、Instagramでカラーコンタクトと、それに合わせたメイクをお試しできるARフィルターをリリースしました。
このARフィルターでは、MOLAKの提供するピンクとパープル、2種類のカラーコンタクトと、それぞれに合わせたメイクのエフェクトを自分に合わせることができます。
ファッションアイテムとしても人気のカラーコンタクトですが、初めての人にとっては少しハードルが高いのも事実です。
ところが、ARフィルターならカラーコンタクトレンズを装着した自分の様子を手軽に確認することができます。
「カラーコンタクトに興味はあるけれど、躊躇している」という人の背中をポンと押してくれるようなPIAのARフィルターは、宣伝の押しの強さを抑えつつも、しっかりとプロモーションの効果を出していることが伺えます。
インスタARフィルターやARを活用したプロモーションの企画・制作依頼はこちら
本メディア運営元「株式会社x garden」は、国内の大手観光企業や通信会社、東証一部上場のエクステリア企業など、幅広い業種の企業をクライアントにしたARアプリケーションの開発実績があります。
ARを活用したプロモーション企画やARフィルターの開発、ARアプリケーションの開発依頼先を探している企業担当者の方は、是非こちらからご相談ください。
まとめ
今回紹介したように、InstagramのARフィルターを利用することによって、世界中のユーザーに自社ブランドや製品をアピールすることができます。
特に注目したいのは広告っぽさがなく、自然で効果的なプロモーションを展開できることですね。
SNSやインフルエンサーを活用したプロモーションや宣伝が、これからの広告の主流となっていくのは間違いありません。
XR-HUBは企業の皆様のARフィルターの活用についても、徹底的にサポートいたします。
ぜひ、InstagramのARフィルターの企画や制作、その後のメンテナンスについても、ぜひお気軽にご相談ください。
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